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異動直後に感じたストレスをできるだけ具体的に言語化してみる

こんにちは、渡辺です。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズという会社で、経理や人事の仕事をしています。

社内の人事異動により、3月から経理業務に軸足を置くようになりました
(厳密には経理と人事の兼務です)。
慣れ親しんだ人事業務と距離をおき、6年ぶりに新しい業務の勉強に励む毎日です。

この記事を書いている時点では、1か月が経過したところ。
当初想定した以上に、新しい環境に自分がストレスを感じていることに気づきました。
勤続13年目、バックオフィス組織内での異動であっても、こんなにストレスが生じるとは‥。

このストレスを(ちょっと大げさに)表現すれば、転職したての新入社員が感じるストレスの相似形になるのではないか。
ひいては、新入社員の定着支援の処方箋にもつながるのではないか。
そう考え、この記事では新環境での感じているストレスを具体的に言語化してみます。

(ケンブリッジの皆さんへ。この記事は「ストレスを受けているからなんとかしてほしい」というSOSではありません。勤続13年目なので、自分でなんとかできらぁ!)

前提

  • 当初は、コンサルタントとしてこの会社に入社しました。6年間、プロジェクトワークに従事しました。

  • その後、バックオフィスに異動し、6年間人事業務を担当しました。

  • 今年から経理に異動しました。経理業務は未経験です。

ストレス①使うITシステムが変わる

「いきなりそこかよ」と思われるかもしれないが、業務で使用するITシステムが変わること、これが第一のストレス要因になる。

自分が経理業務のレクチャーを受けているときに「じゃあ〇〇システムを開いてください」と言われると、
「あれ?それって何のシステムだっけ?」
「どこからアクセスするんでしたっけ?」
「認証方法は?自分が設定したパスワード?‥え、私、設定なんてしましたっけ?」
という調子。

以前は、どのシステムに・どんなデータが入っているかがすべて頭に入っていて、システムと自分の思考が一体化している感覚がありました。

今は、経理のシステムを触るときに、いちいち手が止まってしまう。
何か仕事をしようにも、アクセス方法や認証方法など、些末なところで立ち止まってしまう。
これが地味につらい。何度もアクセスして慣れるしかないのだけれど‥。

【新入社員支援の処方箋①】
そういえば、ある社員が「転職してきた当初は、社内システムが分からなさすぎて、それを理由に会社を辞めようと思ってました」と笑いながら言っていたことがあった。
そのときは「またまたご冗談を~」と笑って返したけど、今から振り返ると、その人は当時本気でそう思ってたんだろうな。

メール文化からチャット文化、口頭のやりとり重視からSaaS上のやりとり重視といった切替えを強いられる人は、特に大変だろうと思う。

社内システムは仕事のインフラである。
インフラが様変わりすることのストレスを、周囲の人たちは軽視すべきではない。

社内システムに関する質問に、周囲は何度でもすぐ答える。
あるいは、「みんなそんなもんだよ」とハードルを下げるメッセージを伝えるのがいいのかもしれない。

ストレス②「周囲に迷惑をかける存在」と自己認知が歪む

私が異動したタイミングは、まさしく年度決算の直前期。
そんな忙しい中、経理業務や会計システムのレクチャーを丁寧にしてもらっているうちに、なんだか申し訳なさがつのってくる。
「この時期の貴重な時間を、自分なんかに使わせてしまって申し訳ねぇ‥」という気持ち。

また、当然のことだが、自分がいなくても経理業務は回る。
チーム内の議論が複雑になると、自分はいてもいなくても同じであり、空気のような存在になる。

「人事のときは常に議論の中心に自分がいたのになぁ‥」なんて思っちゃう。
その落差もあってか、「価値が出てない、周囲に迷惑をかけている」と自己認知が歪むのを感じる。
決して周囲からそう言われてなんかいないのに。

価値を出さなきゃと思って、つい焦ってしまう。
多分、今も焦りの中にいる。

【新入社員定着支援の処方箋②】
小手先テクニックかもしれないが、小さな領域でもいいからタスクを任せ、完了まで担ってもらう。
それに対して「ありがとう、助かったよ」と感謝の意をはっきりと伝えるのがいい気がする。

小さなことでもいいから、「貢献できた、自分はここにいていいのだ」という早期の貢献実感は、年齢を問わずその後の成長の取っ掛かりになるのではないか。


文字ばっかりの記事なので、今年の桜の写真を入れておきます。

ストレス③業務の全体像が掴めず、暗闇を歩いている感覚になる

経理業務に関するレクチャーを受けると、その内容が頭の中に点として残る。
点と点として繋げて理解しようとするが、そう簡単にはいかない。
また、新たに情報を得たとしても、それを脳内にマッピングする先がない。

それに加えて、情報の重みづけが分からない。
Slackに流れてくるメンションは、読み飛ばしていい情報なのか、ちゃんと読み込んで理解しておくべき情報なのかが、判別がつかない。
ゆえに、ずっと感覚がオンのままになり、やたら疲れてしまう。

人事の時は「よくそんなに社内の情報にアンテナ立ててられますね」とか言われたものだが、今となっては覚えが悪くなってしまった気すらしている。

真っ暗闇の中を手探りで歩いているような感覚を覚えている。

新入社員定着支援の処方箋③
知識・経験をマッピングする先となる全体像を、定期的にレクチャーするのはいいかもしれない。
例えば、会社のビジネスモデル。製品ラインナップ。バリューチェーン。業務サイクルやスケジュール。組織図。
こうした地図となる情報を伝えるとともに、「あなたが今いるのはココ」を示す。

ただし、入社直後にこれらの情報をレクチャーしても、頭に留まりにくい。
業務やシステムの情報をある程度得たあとに、差しはさむのがよさそう。
そうすれば、具体と抽象を行ったり来たりして、理解が深まるのではないか。

ストレス④周囲にどう思われているか、過度に気になる

自信のなさゆえに、周囲からの評価が必要以上に気になってしまう。

「今日のあの発言は、ちょっとイキりすぎだったかも」
「今日も『人事では~』って言っちゃった。やめときゃよかった」
「成果出そうと必死になってんな、とか思われてないかな」
とか考えてしまう。

人事の時は「周囲の評価とかどうでもいいです。やるべきことをやるだけです(キリッ)」とか言ってたのに‥笑
この状態で、経理業務でミスとかしてしまったら、ひどく落ち込んで萎縮してしまうだろうな‥と思う。

人事との兼務なので、人事業務に関する相談を人事メンバーから今も受けている。
が、その相談は、私が自信を取り戻すための時間になっているような気さえする。
(転職で言えば、転職後も前職の同僚とつるんでいるようなものだろうか)

新入社員定着支援の処方箋④
「影ではどう思われてるんだろう」が気になってしまうので、あえてフィードバック面談を早めに設けるという手は有効かもしれない。
・「今のところ、期待値どおりですよ。この調子でよろしく!」
・「もう少しここは頑張ってほしい」
・「思っていたよりも活躍してくれて、驚いています」
など、どれもあり。
疑心暗鬼が一番不健全なので、「ダメならダメって言ってくれるはず」という状態はそれよりもマシなはず。

終わりに

全部、今の自分の気持ちをあえて大げさに書いたものです。繰り返しますが、元気です。

私のケースは転職ではなく社内異動に過ぎず、共通システムは変わらないし、社内人脈はあるし、ビジネスモデルも変わりません。
その前提があってもこうしてストレスを感じるので、改めて「転職って本当に大変だよなぁ」としみじみ思います。

中途入社の定着支援のヒントになればと思い、書いてみました。
これからも淡々とがんばります。

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