ゼロからイチへの日誌【15】 恥〜【16】 音符の水流

これは2024年4月27日に開幕する予定の朝ミュージカル東京の新作『ながめせしまに茶の湯でも』のクリエイター目線からの記録です。

ゼロからイチへの日誌【15】 恥

2023年9月24日

約1週間ねかせておいた脚本を再度読み、いくかーと決意。
「新作を書きました、読んでください(気に入らなかったら上演しなくていいですというダラダラしたエクスキューズ付き)」と、朝ミュの代表に台本を送る。
自分の脳内を人に見せる瞬間はマジで恥ずかしい。
じゃあなんでつくってるんだっていうのは訊かないで。
自分でもわかんない。


ゼロからイチへの日誌【16】 音符の水流

2023年9月28日

朝ミュ代表から「台本これでOK」の返信を頂戴した。返信を読む間、息をしていなかった。オーディション結果を知る瞬間と同じだ。

ようやく息をして、続きのM2の作曲を始める。
譜面に手書きする(B)パターンで、3時間かける。

たいてい、脚本を書いてる時点で各ミュージカルナンバーはある程度イメージできていることが多い。
たとえていうなら、脚本という氷の張った川の下で音符の水流が見えている感じ。
水流の中に何が棲息しているかまでは見えないけど、それも「その時」になったらちゃんと見えるから、ほっといてまず脚本を仕上げる。
「その時」というのは脚本が一旦終わって、曲をつくるモードにチェンジする時。
脚本という川の表面の氷を割って押し広げ、「で、メロディはなんていってんの?」ってちゃんと取り出すかんじ。

で、それを手書きで五線譜に起こし、
PCの譜面作成ソフトでメロとピアノ伴奏を記譜する。
PC記譜に3時間。手書きと合わせると6時間。

専門音楽家じゃないから最低限のデバイスのみ


写真右の鍵盤は音符を弾いて画面に記譜する用。
写真左のテンキーは音符の種類(長さ等)を変える用。
何番が何音符ってのは自分で丸シール貼って音符をペンで書き込んだ。
7が全音符、6が二分音符、5が四分音符、4が八分音符、3が16分音符、2が32分音符(あまり使わない)、1が64分音符(ほぼ使わない)、0が休符。
「.」で符点をつけられて、「+」「−」でシャープとかフラットとか足せる。
テンキーの便利さは『カムイレラ』編曲家の眞鍋昭大くんに教えてもらった。

余談だがPC本体の文字キーボードにもシールを貼って、そっちにはハングルを書き込んでいる。
韓国ミュージカルに携わることが増えたので、というもっともらしい理由をつけているが、
主には好きな韓ミュをサーフィンするヲタ活用。

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