発達障害グレーゾーンから見た、 就労移行支援事業所の内側(一部有料記事)

発達障害グレーゾーン(手帳なし)の人間が実際に就労移行支援事業所に通ってみたので、

・名前は聞くけどぶっちゃけどんな感じなの
・ネットで悪評とか書かれてるしそのあたりが気になる

こんな感じの人に向けてのまとめ(体験談)です。

福祉界隈の特殊性をどこかに記しておきたかったので、参考になればと。

※このnoteは、
・全開にしているのがちょっと恥ずかしい
・個人情報とか施設のdisとかまずそうなことは書いてないけど心情の打ち明け話が多い

という理由で、少額ではありますが後半部分が有料noteになっています。

・筆者のスペックと通う前の状況
・就労移行支援事業所でやってること
・引きこもり+ニートがいきなり週4はきつかった話
・「毎日起きて行く場所がある」「所属する場所がある」安心感
(以下有料)
・やっぱりあった「普通になれ」という圧力
・スタッフと利用者に上下関係はないというけれど
・就労移行支援事業所の儲けの源泉とカラクリ
・疲れやすい人に救いはないのか?
・グレーゾーンの人間を絶望に落とす「短期バイトすら不可の闇」
・福祉界隈の「在宅勤務」の罠

ブログでも似た内容の記事をまとめたことがありますが、そっちはもっとドライに情報だけアップしてます。興味あればこっちもぜひ。

・筆者のスペックと通う前の状況

筆者のスペック:大卒(デザイン系学部/ただし小論文で入ったのでデッサン実技力皆無)、LGBTsのXジェンダー(パートナーあり)、地方都市の比較的都心部在住、HSP気質もあるかもしれない。昔から宇宙人と言われ発想が一般人とずれている(らしい)。

通う前の状況:就活&院でしくじり数年単位で半引きこもりニート状態。前1年は創作活動すらも嫌になりネトゲに没頭…

このネトゲ没頭中の死体のような1年の間に、通っていたメンタルクリニックのカウンセラーから「就労移行支援事業所」というのを勧められていた。

2018年1月、パートナーと付き合いだしたのをきっかけに「よし!いずれ二人暮らしがしたいし、今度こそ頑張ろう!」と謎のやる気を出して心機一転事業所を探し始めた。

政令指定都市にいたので事業所はたくさんあり、発達障害を受け入れてそうなパソコン系に絞っても、事務系・デザイン系・プログラミング系・デバッグ系といろいろある。
中にはスーツ着用だとか、社訓を読み上げるだとか空恐ろしい社畜教育を施そうとしている事業所もあったので、もちろんそういうところは避けた。

そうこうしているうち、性別違和系のダブルマイノリティということもあり、事前にメールしてみて好感触そうだった事業所(仮にA事業所としておく)に通い出した。

・就労移行支援事業所でやってること

A事業所ではDTPデザインとか、プログラミング(HTML&CSS)とかをやっている。

場所によってはもっと初歩的なパソコンの使い方とか、Wordやエクセルをやらせるところもあるし、いわゆる作業所といわれてイメージされるようなパン製造だったり、清掃、アクセサリーやハンドメイドをやらせるところもある。

とはいえ、就労移行支援事業所は「作業所」より「一度ドロップアウトしてしまった人が行く普通の企業に入る前の職業訓練」の色が濃い。

とくに、発達障害や精神障害系の人が多い就労移行支援事業所では、
事務系オフィスっぽい雰囲気が強い。

・引きこもり+ニートがいきなり週4はきつかった話

「週5は厳しそうなのでとりあえず週4で」という話で始まった通所。

私としては週3くらいからのんびり慣れようかなーと考えていたが、
就労移行支援事業所は利用期間が一生で2年間と定められているので、広告で週1や週2からでも始められると書いていてもだいたい週4~をおすすめされる。

行き出して驚いた。
通いだして半年くらいはとにかく休み倒してしまった。
行こうと思っても起きれないのだ。

いまだに休みなく通える週のほうが珍しい。

自分の用事や家族の買い物に同伴するために出かけることはあったとはいえ、「毎日どこかに通う」必要のあった学生時代からしばらく経っているので仕方ないといえば仕方ないが…

そのぐらい、とにかく体力がない。
日中に起きてちゃんとした格好をして人前で活動するのがつらい。

学生時代から年をとっているのもあるけれど、
外圧としての用事も、内的な起きたい用事もない場合、人ってこんなに体力がなくなるものなんだなと回復の過程で痛感した。

もし今引きこもりだったり、ニート状態の発達グレーゾーンの人で、
毎日どこかに行く習慣がない人が通おうと思っているなら、
いきなり「就労移行支援事業所」ではなく、
「就労継続支援B型事業所」とか、「デイケア」とか、「メンタルクリニックがやっているグループワーク」あたりがオススメ。

どうにか日中起きて活動することに慣れていく顛末は、もう事業所に通い出してるよ!という人向けの記事に詳しく書いたので、興味があれば。

・「毎日起きて行く場所がある」「所属する場所がある」安心感

「就労移行支援事業所の内側」なんて大それたタイトルなので、ずいぶんと悪いことばかりあったのかと思われるかもしれないが、就労移行支援事業所に通って良かったと思う部分ももちろんある。

「毎日起きて行く場所がある」「所属する場所がある」というのは、引きこもりニートが抱えがちな「家で穀潰しをしている」「自分はお荷物」という劣等感をかなり和らげてくれる。(別に就労移行支援事業所でなくても得られるが)

皮肉な書き方をすると、「就労」という「ふつうの社会」で良いこととされている目標のために頑張る自分、というのはなかなかに心地の良さがある。

まあ、そのまま頑張り続けられる人なら良かったのだが、私は1年近く通ってみて色々と「ん?」と疑念を抱いてしまったが…

以降、「就労移行支援事業所」というモデルケースにうまく乗れなかった点や、抱いてしまった疑念についてぶっちゃけ話をしていく。

(以下有料)

・やっぱりあった「普通になれ」という圧力

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