先月イエメンのシーア派組織・フシがイスラエルに向けて発射された巡航ミサイルを
イスラエル空軍のF-35I（F-35Aのイスラエル改修バージョン）が迎撃した。
フシが保有している巡航ミサイルはロシアがイランに輸出した旧ソ連製のKh-55巡航ミサイルの
データを同じシーア派であるフシに渡して独自に開発したQuds-1と考えられる。

巡航ミサイルは海面もしくは地表をスレスレに飛翔するので地上レーダーだとレーダー地平線で
探知は困難なのでSAMや戦闘機では迎撃出来ないと言われているが
E-2DやG550AEWなどの早期警戒機（AEW）で探知は可能。AEWは「空飛ぶレーダー」なので
上空から地表へのレーダー地平線の影響は高度次第ではほとんど存在しない。
さらに戦術データリンクで戦闘機に巡航ミサイルの飛翔ルートを伝達すれば
早期の迎撃も容易になる。故・江畑謙介先生の著作「日本に足りない軍事力」（青春出版社）でも
ご指摘されていたが巡航ミサイルはAEWの探知とデータリンクでの伝達、戦闘機による迎撃で
無力化出来ると述べられている。さらに江畑謙介先生は巡航ミサイルの迎撃には
AESAを搭載した戦闘機が効率的とも指摘されている。F-35IとベースのF-35Aを含めた
F-35にはAPG-81 AESAレーダーが搭載されている。さらにイスラエル空軍はG550AEWをも
保有・運用している。さらにイスラエル空軍はレバノンのシーア派組織・ヒズボッラーの
ドローン迎撃を行っていたので「細長いドローン」たる巡航ミサイル迎撃には難易度は
高くなかったのは想像出来る。

我が国も中国ロケット軍のCJ-10巡航ミサイルによる在日米軍基地への
飽和攻撃の可能性が指摘されているが巡航ミサイルは現状でも無力化は可能だ。
空自には現在でも13機のE-2C/Dを保有・運用しており、最終的にはE-2Dに全て更新される予定だ。
また140機のF-35A/Bが調達され、88機のF-15JSIへの改修計画もある。
台湾有事では米政府も米太平洋軍も自衛隊を前線に出さずに基地の防衛や制空権の範囲内での
捜索救難、制海権海域内での対潜任務だけに回す可能性が高い。日清戦争や日中戦争で
旧日本軍に国土を侵略された記憶が今も生々しい中国なら日の丸を国籍識別マークにしている
自衛隊機を見たら
どんな反応を示すか想像に難くない。最悪の決断を行う可能性は十分にあり得る。
そうなれば基地のミサイル防衛や捜索救難、制海権内海域にのみ従事させるのが
最適であるし、在日米軍基地は日米安保条約で日本政府が米軍に基地の使用許可を出してるので
日本の主権下にあり、それを防衛するためにも巡航ミサイル迎撃は重要だ。
そして巡航ミサイル迎撃にはAAMを多く搭載可能な戦闘機の増備、AEWの能力の強化こそが
ファイナルアンサーとなり得る。10年前だかに言われていた中国本土への弾道ミサイルや
巡航ミサイルでの先制攻撃などという、憲法にも国際法にも違反する行為を思いつくより
まずは巡航自国のミサイル防衛を提言すべきであろう。

■ソース
https://x.com/jpg2t785/status/1720056221531861419?t=jb6wpsOsCo17z3UlKOSbyw&s=09


https://youtu.be/GpS7WqGm-NA?si=HVR788i1YzCve5EW


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%B7?wprov=sfla1


https://ja.wikipedia.org/wiki/Kh-55_%28%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB%29?wprov=sfla1


https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E8%B6%B3%E3%82%8A%E3%81%AA%E3%81%84%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E5%8A%9B-%E9%9D%92%E6%98%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8INTELLIGENCE-%E6%B1%9F%E7%95%91-%E8%AC%99%E4%BB%8B/dp/4413042115


https://twitter.com/bemusuta/status/1174644816178581505?t=q5rAUlCEv_ugW_Imn_jyqg&s=19


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%AA%E7%A9%BA%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E3%81%AE%E8%A3%85%E5%82%99%E5%93%81%E4%B8%80%E8%A6%A7?wprov=sfla1