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随想好日『糖尿病の本当の怖さ』①

 辛気臭い話を綴ることになる故、書くことに躊躇する思いもありここまで書かずに来たものの、ここノートにおられる方の中にも様々な病と闘いながら書き続けることに命の熱量の大半を潅いでおられる人たちを見るにつけ、ひとつの事例として眺め観る機会にして頂けたら良いのだろう。

 少し長い原稿となるので数回に分けて書くつもりでいる。興味のある方は最後までお付き合い頂ければ有難き幸せ。

               ■

 さて、わたしの急性膵炎の入院加療と時を同じくして、我が実弟も入院している。今月二度目の入院だ。
実弟の病名を並べだすと二行で書けるかどうか判らぬ故、今回の入院理由からはじめてみる。
 今回の入院の理由は「壊疽による左足指切除術」である。一回目の入院では下肢動脈のステント拡張術を受け、足の血管の状態を確認したようであり
結果、指の切除術となったようだ。即ち、壊疽の進行が止められないとの医療現場の判断なのだろう。

 現在、日本国内で足の壊疽による切断件数は年間大凡3000件と云われており、足指まで含めると30000件にまで上るとの報告を見ることが出来る。

 病気で壊疽がおこり足指を切断しなければならない状況というのは、どのような病気なのかと訝ることにも寄り添える。起因は概ね糖尿病がそのはじまりなのだが、足指が壊疽を起こす因果関係の一つとして「人工透析」がある。さてこの人工透析患者数は現在35万人を優に超えている状況であり、年間38000人ペースで今なお増え続けている。

 我が実弟も人工透析患者の一人であり、週に3度、毎回4時間30分をかけ透析治療を受けている。実弟の場合は体内血液から水を抜くことが主たる目的のようだが、これは即ち腎不全を意味することを知っておいても損はないだろう。水が大好きな腎臓は、その処理水として「おしっこ」を膀胱に流すのだが、腎臓機能が落ちることによって、水分は他の臓器や血液に還流されることになる。よく肺に水が溜まるという言葉を耳にするが、概ね腎不全が進行した結果とみて差し障りは無いようだ。

なんとも古いデーターで恐縮だが、今にちであれば平均余命ももう少し伸びているのだろうが、一説には40代で平均余命が20年短くなり、60代で10年短くなるという報告も上がっているようである。
この言葉を鵜吞みにするなら、40代で余命20年あまり。60代で余命10年程度となるだろうか。我が実弟の場合は透析がはじまったのが54歳であり今年59歳であるからして、15年の寿命の5年を梳った体となるが、残念なことに、あと10年は持つまい。いや…… 私の考えるところその半分も、三分の一も怪しいというのが現状だ。

実際大損である。
さて、そこで考えるべきなのは糖尿病とはいったい何なのか。というところに尽きるのだが_________。

②につづく


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