遠目からは木の切り株のようなシンプルな湯口ですが、近づくとこんな素敵な絶景に出会えます。

源泉温度が８０℃を超えるため湯量はチョロチョロ。そのおかげか芸術的なチクチク析出に成長しています。毒々しさと美しさの両立するバラのような魅力を持つ湯口ですね。本当はこの析出ちゃんに顔をうずめてチクチクしたいのですが、激熱な源泉が滔々と流れているため、大やけどの恐れがあります。ご注意を。

この湯口がいらっしゃるのは内湯のみの大浴場。モダンでシンプルな石張りの浴室です。裸婦の描かれたモザイク画がアクセントで、全体的に落ち着いた色使いです。

泉質は、放射能泉。
先述の通り源泉は８０℃を超えているのですが、加水をせず湯量調整のみで湯船へ提供。源泉の個性を残したまま「かけ流し」で味わうことができます。

無色透明のお湯は、ほんのり塩っぽいような鉱物っぽいような香りがただよい、舐めるとわずかに甘塩ダシ味を感じ、ミネラル味がたっぷりです。ツルツルスベスベな湯ざわりの中に、引っかかるようなキシキシ感が同居する複雑な感覚が嬉しいポイントです。

館内はレトロと和モダンが融合し、おしゃれな空間に昇華されています。昔ながらのタンス、本棚、囲炉裏といったインテリアもそのまま残され、ノスタルジックを感じながらこの宿の雰囲気を堪能することができます。

そんな素敵な湯口とかけ流しの温泉を有するレトロモダンな宿は、鳥取県の「三朝温泉 木屋旅館」さんです。
明治元年創業の老舗の宿で、その歴史ある建物は「登録有形文化財」に指定。立地もよく三朝温泉街の中心近くに位置しています。また、宿泊するとレトロなタイルが素敵な「貸切風呂」にも入れるためおすすめです。

三徳川沿いに形成された三朝温泉街は旅館や民宿だけでなく、食事処やお土産屋、射的などを楽しめるゲームセンターが軒を連ね、散策も楽しい。

温泉街でも無料の足湯や無料で入れる露天風呂もあります。
無料の露天風呂は、川沿いにあり周囲から丸見えですが、お湯は本物でかけ流しなので、勇気のある方はぜひ挑戦してみてくださいね。

湯治場としても有名な三朝温泉。
明治期からは温泉の効果を研究する病院や研究所がいくつも設置され、現在でも手軽に湯治を体験できる温泉地です。
観光目的の旅行だけでなく、身体の調子を整えに行くための温泉としても活用できる、効能豊かな温泉地であり、その源泉と「湯口」をダイレクトに味わえる木屋旅館さんでした。

【三朝温泉 木屋旅館】
住所：鳥取県東伯郡三朝町三朝８９５
電話：0858-43-0521
URL：https://www.misasa.co.jp/

泉質：放射能泉
源泉温度：71.5℃
pH：？
湧出量：？ℓ/分（？）
加水：なし
加温：なし
加温：なし
消毒：なし
利用状況：かけ流し
※訪問時の情報です（２０１９年３月）

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