④プロット+イベント+シーン「青鬼は泣かない」
プロットにイベントを加えて、
イベントで展開されるシーンやセリフを加えてみます。
シーンを加えていくと、物語が繋がりだし、
逆にプロットを変更も起こります。
文字数(空白・改行含む):3503字
文字数(空白・改行含まない):3196字
行数:163
400字詰め原稿用紙:約8枚
01【カグツチは生まれた時、炎にくるまれていた】
ゴォォオ。その赤子が産まれた時、産声ではなく、轟音が響き渡ったといわれている。
鬼は、火の精霊の加護を受けているが、産まれた時に炎を出している。
赤ん坊は、美しく優しいオレンジ色の炎に包まれている。母体の体力的にも通常はたいした負担もないはずだった。
しかし、母親は赤ん坊の火力に耐えきれず、火傷のため死んでしまう。
02【鬼の肌は赤いが、カグツチの肌は青色だった】
カグツチと名付けられた赤子は、その肌が赤くはなかった。
その肌は、真っ青だった。乳母たちは赤子の顔に赤いタトゥーを入れる事で、族長に存続を認められたが、不気味な存在として疎んじられた。
03【差別され育つカグツチ】
痛みにも慣れたな……。顔から胸に渡る赤いタトゥーは、今年に入って腕に迫るようになった。
青い肌を持つカグツチは、その全身に赤いタトゥーを入れ、世間に馴染もうとするが、逆に異様な風体になっていく。
04【鬼は、人間を奴隷にしていた】
彼らが住むのは、東の果ての島国「アカツキ」。
そこでは、鬼と人間の二種類の民族が暮らしており、
人間は、鬼達の奴隷として飼われていた。
カグツチは、人間の管理をその仕事としていた。
人間は、鬼よりも一回り小さいだけで鬼と変わらない。角もないな……肌も赤くない……。違いは、鬼より勤勉で真面目、なにより従順だ。
「なんで、人間は奴隷の立場を受け入れてるんだろう?」
一人の赤鬼が、カグツチに話しかけてきた。若い男だった。
奴隷の管理は、年寄りばかりの簡単な仕事だ。疎まれ続けてコレしか仕事がなかったカグツチと比べて、彼は、身なりもよく心身ともに健全そうだ。
「そもそも、人間を家畜とするには、鬼と変わんない、近すぎるんだよね〜」
人間に対して見解を垂れるのは、珍しいが、この職場で相手にするヤツはいない。皆、人間の事なんか、どうでもいいんだ。
変なヤツだが、青い肌の自分を嫌がらない。年の近い友達もいないのだろうな……。カグツチは、コミュニケーション力など育む事はなかったから、一方的に話続けてくれるのは楽でよかった。
05【カグツチは、人間の少女を逃がしてしまう】
ある日、奴隷の脱走事件が起こり、捜索隊にカグツチも参加する。
脱走した奴隷は、抵抗すればその場で始末してもよい。
しかし、脱走は、鬼達が仕組んだ事でハンティングを楽しむ余興だった。
「さあ、お楽しみの時間だぜ」
暴虐を目撃した若い赤鬼は、怒りのあまり同僚を攻撃してしまい、
生き残った人間の少女を見逃してしまう。
咄嗟に、赤鬼を気絶させ、自分が罪を被るカグツチ。
06【追放される】
人に情けをかけてしまったカグツチは、部隊長から罰をうけ、奴隷をハンティングしていた罪もきせられさばかれる。
「忌み子の分際で立場もわからんとはなっ」
カグツチは、地下牢獄につながれ数年間放置された。岩から染みでる水と、ときおり無造作に転がってくる廃棄された食糧で命を繋ぐ。
07【ツバキに拾われる】
数年の月日をかけ炎の力で岩を少しずつ溶かし、脱獄に成功する。
荒野をさまよい行き倒れるカグツチは、人間のツバキに拾われる。
「珍しいな青い肌の鬼か……」
「カッコいいな」
「団子喰うか?」
08【ツバキは、人間だが、キメラを倒せる実力があった】
犬、猿、雉を組み合わせた生き物。
ツバキは、体力が回復していないカグツチを庇い戦う。
ボロボロになりながらも勝利したツバキは、あろう事にキメラに呟く。
「団子喰うか?」
キメラを仲間にする。
「鵺」と名付けた。
09【生き物には心がある事をツバキから学ぶ】
「拙者は……」
「なんだソレ? 」
キメラは、狂暴だがツバキにはよくなついている。それは、キメラにも心があるからだという。
たが、心を取り戻せない生き物もいる。鬼は人間や生き物を虐げ続けると、心を失うと説く。
10【ツバキの一味になる事を誓う】
民族も種族も関係ない。幼きを助け、仕事を分かち合い、その上で技術を競い合う。そのための国に作り替える事が、ツバキの目的だった。
ツバキは、その知識を惜しみなくカグツチに教える上に、剣技や魔術も教えてくれる。
11【次々と鬼を倒す】
ツバキの剣技と鵺の攻撃力、カグツチの火力に敵う相手はいなかった。
12【奴隷を解放】
奴隷をハンティングしていた部隊長と、カグツチの決戦。
「青い忌み子め、やはり厄災を招いたな」
奴隷を解放し、城の中央まで斬り込む。
13【鬼の長と、ツバキの一騎討ち】
鬼の族長は、病み衰えていた。
族長は、死を覚悟するが、息子が立ち塞がる。
「族長ではなく私はと闘ってくれ」
「そのかわり、我々鬼族は、この戦を、反乱ではなく」
「民族をかけた『決闘』として受け止める」
「我が名は、セイメイ!」
「我が名は、ツバキ 桃源 椿 参る!」
14【三日三晩戦い続け、満身創痍のふたり】
鬼の先祖は、奴隷だった。人間と鬼は何世代にも渡って、支配の立場を入れ換えて、この国を発展させていた。文化を発展させなければ、大陸の国々から独立を保てない。
決闘は、民族の優位性を決める通過儀礼だった。
15【弱った二人をカグツチが襲う】
炎が二人を吹き飛ばす。「国だとか」「民族だとか」「関係ないな」「両方とも死ね」
16【カグツチは、二人を倒して、赤鬼も人間も支配すると宣言する】
「ククッ……己オレは、親殺しだぞ」「この二人の首をとれば、この国は己のもの」「まとめて始末してやる」カグツチは青鬼の能力を暴走させる。
17【ツバキと赤鬼は協力して反撃、モモの刃がカグツチを貫く】
ツバキの力だけでは、カグツチに敵わない。
赤鬼の火力だけでは、カグツチに敵わない。
ツバキの剣技「朱雀」でカグツチを貫き、赤鬼の火力を刃に透し、
カグツチに改心の一撃を加える事に成功する。
18【敗れたカグツチは、二つの民族の均衡が傾いたとき必ず滅ぼすと叫び】
「クソっクソっ」
「笑えるぜっ……お前らに協力の発想があるとはなっ」
「だがまだだ……己は負けちゃいねぇ」
「お前らの均衡が傾いたとき、必ず」
「その時は必ず……皆殺しだぜっ」
19【城から飛びおり海に身を投げ行方不明に】
カグツチは、手のひらを合わせ詠唱をはじめる。結んだ印から炎があふれでる。炎は、詠唱に合わせて赤い、黄色く、白く……そして青く……
臨・兵・闘・者・皆・陣・烈
「ヤバイ!! 炎の火力がドンドン上がっている!?」
臨・兵・闘・者・
ツバキは、あわてて印を切る。しかし、猛烈な熱気で意識が保てない。
咄嗟に、セイメイがになってツバキを守る。
ツバキは、迷う。十文字目の詠唱をカグツチは何にする?
カグツチの狙いは?
在・前!!!
皆・陣・烈!!!
「陣」「光」同時力が放たれた。
編み目を構築した陣が赤鬼と人間を守る。
一瞬、セイメイの陰になっていたツバキは見た。
カグツチの笑みを。
その瞳は、深い寂しさに満ちていた。
炎は、プラズマを発現させ、城はオーロラでつつまれる。
そこに、カグツチの姿はなかった。
20【赤鬼は、人間と共存を誓う】
人間と赤鬼の協力を、お互いの民族の多くの民が目撃した事によって、民族は支配ではなく、共存できる事を証明した。
21【ツバキは、カグツチが人と、鬼のために
敢えて悪役をかった事に気がつき、涙をながす】
「私は、あんたのようなヤツを……」
「あんたを救いたかったから……」
「なのにまた……」
赤鬼は、カグツチに罪をかばわれた男だった。
ツバキは、カグツチが逃した少女の成長した姿だった。
22【大陸に流されたカグツチ。
その身体を貫く刀は、ツバキの神業で急所をはずされていた】
「いてぇ……」カグツチは、胸に刺さる刃の痛みに眼をさました。
刃が岩場に挟まったお陰で流され続けずにすんだようだ。
カグツチは、心臓をそらして射し込まれた刃を、
痛みを堪えながらも慎重に引き抜いた。
不思議とほとんど血が出ない。
「やっぱり剣技は、天才だな」
海の彼方に滲み始めた暁が、カグツチをてらした。
よりよい作品が作れるようがんばります。 よろしくお願いいたします。