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『きしみ卿のタンタカタン ~きしむセンチメンタル~ 短歌10+1首』

君がいない日は赤い傘を持って泣くって五分前からずっと言ってる

パンくずを鳩の気持ちで食べてみてクジラのように涙ぐんだ朝

誰にも手を繋いでもらえなかった日は猫の鳴き真似をして屋根の上へ

透明な悲しみだってつかまえてWi-Fiみたいに飛んでるはずの

「サヨナラ」の「サ」の字は実はちょっぴり甘い「ラ」の字の方が辛いのです

縁側で洗濯物をたたむ君の背中がななめで夕暮れみたい

アパートの壁の染みまで花に見え初めて自分の嗚咽聞いた日

なめらかな振りをして笑ったまぶたから出た水はグシャグシャでボロボロで

君の壊れちまった笑顔とこぼれた馬鹿なしずくを壊せない僕と

そうだよね涙がぜんぶ蝶々になったら世界はあと少し平和ね

月の皮剥いてつるりと舌の上つんとくるこの寂しい味の

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。