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人生で一度は行っておきたい美術館『大塚国際美術館』はすごいぞ

そうだ、徳島行こう。

思い立ったがすぐ行動ということで、一泊二日で徳島に旅行へ行きました。というか『大塚国際美術館』へ行きたいがために前日入りしたためであって旅行というほど観光地は巡っていなかったり。でもいいのだ。初めからメインターゲット以外は眼中にないのだから……!

大塚国際美術館とは

入り口を見るとまるで秘密基地だ

『大塚国際美術館』とは、徳島県鳴門市にある陶板名画美術館ですが、その最大の特長は精巧に複製された西洋の美術画が原寸大で展示されていること。陶板画と言って、いわゆる板状の陶器に絵画を焼き付けたものですが、油絵の筆のタッチやモザイク画のタイル片に至るまで立体的に仕上げているので本物とほとんど遜色なく、写真を撮ることはもちろん(フラッシュ及び三脚は使用禁止)、絵に直接触れることができるすげー美術館です。そしてめちゃくちゃ広い。山をくり抜いて建造された館内は、地下3階から2階まで全5フロア構造で展示ルートは全長4kmに及び、普通に歩くと一日で全てをじっくり観ることは困難。「至高の西洋名画1000余点を展示!」は伊達ではない。

筆のタッチまで再現する精巧さよ……
(散歩、日傘をさす女性 / クロード・モネ / 1875)


そして、オリジナルにはできない売りとして、世界中に散逸した名画を本来の姿に復元したり(エル・グレコの祭壇衝立)、修復前・修復後の絵画を向かい合わせで陳列したりする(最後の晩餐)など、IFシナリオじみた展示があったり、聖堂そのものをそっくりそのまま再現する環境展示(システィーナ礼拝堂・聖テオドール聖堂)、西/東ヨーロッパの中世画を回廊の左右にずらりと並べたり、「常設ピップアップ:受胎告知」部屋があったりと、ユニークすぎる美術館です。

虹色の羽が印象的な大天使ガブリエル
(受胎告知 / フラ・アンジェリコ / 1440)


羽がまるで鳥のようなこちらはダ・ヴィンチの受胎告知
(受胎告知 / レオナルド・ダ・ヴィンチ / 1472-1475頃)

こんな風に受胎告知の絵画ばかりを集めた部屋があるのですが、同じテーマでもどれも全く異なる構図で、それらを一挙に観ることができるのはここならでは。中世は宗教画が多いのですが、バロック、近代へ移るにつれて民俗画や静物画も多くなっていくのでバラエティ豊かな作品を観ることができます。もちろん古代ギリシャやローマの展示もあるぞ!

よりぬき展示ピックアップ

美術館に入って入ってすぐ出迎えてくれる原寸大スケールのヤバさ
(システィーナ礼拝堂天井画・最後の審判 / ミケランジェロ / 1508-1512・1541)


スーパー哲学者大戦 feat. レオナルド・ダ・ヴィンチ(これもめちゃくちゃデカい)
(アテナイの学堂 / ラファエロ / 1509-1510)


これはロブスターチャン
(静物 / スネイデルス / 1630代)


名画の美女コンテストで1位となったマリア様だそうです
(無原罪の御宿り / ムリーリョ / 1660-1665)


四大元素を題材とした連作シリーズの一つで、62種類もの魚貝類が描かれているらしい
(水 / アルチンボルド / 1566頃)


脳内で警鐘が鳴るようなヤバい環境展示もあり、この部屋は本当に怖い
(魔女の夜宴・我が子を食らうサトゥルヌス / ゴヤ / 1820-1823)


あっ!ワンチャン!
(ポメラニアン犬の親子 / ゲインズバラ / 1777頃)


個人的に一番素敵だと思った絵です。少女のナチュラルな素朴さよ……
(犬を抱き壷を下げる少女 / ゲインズバラ / 1785)


美術本で穴が開くほど観た絵。鏡の映り込みがすごいぞ
(フォリー・ベルジェールのバー / マネ / 1882)


ブッダとジーザスの奇跡のクロスオーバー!
(キリストと釈迦 / ランソン / 1890頃)


豪華絢爛としか言いようがない超スケール名画だ
(皇帝ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠 / ダヴィッド / 1805-1807)


インモラルな絵画も展示されており、これはかなり悪魔的だ
(彼女 / モッサ / 1905)


幻想的風景であり、あらゆるファンタジーの源流がここにある
(シバの女王の乗船 / ロラン / 1648)


このほかにも『ヴィーナスの誕生』に『モナリザ』、ムンクの『叫び』ももちろん展示されており、とにかくすごい。写真だと分かりにくいですが、原寸大スケールというのが想像以上にデカく、上のナポレオン戴冠も見上げるほどの大きさ。あっ、フランダースの犬のルーベンスの絵もあるよ!これもめちゃくちゃデカい!


定時ガイドはチョーおすすめ

美術館内では決まった時間に定時ガイドを行っているのですが、これがかなり面白く、絵画の構図や描かれた時代背景なども分かりやすく解説くれるため、聞く前と後では絵の奥行きがずっと広がって見えます。音声ガイドや解説プレートもあるのですが、実際にプロの学芸員の説明の方が満足度が高い。ただ、このガイド2時間あるため、時間配分の注意が必要。自分は定時ガイドが終わってから改めて一から展示を観ていたら閉館ギリギリの時間になってしまいました。また、ガイドも何種類かあり、それぞれ時間帯が決まっているので事前に確認しておいた方がいいです。


未来へ

こうした美術館って、知識が無いと流し見で通り過ぎて何も心に残らずに帰ってしまいがちだったのですが、今回は開館直後から丸一日かけて楽しむ気でやってきたのでその甲斐あって本当に面白かったです。とはいえ、後半は駆け足気味で観て回っていたので改めて機会を設けてもう一度来たいですね。それから他の美術館や博物館へも足を運んでみたいな。そう思わせるほどパワのある美術館でした、すごいぞ大塚国際美術館!

お土産で買った『西洋絵画300選』と『裏切りの使徒ユダの銀貨チョコ』


(終わりです)

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