ビジネスにおける比喩の変化を感じる
こんにちは、渡辺です。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズというコンサルティング会社で人事の仕事をしています。
今回は人事にはあまり関係のない話。
ビジネスシーンにおいて使われる比喩の元ネタが、私の身の回りで変わりつつあると感じています。
きっかけは、当社COO白川さんの発言
「ビジネスシーンにおける比喩」について意識を向けるようになったきっかけは、数年前、当社COOの白川さんが発した言葉でした。
どういう文脈での発言だったのか覚えていません。
しかし、この発言を聞いて私は「え、何言ってんの。そんなわけないでしょ」と強い違和感を覚えたのを記憶しています。(ちなみに私は完全にガンダムの門外漢です)
でも、数年経った今、本当に白川さんの言うとおりだった。
その数年後、クライアントのキーパーソンが、やたらガンダムに詳しいケースが増えます。
私の関わったプロジェクトでも、プロジェクトの意義をガンダムになぞらえた議論が盛り上がり、私だけ完全についていけないシーンもありました。
また、ケンブリッジ主催のセミナーでも、ガンダムになぞらえたメッセージで参加者が湧いている様子を度々目撃するようになります。
理由:世代交代、サブカルチャーのメインカルチャー化
その理由はシンプルで、クライアントの世代交代。
ガンダムど真ん中世代が、部長や役員、社長に就任するようになったのでしょう。
また、サブカルチャーのメインカルチャー化も挙げられそうですね。
私が社会人になりたての頃はまだ、「仕事の最中にマンガやアニメの話をするなんて」という風潮があった気がします。
今となっては職位を問わず誰もがマンガやアニメを観ているし、その趣味をオープンにすることにもためらいがなくなりました。
サブカルチャーの「サブ」が取れ、メインカルチャーになったことの表れだと思います。
90年代カルチャーからの比喩も増えてきた
あくまで私の観測範囲に過ぎませんが、最近は90年代ジャンプ作品の比喩を耳にする機会も増えてきました。
特に「ドラゴンボール」「スラムダンク」は、才能や努力、挫折、チームワークを多く描いた作品であり、組織開発や人材育成の文脈で比喩に用いやすいのだろうと推察します。(マンガにあまり詳しくない私でも、なんとかついていけています)
もう数年経つと、00年代ジャンプ作品を用いた比喩も増えてくるのかもしれませんねぇ。
「誰もが見ているあの作品」がない時代、これからの引用はどうなるのか
テレビから動画メディアに趨勢が変わり、タコツボ化が進んだ現在。
これからの引用はどうなるんでしょうか。
マンガにしろアニメにしろ、90年代~00年代と比べると「誰もが見ているあの作品」というものは減ってきているように感じます。
すると、共通言語としてのサブカルチャーが機能しづらくなる。
ビジネスにおける比喩として、共通言語の元ネタがないという状態は、致命的なことなのではないでしょうか。
10年後くらいには一周回って、野球などのスポーツの比喩が、再び市民権を得ているかもしれません。
おわりに
という話を人事チーム内の飲み会でしたので、書いてみました。
20年後くらいに「お、全集中の呼吸っスね、先輩!やっぱり長男ですか!」と言い出す新入社員が現れたらどうしよう、という不安で今からいっぱいです。
おしまい。
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