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型(トゥル)をとおして見えるもの

「頭で考えないで」

「肩に力が入りすぎている」

 週一回行っているテコンドーのクラスで、型(トゥル)をさらった時、しばしばこう言われる。

 型(トゥル)には、様々な攻防のパターンが凝縮されている。二人同時に違う方向から打ちかかってきた時。正面の敵と対する時。各々のケースに対し、どう攻めるか。どう守るか。

 それを体に染み込ませられれば、いざという時に反射的に出せるようになるレベルになれば、どれほど心強いだろう。

 それでも、未だ決まった動きを追いかけること、間違えないことで必死になっている自分がいる。

 ついごちゃごちゃと考えてしまうせいで、動きがぎこちなくなる。

 確かによろしくない。

 あとは「力が入りすぎ」という点も、十分自覚はある。

 張り切りすぎ、力が入りすぎて、かえって固くなって動きにくくなる。

 それは、型をさらっている時でも、文を書いている時でも同じだ。

「考えるな、感じろ」

 と言ったのは、確かブルース・リーだったか。

 今なら何となくその意味が解る気がする。

 ごちゃごちゃ頭に詰め込み過ぎるな。刻々と変化する現状に追いつけなくなる。動けなくなる。動きながら感じとり、それに対応していくのが理想的、といえば理想的なのだろう。

 型をさらっていると、それを人に見てもらって言われることには、武術以外にも通じる自分の性質というものが見えてくる。

 頭にごちゃごちゃと詰め込んだ状態にならないためには、どうすれば良いだろうか。

 型なら、何回も繰り返す。

 文章なら…とりあえず思いつく事を書くことだろうか。メモでも良い。

 形や細部を整えるのなら、後でいくらでもできる。

 わかってはいるのだが、一度固まってしまうと、動かすのには力が要る。

 そういう時は、準備姿勢だけでも取ってみることが良い。

 紙に何か一言書いてみる、とか。

 何より、やりたい、成し遂げたい、と自分の中に思いを刻むことだ。

 そう思う。

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