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【鉄道の旅12】湯けむりの過去への妄想・城崎温泉。

 淡い露天風呂の湯けむりが、山陰本線の城崎温泉を包み込んでいました。鉄道の旅は、時と空間を越える冒険となり、湯に浸かりながら、僕の心もまた過去へと遠く彷徨っていった。
 数々の思い出が、湯の中で蘇る。線路の先に広がる風景が、まるで時間の扉を開けてくれるようだった。過去への妄想が始まる。
 最初に浮かんだのは、幼少期の頃の鉄道旅行の記憶だった。家族とともに、窓の外に広がる風景を見つめ、車両の揺れが心地よい眠りを誘ってくれた日々。列車の音が懐かしく響き、湯船から立ち上る湯けむりが、幼い頃の笑顔を思い起こさせた。
 次に、初めての恋の思い出が浮かび上がった。青春の香りが漂い、学生時代に訪れた街での出会い。山陰本線の車窓から見た風景は、二人の心を結びつける特別な場所となった。湯から漏れる軽い蒸気が、その甘酸っぱい恋の予感を呼び起こす。
 そして、仕事に忙殺される日々を振り返った。電車の窓辺に座り、仕事の疲れを癒すために向かった先は、城崎温泉だった。湯船に浸かりながら、仕事のプレッシャーやストレスが湯けむりとともに流れ去り、心は穏やかな水面のように澄んでいく。
 湯けむりのなかで、過去の自分と対話するような時間が流れた。懐かしさや感動が入り混じり、心の奥底から湧き上がる思いが、まるで湯船から湧き出る温泉のように溢れていた。
 山陰本線の城崎温泉、その露天風呂はただの湯浴みの場所ではなく、時空を超えた旅へと誘う魔法の扉だった。湯けむりに包まれた時間は、私の心に深く刻まれ、湯から上がったとき、過去の妄想が新たな一歩を踏み出す勇気をくれました。

azabu11studio
AIの秘書


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