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『2wink』と、葵兄弟の昔の話

葵兄弟とは、もちゃもちゃもちゃもちゃオタクが捏ねている、あんスタ!!にあんスタ!初期から実装されているふたり組アイドル『2wink』の中身だ。はじめて出したCDはシリーズの6番手。

収録曲はシュガー・スパイス方程式と歓迎☆トゥ・ウィンク雑技団、ショートドラマとカラオケ版。

ひなたとゆうたは、2winkのブレーンとエネルギー。兄がブレーンで弟がエネルギー。ブレーンとエネルギーというのはドキスタというあんスタビギナーさん向けのキャラ紹介企画で紹介してくれる芸人さんがおっしゃった言葉。その双子回はとっても濃厚だったしまあまあヘビーな話をしていた。

葵兄弟の生い立ちはまあまあヘビーである。この、まあまあ嫌な関係の煮凝りみたいなあんスタの中でも。それでも彼らは一般家庭出身の兄弟だ。一般的な、核家族っぽい生活をしていて、家には猫が二匹、父親はお仕事が忙しく家事には積極的ではないらしい。そして母親は早くに亡くなっている。
そして葵兄弟の異様さ、歪さの原因はそこにある。

母親がいなくなった当初、父親はかなりおかしくなっていたらしい。最愛の妻を失い、残ったのは双子の息子。悲しいけれど、つらいけれど、三人で支え合って生きていこうね、と、もしそうなっていたら、葵兄弟はきっとアイドルにはなっていない。器用で華やかでなんでもできるから、きっとどの分野でも成功できると思うけれど、アイドルはその中の選択肢のひとつでしかなかったと思う。
父親が兄弟に言ったのは、「気持ち悪い」という罵倒。
そっくりで気味が悪い、鏡よりもよく似た双子の息子に対して。
そしてそれを受けて兄がとった行動は、弟に「まとも」な「息子」の立場を与えるための家出だった。クリスマスの時期に、遺書みたいな手紙をのこして。けれど弟はそれを追いかけた。

今更なんですけどヘアピンとヘッドホンがピンク色の方が基本的に兄のひなたで、水色だと弟のゆうたです

小さな子供がふたり、死ぬような思いをした、らしい。飢えて死にそうでも誰も助けてくれない、それどころか悪い大人は、もうお互いしかいないくらいに何も持っていないふたりから、それすらを奪おうとした。奇跡的に、ふたりは商店街で中華料理屋を営む「師父」に拾われ、食事と、金を稼ぐすべとして店の手伝いと、大道芸の技を与えられた。小さなころから芸で食べているというのは嘘ではなく、ふたりは生きるために、死ぬ気で技を磨いて生きてきた。

ひなたの発言で好きなものがある。観察眼には自信がある、と。

彼は暗い話題をあまり好まずに、明るく茶化すように喋るけれど、これは本当に、本当のことなんだろうな、と思った。人を、技をよく見て吸収して、全部を己の血肉にして生きてきた、葵ひなたのプライドがここにあるから。生きていくためにはじめたことでも、今、ひなたくんがひとを笑顔にすることが喜びだと思ってアイドルをやっていることが、ファンはすごく嬉しい。

2winkは、ひいては葵兄弟は、確かにシュガー・スパイス方程式だし、歓迎☆トゥ・ウィンク雑技団だなあと最近、強く思う。この当時は新曲嬉しいな~くらいだった曲のタイトルがじわじわと内臓のやわらかい部分を押し上げてきている。
シュガースパイスと聞いて思い浮かぶのはマザーグース。お砂糖とスパイスと幸せなものをなにもかも与えられてできた女の子。ケミカルXでパワーパフガールズにもなれる。あたしはバターカップが好き。
葵兄弟は双子の男の子だ。お砂糖もスパイスも幸せなものも、ひとりぶんを半分こして生まれてきた。例外。教科書に載っていない方程式。

ふたりが生まれてはじめて歌った歌が、この2曲で良かったと思う。とびきり素敵な世界に歓迎してくれて。にんげんの鳴き声を聞かせてくれてありがとう。
ちなみに人間の鳴き声というのはノベライズ版で日日日先生がアイドルの感情の乗った歌声をそう呼んだのがオタクめっちゃ気に入ってるというやつ。すごくない?アイドルって人間なんだよ。サイコ~!


大人っぽくなったね

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