俺はニンジャスレイヤー最新刊を手に入れた

このたび物理書籍最新刊「ニンジャスレイヤー ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ(上)」が発売されたことを知った俺は発売日から遅れること2日、抜かりなく最新刊を入手することに成功した。ブッダ!

今回収録されているエピソード群は第3部中盤から後半に差し掛かる山場であり、第1部、第2部を含めた過去のエピソードとも濃密に関係してくる過去の連載を追いかけてきた、もしくはすでに書籍をリレイしてきた読者にとっては一種の集大成ともいえる部分に差し掛かっている!

前巻に収録された「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド 」が連載されたのは今から遡ること3年前。かつては実況にかじりつき、その怒号の展開に胸を熱くした俺も、ライフスタイルの変化により実況タグから退き、影ながら連載や物理書籍を追うほどになってしまったが、「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド後編 」から「ショック・トゥ・ザ・システム」まで一気読みし、あの頃の乾いた獣のようなソウルを呼び起こし衝動的にこの記事を書くに至った。

そして「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」全編の中で俺の中で最も心に刻まれたエピソード「デス・オブ・アキレス」について、綴っていこうと思う。

「デス・オブ・アキレス」は「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」エピソード群の中で3番目に位置するエピソードだ。タニグチ親子がアマクダリの圧倒的抑圧体制に対して絶望的な戦いを挑む「レイズ・ザ・フラッグ・オブ・ヘイトレッド 」や、タダオ大僧正の邪悪な本性が明らかになる「フェイト・オブ・ザ・ブラック・ロータス」のように、邪悪なニンジャがニンジャスレイヤーに惨たらしく殺されるカタルシスとは異なるテイストだ。

エピソードの冒頭では、メフィストフェレスとタケル・フクトシン博士のなれそめが描かれる。ニンジャスレイヤーのサイバーパンク的世界観として説明される「宇宙植民など稚気じみた夢」のバックグラウンドが明らかになり、ストーリーの本筋に合流してくるのだ。

夢をかなえることを諦めた博士をそそのかすメフィストフェレスの姿はまさに悪魔そのものだが、その目的がロケットを飛ばすこと、そもそもメフィストフェレス自身がスターリングラード戦(本人談)以来のニンジャであることなど、「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」の中の1エピソードに過ぎないはずが、これだけでスピンオフの小説が一冊書けるほどの濃密さを誇っているのだ。

ニンジャスレイヤーとメフィストフェレスのジリジリするような駆け引きも見逃せない。今まで(そしてこれ以降も)敵ニンジャの命乞いや交渉に一切取り合わなかったニンジャスレイヤーを交渉の場に引き込み、逆に自らの手駒にしようとしたメフィストフェレスは今までのカラテ強者とは全く異なるアトモスフィアをまとったニンジャであっただろう。メフィストフェレスの数々の甘言に実況タグも翻弄されていたことは今でも印象深く残っている。

このエピソード以降も、アマクダリの真の目的、アルゴスの正体といった今まで秘匿されていた謎と、ザイバツグランドマスターに勝るとも劣らないアマクダリの「十二人」との激しい連戦の両輪で「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」は続いていくわけだが、その中で「デス・オブ・アキレス」は嵐の前の静けさともいうべき緊張感をもって物語に深みを与えているのだ。

ニンジャスレイヤー読者諸氏も、このアマクダリの長い一日を完読した後に、ふと「デス・オブ・アキレス」に立ち返り、書籍のページ外に広がる物語の深みに思いをはせてほしい。

もはや紹介文ですらなくこみあげてきた感情に任せて感想を書き殴った形であるため文章とか構成の体を成していないが、そんなことはどうでもいいことだ。俺は書きたいことを書いて満足している。

個人的にはメッフィーの執事のオルトロス=サンの掘り下げを短編やスピンオフでもいいんでください…ラフスケッチでもいいです…場外でスレイされてセリフ一つもないのに70年の付き合いってだけでこう、なんかこみあげてくるんだよなあ…惜しいニンジャを亡くした…


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