誕生日なんかくそくらえ

3月は私の誕生月です。


3月は好きです。何かの終わり。別れ。後ろ髪引かれるけど、次に進んでいくぞ、みたいな気持ちがする3月は昔からお気に入りでした。「弥生」という和風月名も好きです。

だけど、自分の誕生日はどうしようもない気持ちになる。
生まれてきた罪悪感を思い出させられる。

お誕生日おめでとうって祝われても何もおめでたくないわと思いつつ、そんなことを言ってくれるお友達は優しいなぁとも感じます。

この社会には、世界には、色んな人が生まれていて、
沢山の生き物がいて、
私もなんか気づいたらこの世界で当たり前のように生きていて、不思議だなと思います。

🎂

子どもの時から自分が嫌でした。

私はどうして私として生まれてきたのだろうか。
違う誰かとして生まれてきたかった。「私」という役を降りたい。

小学1年生の頃、そんなことをクラスのお友達を見渡しながら考えていました。
考えていたら泣けてきたので、トイレで1人で泣いてたな。

幼稚園の頃から周りと比較されて貶されてきたので、「私が私である」ということが嫌だったのです。
小1でそれで泣くとは、なんとまた面倒くさい子どもなのでしょうか。


社会というものは不平等なものなので、
私に無くて他人が持っている物もあれば、逆に私にはあるけど他の人には無い物もあるのでしょう。

隣の芝は青いから、自分の持っている物には気づきにくいですけどね。

私には何も無いと思いがちですが、きっとそんなことはなくて、何も持ってない人なんかいない。

🎂

話が大幅に逸れましたが、
誕生日が近づくと毎年死にたい気持ちになってしまいます。

今私が死んだら実家に葬式をあげられてしまうので絶対に死にませんが、
自分の命を否定する気持ちは、宥めて押し込めることは難しいです。

あーなんで生まれてきちゃったんだろうな
どうして私は私なんだろうな

今年も生き抜いたんだな
また歳を取ったな
虚しい
これからもこんな風に生きて、歳を重ねていくのかな

🎂

以前別の投稿にも書いた気がするのですが、
私は吉野弘さんの I was born. という詩が好きです。好きというか、拠り所みたいな詩です。
高1の現代文の教科書に載っていました。

子どもの頃はとにかく色々なことがあって、
歳を取るにつれて自分の存在を否定する気持ちが強くなっていました。
そんな時期に、この詩に出会うことができました。

そして、その詩が授業で取り扱われたという事実自体に救われた気持ちになりました。

少年とその父との会話が中心となる散文詩。英語を学習したての少年がある妊婦とすれ違った際、日本語でも英語でも「生まれる」は受動態であることに気づき、ともに歩いていた父にその発見を伝える。父は少年の言葉を受け、かつて友人にすすめられて観察したカゲロウの話をする。カゲロウはものを食べないため口がなく、成虫になってからの寿命も短い。父が顕微鏡で観察したカゲロウの腹には無数の卵が詰まっていた。そのカゲロウの観察から数日後に母が亡くなったことを父は少年に教える。少年は、自分の肉体が母の胎内を満たしていたことに思いを馳せる。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/I_was_born
Wikipediaより引用



I was bornは、文法的には正確には受動態ではありませんが、それは置いといて、

「人は生まれる。生まれさせられる」というこの「少年」の無邪気な気付きは当時の私の気持ちとリンクする部分が大きく、
逆にこの詩の「父」から、命が受け継がれていく尊さ、哀しさを初めて学んだような気がしました。

ここにその詩を貼るのはなんだか勿体無い(?)気がするので、
興味のある方は検索されてみてください。


🎂


高1の授業でこの詩を知って、

「生まれる」ことが受身であるという「少年」の気付きを否定も肯定もしない詩が、
公的な教科書に掲載されているという事実にとても救われました。

そして、命ある者の宿命、生き死にの哀しみ、儚さ、
色々な事を考えさせられました。

🎂

私は未だに生まれてきてしまったことに納得はできてないけど、

死ぬ日が来るまでは生きてやるという風にも思っています。

何歳になっても全力で生きてやる。


たまたま生まれてきたこの社会を良くしたいという気持ちも、周りの方々が素敵すぎるせいで芽生えてしまっているので、
社会を少しでも生きやすい場所にするために何かしら働きかけられるようになりたいとも考えています。死ぬまでに実現しなくてはという所存です。
だから勉強してるし働いてる。

一万年生きるわけじゃないんだから。
限られた人生、たまたま生まれてきてしまったけど、力を尽くそうと思っています。


そんな、生まれてきた罪悪感、自分の存在を否定する気持ち、虚しさと、
謎のやる気、目標などが、
嫌でも湧いてくるのが誕生月です。


自分を否定する気持ちも、自分の生命力も、強すぎて笑えてきます。
体調めっちゃ悪くてとても苦しいです。それでも私は元気です。ひぇ〜。


これからの一年も、
これまでのように迎え撃てますように。



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