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子供の味覚が危ない!は本当か。

子供に何を食べさせるかは、味覚の発達に影響する!
昨今の食生活は、子供の味覚を危険にさらしている!
この説を唱えてる方は沢山います。

では、お母さんは、子供の味覚のために、時間をかけて毎日お料理を頑張りまくるしかないのでしょうか?

子供の味覚に関する研究から、いくつか興味深いものをご紹介します。

2014年10月、NHKで
「子供の味覚に異変!」というニュースが放送されました。ニュースソースは、東京医科歯科大学の研究グループが発表した内容でした。

研究対象は、埼玉県内の小学一年生から中学三年生までの350人。甘味、苦味、酸味、塩味の4つの味を認識できるかという実験です。
結果は、
酸味が認識できない 21%
塩味が認識できない 14%
甘味・苦味が認識できない 6%
全体で、いずれかの味が認識できない子供が31%もいた!これは問題だ!

というものです。

しかも認識できなかった子供の共通点は、
人工甘味料や、清涼飲料水を頻繁に摂取していることだという解説つきでした。

このニュースをテレビで見たとすると、
怖いな。気をつけなきゃと思いますよね。

でも、待ってください!
この研究内容には全く比較対象がないのです。
10年前は5%だったのに、今は30%を超えた!
というなら、味覚に異変と言ってもいいかもしれません。でも、これだけでは、異変がどこに起こっているのかわかりませんよね。

では、1982年に大阪信愛女子短期大学が行なった研究を見てみましょう。

この研究は子供の味覚と性格の研究でしたが、
ここでも、10歳から12歳の女児70名に、
甘味、苦味、酸味、塩味の識別を実験しています。

この研究では、子供達を性格タイプ別に分けて正答率を出しているので、比較しやすいように全ての性格タイプの平均を出しました。

結果はいずれかの味を認識できなかった子供は
28.1%です。
中でも、酸味を認識できなかった子供は34.5%
と非常に高い結果でした。

22年前の子供たちも、今の子供たちも、その味覚の識別能力は大きく変わらないということです。

では、最後に子供から成人までの味覚識別能を比べた
研究結果を見てみましょう。
これは1986年の埼玉大学教育学部の研究結果です。

中学生87名と大学生44名を対象に食品の嗜好性と味覚識別能を調べたものです。
結果はこちら。

これは、正答率を表しています。
これをみると、年齢が上がるにつれて、味の識別能力が上がっているのがよくわかります。

つまり、子供の味覚は発展途上で、成人する頃にはみんな同じように発達するということです。

味細胞は、およそ10日で新しい細胞に生まれ変わりますから、当然の結果かもしれません。

ここまでのお話で、
子供の食事は、味覚の識別を狂わせることはない!ということが言えますね。

ただ、嗜好となると話は別です。
たとえば濃い味のものを食べた後は、やけに他のものが薄い味に感じたりしますよね?
それと同じで、味覚は習慣によって嗜好ができるというのは、否定できません。
なので、
味覚に影響ないし、体も悪くならないなら、全く食生活を気にしなくていい!!とはならないでください。
(この記事を読んでくださる方は、絶対そんな風にならないと思いますが)

常に塩分や糖分が多め。
常に化学調味料を使う。
常に栄養バランス無視!

というのはもちろん良くありませんよね。
でも、健康のため、子供のためにと、頑張りすぎなくても良いということです!

さて、では子供との食生活で
大切なことって何なんでしょうか。

バランスのとれた献立や、手の込んだお料理よりも
大切なことが沢山あります。
それを少しずつお伝えしていきたいと思います!

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