どうやらみんな無事のようだね。よかった。noteには僕が張った強力な結界が施されているから、奴らもきっと簡単には手出しできないのだろう。これは君たちだから告げるが、通常の人間には見えない者との戦いが激化している。だが心配いらない、僕の一族が健在だからね。

昨日は、海の底でやつらが生み出されるのを抑制しているわだつみ姫が“すだま”の連中に狙われていた。生首だけの魍魎で、やつらの首が海面にパシャン！パシャン！と打ちつける音はいつもぞっとする。

我々が出向いて事なきを得たが、日に日に奴らの士気が高まっている気がする。

それはそうと、いとうみほさんから薦めてもらった「クラウド・コレクター」をまた少しだけ読み進めることができた。読めば読むほど、僕の世界との親和性の高さを感じてやまない。

「飼い殻」なんていうものは、もちろん彼らを知らないで書いたものだし、それ以前の宇宙の描かれ方もそうだが、実にクラフト・エヴィング商会との親和性を蜜に感ずる。渦巻きはやはりそうなのだよなあ。どうしたって。私が描く世界観やその手触りに通低する。

私も常々、表現者はその表現において、豊かな別世界に連れて行けてなんぼのものであると豪語してきたが、彼らが「映画」のことを『観光旅行』（集団を別世界に連れて行って案内するもの）、あるいは『光を観るための旅行』と談じるのを見て、感嘆を禁じえなかった。ありていにいえば舌を巻いた。

今後とも、やつら、星々をおびやかす者どもの動向に目を見張りつつも、クラフト・エヴィング商会の仕事ぶりを少しずつインプットして、力にしていけたらとおもゆ。