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【恐竜博2019レポ】恐竜の骨こそ最高のアートだ!

小さい頃は恐竜図鑑を読んで育ったといっても過言ではないほど恐竜好きの筆者だが、そんな自分にぴったりの展示会が現在、東京・上野にて開催されている。

その名も「恐竜博2019」である。

世界初公開の全身復元骨格をはじめとし、恐竜学の新時代をつくった重要標本が数多く集まる貴重な展示会だ。

そして、なんとなんと! 日本初となる全身実物化石「むかわ竜」も披露されている!

私はちょうど1カ月前に見に行ったのだが、「恐竜好きでなくてもこの展示会は行っておくべき!!」と声を大にして言いたいほど素晴らしい内容だったので、今回はここだけは見てほしいというところを抜粋して紹介したい。

※多少のネタバレはありますので知りたくない人はUターン推奨。


**あの有名映画のモデルとなった恐竜が! **

この展示会で見逃せないのは、貴重なホロタイプ標本だ。ホロタイプ標本とは種の学名を決定づける単一の標本のことで、世界のひとつしかない。そんな貴重なものがここ日本で見れるのだ!

展示されているのは、1969年に「恐ろしいツメ」の意味する学名を付けられたデイノニクス。

ちなみにこの恐竜、あの有名映画「ジュラシックパーク」で出てくるヴェロキラプトルのモデルとなった恐竜だ。


このデイノニクスの化石が見つかったことで恐竜はのろまな冷血動物という説から、集団で狩りをおこなう社会性を持ち合わせた温血動物という説に一新されたのだ!

この発見がなかったら、あのジュラシックシリーズも生まれてなかったかもしれないよね~。


**デイノケイルスの腕に驚愕! **

今回は目玉の展示が2つあるのだが、そのひとつがデイノケイルスだ。

はじまりは1965年の夏。モンゴル南部のゴビ砂漠でとんでもないかぎ爪を持った前肢の化石が発見された。

この巨大な前肢から、ギリシャ語で「恐ろしい手」という学名をつけられた。それがデイノケイルスである。


展示会ではこのとんでもない大きさの前肢の骨格を見ることができる。

写真ではわかりにくいのだが、前肢だけで相当大きい。全長2.4mあるそうだ。この迫力は本当に直接見て感じてほしい。初めて見たとき「これは出会ったら確実に死ぬ」と筆者確信。

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(9/11筆者撮影)

なお、展示会は一部展示を除いて写真撮影OKだった。


ものすんごい腕だが、デイノケイルス自体は動きが遅く、植物をかき集めて食べていたみたい。

同じ展示場所でゴビ砂漠の代表的な肉食恐竜としてタルボサウルスが紹介されているんだけど、こっちは対照的に前脚も短くずんぐりむっくり体型。

この2種が戦うオリジナルムービーもあったんだけど、デイノケイルスの前脚でかわいそうなくらい滅多打ちにされるタルボサウルスがおもしろすぎて(いい意味で)全国民に見てほしい(笑)。


**ほぼ全身の骨が見つかった「むかわ竜」 **

目玉展示のもうひとつは北海道のむかわ町で発掘された「むかわ竜」である。学名はカムイサウルス・ジャポニクス。

2003年に骨の一部が発見され、発掘作業ののち全身の骨格が見つかった。2019年に親属新種として発表されたばかりの非常にホットな恐竜である。


日本では今まで1道17県で恐竜の化石が発見されているが、全体の80%近くの骨が見つかったのは初めてなのだそう。


しかも海底だった地層から見つかったというのがポイントだ。海でバラバラになる前に化石となったと考えると非常に珍しいケースだそうで、世界的に注目されている。


昨今、日本では恐竜の化石の発見が相次いでいる。むかわ竜の全身骨格の発掘は、今後の発掘調査に大きな希望と可能性が広げてくれた。特に北海道は恐竜時代の海の地層が多く露出しているらしい。これから先、日本からさらに新しい恐竜が発見されるかもしれないということを考えると、わくわくしちゃうね!


**恐竜の骨にはロマンがある **

ひとつの骨の発見から、あらゆる研究や生きていた姿を想像し、全体像を作り上げていく。その取り組みはある意味で芸術に近いのではないかと筆者は思う。


私たちは恐竜の骨格を見て、感動し太古の世界へ想いを馳せる。この巨大な塊を見ているとなんだか自分がちっぽけな存在に思え、さらに自分では想像もつかないような大きなパワーを感じて、不思議な高揚感に包まれるのだ。


まさに「表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動(Wikipediaより)」である芸術といっても過言ではないはずだ!


・・・とかなんとか言ってみたが、つまるところ恐竜の骨は最高にかっこいいのです(結局シンプル)。

大好きなティラノサウルスの骨格もあってとんでもなくはしゃいだよね(笑)。

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とにかく大大大満足な展示会だったので、まだ見に行ってない人は今週の三連休にぜひ! **14日までだからまだ間に合うよ~! **

恐竜博2019
場所:国立科学博物館
会期:~10月14日(月・祝)まで
時間:9:00~17:00(金・土は20時まで。入場は閉館の30分前まで)
入場料:通常チケット 一般・大学生=1,600円/小中高生=600円
金曜・土曜限定ペア得ナイト券2名1組=2,000円
https://dino2019.jp/index.html


以上! 最後のお土産コーナーで買った公式図録を、ニコニコ顔で見ていたら「小学生男子みたいだね」と言われてしまった筆者からお届けしました!(もうアラサーなのに~!)


編集:アカ ヨシロウ

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