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ワールド オブ ライディング・ホッパー(1):大崩壊とライディングギアの勃興

ライディング・ホッパー 総合目次


大崩壊について

大崩壊とは、現在から50年ほど前に世界規模で大陸の形が変わるほどの大地震が起こり、陸海空あらゆるライフラインが寸断された現象である。これにより国家体制が崩壊し、日本列島は首都圏を中心に、略奪や暴動が起こる無法地帯と化した。その後、自衛隊の一斉蜂起などの事件を経て、現在はアライランスの企業5社が分割統治するようになった。各社は独自の政治経済体制を敷き、治安部隊という名の軍隊を保有している。

大崩壊の要因については諸説あるが、数千年周期の地殻変動説、とある軍事大国の新兵器説、あるメガコーポの大規模実験説など、そのほとんどが眉唾な話ばかりである。大崩壊から年月が経ち、当時の資料も散逸していく中でその真相が究明されることはほぼないと思われる。


アライランスの立上げ

大崩壊以前、急速な科学技術の発展に政治的統制が敷かれるようになり企業と政府の溝が深まる中、大崩壊によって両者の対立は決定的となった。企業は政府を通さず独自の手段で本社直下の地域復興支援を展開。中央からの政治的分離が進んでいた地方自治体と組織統合を果たし、新たな自治組織として受け入れ始める。

一方、自衛隊の蜂起により東京は首都機能を失い無政府状態に陥った。これに対し企業各社が治安部隊を東京に投入し、激しい戦争状態に陥ったが、自衛隊の最大拠点であった市ヶ谷駐屯地が陥落し最終的に自衛隊は沈黙。この戦いで主だった活躍を果たした企業5社が今後の国家に代わる統治のための組織であるアライランスを立ち上げた。戦場となった首都圏は緩衝地帯として各社が治安部隊を置くこととなり、企業各社は本社拠点を地方へ移し、本社を中心にコロニーを形成して企業城下町ともいうべき新たな統治体制が敷かれるようになった。


ライディングギアが果たした役割

ライディングギアの前身は重量物運搬用のパワードスーツであり、取り回しの良さやコストパフォーマンスの面で優れているものの、現場では重機や建機に比べるとあくまで補助的な役割であった。その状況が一変したのが大崩壊である。鉄道・道路網が完全に破壊され、従来の車両による運送が不可能になったことで、2足歩行によりどんな荒地でも走破可能なライディングギアにスポットが当たることとなった。さらに機体各所のアタッチメントを組み替えることで様々な用途に使用でき、災害復興時に大きな役割を果たすことなる。また、企業と自衛隊の交戦時にも武装戦力として投入され、企業側の勝利に貢献した。現在、巽建機により道路網は新たに構築されつつあるが、車両に比べ安価であり操縦のしやすさの面でライディングギアは圧倒的なシェアを誇っている。


大崩壊が起こった原因?そりゃ決まってるよ。天罰だよ天罰。思いあがった人間に神様が罰を下したんだよ。なのに企業の奴らはしぶとく文明に縋りついてる。鉄の手足がくっついたちんちくりんな機械でせっせと働いているのさ。……ライディングギア?知ったことか。俺たちはそういうのは捨てたんだ。自然と共に生き、自然と共に死ぬ。それが生き物の在り方だろ?―――中国地方を拠点とする環境カルト組織≪箱舟≫の信者

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