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エルのシャンプー

元旦の午後からエルのシャンプーをした。日々のお世話は全部夫がやっているが、シャンプーのような大がかりなことは家族として私も娘も手伝う気持だ。我が家にエルが来て三回目のシャンプーになる。一回目は盲導犬協会まで行ってやり、二回目は私が留守の間に娘と夫で協力してやっていた。三回目にして私は初めての参加だ。夫がお風呂場でエルを洗っているところにアシスタントとして娘が入った。私はバスタオルを持ってお風呂場の外で待機。出てきた娘と二人係で拭いている間に夫がお風呂掃除をするという流れでスタートした。

「ほら、エル気持ちいいね」
「賢い、グッドグッド」

という二人の声を脱衣場で聞きながら、娘が赤ちゃんのときのことを思い出していた。夫が娘を洗って、私が拭いて着替えさせる係だった。懐かしい気持ちに浸っていると

「そろそろ上がりますよ」

という声。

「はいはーい、了解」

バスタオルを広げて待機した。ある程度夫と娘がお風呂の中で速乾タオルを使って何度も拭いているとは言っても、まずは脱衣場でさらに水気を拭き取ろうと思っていた。そのままリビングに連れて行ってドライヤーをしようと思っていた。それなのに…。

「エルちゃん、気持ちよかったね」

手を延ばした瞬間!脱兎のごとく走り出しリビングに行ってしまった。

「えー!!ちょっと!!」

バスタオルを持って追いかける私。リビングに行ってエルを発見すると。スリスリー、スリスリー。ソファーにビチャビチャの体をスリスリしていた。

「エルちゃん、ビチャビチャやん」

と言って捕まえようとすると!ブルブルー、ブルブルー。リビングでビチャビチャのままブルブル!飛び散る水しぶき!私が手探りで探すよりもエルが四つ足で逃げる方が間違いなく早い。何度かエルがスリスリーとブルブルーを繰り返した後どうにか広げたバスタオルで捕獲。娘に

「ちょっと!捕まえて!」

と言っても私たちの様子があまりに面白かったのかゲラゲラ爆笑しながら見ていた。バスタオルで身体を拭いて、床に広げたバスタオルを指さし

「エル、ハウス」

と言うとそこに横になってくれた。それからは夫に教えてもらった通りドライヤーをスタート。暖かい風は使わずに、体の同じ場所に当てずに乾かした。
私の髪を延ばしていたときに買った協力ドライヤーを持ってしてもなかなか乾かない。時間をかけて乾かしていると

「すごい抜け毛が集まったよ」

とビニール袋を持って夫が登場。さっきの格闘の様子を話しながらも乾かし続けた。ある程度乾いたところで夫にチェックをしてもらい、なんとかシャンプーが終わった。洗いたてのエルはフワフワのフッカフカになった。後から考えれば、リビングに行かないように脱衣所の扉を閉めておけばよかった。それから、調べたところによると犬が体を擦り付けるのは自分の臭いを付けたいかららしい。シャンプーをしたことで自分の臭いが消えてしまって、ソファーにスリスリしてたんだと分かった。私が参加した初めてのシャンプーはこうしててんやわんやの状態で終わった。来月はもっとスムーズに夫のサポートができるかな?

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