夕日_縦

生まれて10000日目のこの日に。

「誕生日って、私にとっては特別だけど、私以外の誰かにとってはただの平日だよね。」

友人の一言がゆっくりと頭の中で反芻される。
確かに、誕生日なんて周りの人にしてみればただの平日。
知らなかったらお祝いしようがないし、知っていても友達の誕生日を全員分覚えている人なんていないと思う。

それでも、誕生日になったら、どこからともなく友人からメッセージが届く。
昔から毎年欠かさずメッセージをくれる親友や、留学中に友達になってから一度も会えていない友達、幼馴染…。
誕生日を覚えてくれてはいなくても、たくさんの人がお祝いをしてくれるあたたかな世界。

 

今日はわたしが生まれてから10000日目なんだって。
前にTwitterで27歳の時に10000日目がくるって知ってから、この日に何かをできればと、考えていた。

文章をつづることを再開しよう。

そう決めたのはつい数日前。
毎日更新をお休みしてから数か月。
また新しく今日から毎日わたしなりに、わたしらしく、言葉をつづっていく。

 

先日、ふとYoutubeを見ていて目に留まった動画があった。
30分弱の動画のなかで、その人はひたすらこれまでのこと、これまで思ってきたことを話していた。
傍から聞くとただの他人の不幸な過去だったけれども、それを乗り越えて頑張る姿勢や、自分なりに、自分の人生を歩む姿勢に思わず聞き入ってしまった。

その人が動画の中で言っていた言葉。
「未来で過去の話をしよう。」

たくさんの辛いことも、突きつけられた死にたくなるほどの現実も、彼はこうやって誰ともない誰かに話すことができるようになった。
苦しかった過去を、死にたかった昨日を必死に乗り越えてここまで来たんだ。
そのことを思うと、画面の向こうにいる、顔も本名も、何も知らない彼のことをぎゅっと抱きしめたくなった。

 

特別辛いことがあったわけではないけれども、楽しいことばかりではない。
そんな毎日をわたしらしく、笑って、のんびりと、自由気ままに生きていきたい。
そんな自分自身を気を張ることなくつづっていけたらと思う。

 

誕生日ならまだしも、生まれて10000日目だなんて、友人の言葉を借りれば他人にとっては本当にただの平日。

それでもこれまでの生き方をすこしだけふりかえって、これからの生き方をすこしだけ考え直してみる。
ゆっくりと1日をそうやってのんびりとすごしてみて再開を決めた。

未来で、また過去の話をするために。

 

日本ではきっともう夏が去り、すっかりと秋の色に染まってきている頃。

大丈夫。

そう自分に言い聞かせてわたしはまた新しく一歩を踏み出してみる。

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