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ありのままコンプレックス


自分に何も武器がない。
びっくりするくらい迷いのない目をして、彼はそう言った。


伸びやかな歌声、しなやかなダンス、ブレない身体の軸、小さな顔、きりりとした目元、綺麗な手、均整のとれた体、予測不能なコメント、尽きない向上心、努力家、意志の強さ、堅実さ、愛され力…、
どれも、彼の「代名詞」として紹介されたことのあるものたち。
こんなにも素敵なものをたくさん持っているのに、ここ2年くらい彼は「武器がない」としきりに言う。なんだか自分の今まで見てきたものを全て否定されたみたいで、ちょっとショックだ。
でもこれはきっと、彼の謙遜なんかじゃない。心の底の底から、それこそ彼の口癖を借りれば「マジで命懸けて」言っているような、そんな気がする。


彼が24時間テレビのパーソナリティに決まった頃を思い出す。アドバイスが欲しくて北山くんに電話したのに、「岸はそのままでいいよ」と言われて悲しくなっちゃった話。

「ありのまま」でいられることは、彼の最大の長所だと思う。間違いなく、唯一無二の武器だ。生まれつき持った、彼にしかないもののようにわたしには見える。
でもきっとそれは、彼の理想の武器じゃないんだろうなとも思う。
渇望感とか、焦りとか、やるせなさとか、もどかしさとか、切なさとか、悔しさとか、そんなものをいっぱいいっぱい抱えながら、それらをどうにか振り払った先にある「何か」。泥にまみれて傷だらけになって、そうやって自分の力だけで手に入れた唯一無二の「武器」が、欲しくて欲しくて仕方ないんだろうな、なんて勝手に感じている。

だからこそ、「ありのまま」に抵抗するんだろう。あんなにも。

この世界は本当はいつも
たくさんのLOVEで溢れてる
例えどんなにぎこちなくて
時に誰かに笑われても
不器用なりにまっすぐ素直な
ありのままの君でいていいんだよ
これからもひたむきに進もう



わたしの大好きな曲の中に、こんな歌詞がある。

岸くんが、たくさんの素敵な武器を手にしたとき。
いつもすぐ傍にあった「ありのまま」という武器すらもひたむきに愛せる、そんな日が来てほしい。そう心の底から思う。
そんな描いた未来が来ることを祈って、わたしは今日も溢れるくらいのLOVEを叫んでいこうと思う。

ありのままの、岸くんに。


岸くん、26歳の誕生日おめでとうございました。


#岸くんありがとう