見出し画像

寝ている間にピタ止め動画を生成してくれるツールの作り方

こんにちは!あずさです。
今回は寝ている間にピタ止め動画をバンバン生成してくれるコマンドラインツールを作ってみました。

実際の挙動

まずは画像を用意して...

所定の形式のコマンドを実行するだけで...

コマンド実行イメージ

ピタ止め動画を生成してくれます。

コマンド作成用のエクセルシートも用意しているので、エクセルシートに沿ってコマンドを大量に作ってバッチファイル化(コマンドの一括実行のためのファイル。この作り方も教えます。)すれば、寝ている間にバチバチピタ止め動画を作ってくれるという寸法です。

本当の自動化をしてみませんか?

巷にはピタ止め動画生成アプリはたくさんあると思いますが、多くはGUIアプリ(一般的なボタンをクリックして操作するアプリ)です。
それらは確かにプレミアなどの動画編集ソフトでピタ止め動画を作るよりは効率化できるかもしれませんが、結局は

「画像をセットして、、、仕様を選んで、、、生成ボタンを押して、、、生成されるのを待って、、、生成されたら次を画像を、、、」

というパソコンの前にずっと座っていないといけない単純作業であることには変わりありません。

それを解決するのがCLI(コマンドラインインターフェース)アプリです。
CLIアプリは先ほど紹介した本アプリのように、コマンドプロンプトという黒い画面にコマンドを入力することで実行します。
コマンドを作る手間はあるものの、コマンドを作ってしまえば一括で実行ができるので、寝ている間にピタ止め動画を大量生成することができます。ずっとパソコンの前に座ってなくていい、本当の自動化です。

「プログラミングよくわからない」「黒い画面怖い」という気持ちはわかりますが、Stable Diffusionや他の画像生成AIにチャレンジしたときも、同じような未知の技術に挑戦する不安があったと思います。
それを乗り越えた皆様ならCLIアプリを使いこなせると思いますし、Stable Diffusionをインストールできたレベルの人には丁寧すぎてクドいかもしれないくらい詳細な手順を解説しています。

また、CLIアプリを構築する、使ってみる経験は、この先も皆様に利益をもたらす財産になると信じています。
というのも、世の中ちょっとのPythonを書いてCLIアプリを作れば、有料アプリでできることが無料でできたりするんです、、、
(某動画編集ソフトの文字起こしとか自動カットとか、、、実は無料でできます。)

一緒に本当の自動化を始めませんか?


必要な環境

まず私のマシン環境は以下の通りです。そこまでマシンスペックを求められるツールじゃないので、発売から3年以内のi5/Ryzen5以上のCPU搭載機で、メモリが少なくとも8gb、できれば16gbあれば問題なく動くと思います。

OS:Windows11 Home
CPU:AMD Ryzen 5 4600H
メモリ:16gb

また、以下の2つのツールがインストールされた状態である必要があります。

Python:私の場合は3.10.6
FFMPEG:私の場合は6.1-essentials_build-www.gyan.dev

恐らく私より新しいバージョンであれば(もしくは多少古くても)動くと思いますが、不安な方は同じバージョンをダウンロードしてみてください。

Pythonは以下の手順が参考になります。
https://www.python.jp/install/windows/install.html

FFMPEGはこちらが参考になります。
https://jp.videoproc.com/edit-convert/how-to-download-and-install-ffmpeg.htm

私は試したことがないのですが、FFMPEGはこちらのようなより簡単なインストール方法もあるようです。
https://roboin.io/article/2024/02/25/install-ffmpeg-to-windows/

インストールが完了したら、コマンドプロンプト(windowsの検索窓で「cmd」と検索)でそれぞれ「Python」「ffmpeg」と入力してみて、バージョン情報が表示されれば完了です。(「Python」と入力するとPythonの対話モードが起動するので、バージョンが確認できたらコマンドプロンプトを閉じるか、「exit()」と入力して対話モードを抜けてください。)

ここまでできていれば、ツール構築の50%は完了したと言ってもいいでしょう。


諸注意

この記事はあくまで作り方を指南する記事です。サンプルとしてそのまま実行できるスクリプトファイルを添付し、できるだけ再現性が高くなるよう丁寧に書いたら約1万字になった実行手順と解説を記載していますが、動作の保証や返金保証、サポート等はできません。(ですが、PythonとFFMPEGのインストールができて、恐らくStable Diffusion等のインストール経験のある自己解決能力の高い皆さまなら、詰まることなくツールを構築できると思っています。また、コメント欄でのお問い合わせにはできる限りお答えします。改善提案等も歓迎です。)

基本的に生成できる動画は最初に提示した15秒、30FPSで5秒目と12秒目の最初のコマにピタ止めの画像が表示される動画になります。
毎日のピタ止め動画はデフォルト設定で作って、たまに変化球でタイミングを変えた動画はいままで通り手作業で作る、みたいな運用が現実的かなと思います。

・その他の仕様
流れてくるアイコンの種類:ハート、鳥、星の3種類から選べます。
テロップの文言:自由に入力できます。
BGM:お好きなBGMをセットできます。(MP3推奨)
生成時間:私の環境で15秒の動画1つにつき1~2分ほど。
出力形式:MP4推奨
利用規約:ソースコードやその他添付物の転載等、作者が不利益を被る利用はお控えください。また、このツールに関連して生じたトラブル等の責任も負いません。動画はバンバン作って好きに使ってください!

・配布ファイルのダウンロードについて
当方Chromeブラウザで試したところ、危険なファイルと誤判定されてしまいダウンロードができないことがあるようです。
危険なファイルと誤判定された場合でも、以下の方法でダウンロードが可能です。(同じくnoteで添付ファイルが危険と判定されてしまった人がダウンロード方法を解説してくれています。)

当然危険なものは入れてませんし、note側でもファイルのウイルス判定は行われているのでご安心ください。
一応ファイルの中身も以下に開示します。念のためお知らせでした。ご了承くださいませ。

MPLUS-1:テロップ用のフリーフォントです。(フォントファイル、ライセンス関連のドキュメント2つが入っています。)
readme.html:ツールのドキュメントです。
requirements.txt:ツールに必要なライブラリをダウンロードするためのテキストファイルです。
stop_challenge_generator.py:スクリプトです。
ピタ止め動画生成コマンド作成シート.xlsx:コマンド作成用のエクセルテンプレートです。

PythonとFFMPEGのインストールが完了し(完了している前提で進みます)、上記ご理解いただいた上で「挑戦したい!」と思ってくださる方は、ぜひ先へお進みください。一緒に頑張りましょう!

構築手順と基本的な実行手順を案内するので、実際に動かしてみるところから始めましょう。

ここから先は

9,502字 / 36画像 / 4ファイル

¥ 990

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?