【読書メモ】発達障害の自分の育て方 | 岩本友規 著

ブログ「発達障害の「生き方」研究所|Hライフラボ」のうえすとさんの著書ということで以前から気になっていた本です。

読了したので感想とまとめを。

この本はどういう本?

岩本さん自身の体験談+困り事を抱えている大人への段階的アプローチの紹介

これがメインの本です。

ブログのほうでは記事がいくつかに分かれているため体系的に見づらかった点が、本の形式になったことと編集の手が加わったことにより、読みやすく理解しやすい形になっているため、個人的にはブログよりこちらのほうがオススメ。

体験談部分もよくある実録本にあるような共感を呼ぶためのお涙頂戴な描き方ではなく、あとからそのときはどうしてあんな困った状態になっていたのかを冷静に分析しています。

この姿勢はパニックになりやすい我々発達凸凹族には非常に参考になる部分ではないでしょうか。

各種研究や本からの引用も多く、改善策やデータ面で「私はこうだったので同じようにするといいと思います」「~と言われています(で、出典は?)」みたいな主観的すぎる記述が少ないのも好印象です。

どういう人向けか?

・大人の当事者で仕事関係に困り事を抱えた人
・中高生くらいの当事者で進路のことについて悩んでいる人
・その保護者の方

ただし、私もそうなのですが障害者手帳が出ない程度のいわゆる「グレーゾーン」の人が読むと、なんだこの著者もどうせ手帳持ってる人なのか…というバイアスがかかることがあるので、注意が必要です。

とはいえ手帳の有無にかかわらず、実践的に使える改善策が掲載されているので、そこらにありふれた上っ面を撫でるだけの「大人の発達障害解説本」を読むよりはよっぽど明日使える知識が増えます。

紹介されている改善策の例

・「自立」(≒自他境界線の確立)の重要性
・脳疲労が何故いけないかと、その改善法(睡眠・食事・運動について)
・読書とプレゼンで症状が改善するメカニズム
・育児の効用
・天職の探し方

とくに目を見張るのが、天職の探し方についての記述です。

「よくある発達障害に向いた仕事を探すのはうまくいかないことがある。ならばどうしたらいいか?」という点から書いている本はなかなか見かけないため、行き詰まり感のある当事者には最適。
この本だけでオール解決!って訳にはいかないですが、本やネットでよく言われている言説に別の観点から現実的に切り込んでくれたのは大きいです。

こちらの本を読むまでは筆者がブログでも繰り返し訴えている「天職は自立した後にしか見つからない」という言葉がいまいち理解できていなかったのですが、読後にようやく理解できました。

「周囲の世界と自分の世界を分けて考える」「周囲の価値観を自分の価値観と思い込んでしまわないこと」「時間の感覚がなくなる作業=フロー状態に入れるものを見つける」の3点が特に重要そうです。

睡眠や運動についても、一般的に言われている「ちゃんと寝ましょうね」「運動しましょうね」でとどまらず、「なぜそれが発達凸凹族に良いのか?」まで踏み込んでくれています。

睡眠なら睡眠時間だけでなく「隣に誰かがいて、ある程度生活音があったほうがいい。なぜなら狩猟民族の頃の名残でそのほうが眠れるから」といった具合に。

当事者にも、外部の目にも寄り過ぎない視点で書かれた良書でした。


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校倉来夏

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