Discovering Local KITAKYUSHU【1】 〜門司駅前〜
門司といえば多くの人が「門司港」の方を思い浮かべるのではなかろうか。
観光客だけでなく、北九州の地元民でも一定数そういう人いると思うのだが、実際門司駅のホームから改札に向かう階段には
「門司港はここじゃなくて2駅先の門司港駅だから!」
という趣旨の文言が簡体字と英語でしつこく書かれている。
さすがに私ほどの北九州市民歴、しかも豊前国側の人間になるとそんな勘違いはしないのだが、
私にとっての門司(駅)周辺と言えばこのイメージである。
門司駅を降りて海側に向かうと、瀟洒な戸建とマンションが並ぶ。
思わず脳裏でマンションポエムを補完してしまう人工的な景観の通りを過ぎ、国道199を渡るとそこはもう常夏っぽい大里海岸である。常夏ではないが。
切り取り方次第では北九州とは思えない風景だし、夏の夕暮れ時などは更にエモさが増すviewpoint。
しかし、この風景は地元民が指す門司駅前とは逆側のもので、いわゆる「駅前」はこちら側である。
高い建物がほぼ見当たらない昔ながらの商店が並ぶ。
よくよく考えてみると、私はこれまで門司駅前周辺をちゃんと歩いてみたことがないのであった。
199から新門司に向かう途中、車の中から見る御所神社前という信号。
源氏に追われた平氏が西に逃れて来た際に安徳天皇の仮御所があったとされる場所。
今までちゃんと来た事なかった時点で歴史好きを公言する資格なし。
多分昔ながらの駅前商店街何だと思うが、町が明るく人通りも結構多い。
天気の良い春の日効果もあるのかもしれんが。
高齢者が多いとはいえ、高齢者の姿すらそんなに見ないシャッター商店街的な場所に比べたらかなりの活気。
地方でたまに見かける「昔ながらの街並みを活かした昭和レトロな商店街」のような作為的なものではなく、
ごく普通に時間の経過とともに古くなったまちで住民たちが生活してるだけなのに活気があるところがよい。
一番予想外だったのは、小さな飲食店が多く、どこも鄙びた感じではなく現役感があることである。
しかも外に表示してある価格がみんな安い。
利用者がほぼ地元の人達だからこそなんだろうなあという気がする。
お昼はキッチンポッポでナポリタンと紅茶。
紅茶には塩バウンドが付いてきた。
これで940円(多分)。安い。
ご近所さん且つ常連さん風の方がちょいちょいとやって来るのも安定感がある。
他にも入ってみたい店たくさんあった。この辺に住んでたら休みごとに外食楽しそう。
有名なチリンチリン豆を購入。
パックにみっしり詰められてて重い。
300円と350円(多分)。安い。
駅を渡って目の前のメルヘンでシュークリームと焼き菓子購入。
そして最後はこれまでの私の中の門司駅のイメージ、大里海岸へ。
しかし線路を挟んで駅の向こうとこっちじゃ全く別の景色だな。
大きな川や幹線道路、線路を挟んで街並みが変わるというのは珍しくはないが。
今日の感想
初めて歩いた門司駅前。
範囲としては本当に短い距離だったが、思っていたより断然現役感あるまちだった。
大里柳付近って実は住むのに人気があるけど物件があまりないと聞いたことあるけどそれも納得。
北九州市内の旧五市の中心地って小倉以外は過去の栄光今は昔な風景の地域が多く、栄えていた過去と現在の落差が見て取れる分寂寥感を増し、何とも言えないところもあるのだが、
門司駅前はその過去と現在のギャップが少ないのかもしれない。
とは言え店を仕切っている方には高齢の方も多そうに見えたので、10年後はこのまちも後継者いなくて店がしまっていくとか、そういう可能性はあるかもしれないが。
けどまあそれは門司だけに限った話ではない。
北九州市内、しかも比較的大きな駅前でもまだまだ知らない場所があるんだと今更ながら気付いた数時間であった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?