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B.LEAGUEのチームの移動距離データを色々見てみた

こんにちは。
少し前に下記のツイートを見かけました。

これを見て、B.LEAGUEではチームの移動距離はどうなってるのかが気になったので、B1の2016-17レギュラーシーズンのチーム別移動距離を出してみたところ、違いが明確に見えて興味深いデータとなりました。

そこで、今回はB.LEAGUEでのチームの移動距離に関するデータをさらに深掘りして見ていこうと思います。

今回の分析対象は2016~2022のB1・B2レギュラーシーズンです
天皇杯やプレーオフなどは対象外としているのでご留意ください。
また、距離の定義はホームアリーナからの試合会場への直線距離としており、実際の移動距離ではありません。
(分析に使った各種コードはこちらです)

シーズン×チーム別の移動距離について

何はともあれ、まずはシンプルにシーズンごとにチームの移動距離データを見てみましょう。

まずはB1

皆さんの予想通りだとは思いますが、圧倒的な存在感の琉球北海道ですね。
また、中地区のチームの移動距離が短い傾向にあるようです(三遠や三河、2016-17の川崎・横浜など)
ただ、やはり琉球・北海道と比べるとそれら以外のチームは団子状態の様子です。

次にB2

B2内での違いを分かりやすくするため、縦軸の上限を3万kmにしています(B1は5万km)

琉球や北海道と違って圧倒的に移動距離が長いチームがいるわけではありませんが、青森鹿児島熊本などが比較的長い傾向にあります。

ここからは、地理的に端っこにあるチームの移動距離は伸びる傾向にあるというのが読み取れます。

ここでの移動距離の算出方法は、毎節ごとにホームに帰っているという設定です。アウェー→アウェーのケースは考慮できていないので、後ほど言及します。

シーズンごとの移動距離分布と移動距離の計算パターンについて

シーズン×チームごとの移動距離は上で見ましたが、次はシーズンごとに移動距離がどのように分布しているかを見てみましょう。

まずはB1

多くのチームの移動距離が1万km前後に分布して、一部のチームが2万kmを超えたところにいるという形になっています。

突然ですが、ここで移動距離の算出方法について述べたいと思います。
ここまでは毎節ごとにホームに帰っているという設定で移動距離を出していましたが、NBAのようにアウェー連戦時にアウェー→アウェー移動をすることもあり得ます。
これまでのB.LEAGUEでどのように運用されていたのかは定かではないですが、今後週末2連戦スタイルから1試合単位で行われるようになるなども考えると、アウェー→アウェーのケースも踏まえるべきでしょう。
そこで、ここでは次の試合会場にそのまま赴く場合も出してみます。
理論的には、毎節ごとにホームに帰るのが最長の移動距離で、次の試合会場にそのまま赴く場合が最短の移動距離になり、実際のところはその中間になるはずなので、最短の移動距離を出しておくのも面白そうです。

B1のデータで次の試合会場にそのまま赴く場合を出した結果はこちら

1つ上のグラフと比較すると、分布が全体的に少し下側にずれており、特に移動距離が長かったチームでその傾向が見られます。
ただ、劇的に減っているというわけではなさそうです。これについては後ほど詳細に見てみましょう。

B2に関しても見てみます。

B1同様、全体的に下側にずれているのが読み取れます。

算出方法の違いによる移動距離の変動について

先程触れた、算出方法の違いによる距離の違いについて見てみましょう。
まずはチームごとに、毎節ホームに帰る場合の距離(A)に対して次の試合会場にそのまま赴く場合の距離(B)を出して、それのシーズンごとの分布を見てみましょう。
グラフは下記になります。

B1,B2のいずれも2016-17は80%~95%で固まっていますが、シーズンを経ると分布が広がっていき、B1に関しては70%を切るケースが頻発しています。

続いて比率が小さい(=毎回帰る場合と次の試合会場に赴く場合のズレが大きい)チームを見てみましょう

比率が小さい(=ズレが大きい)TOP15チーム

入っているチームの特徴を見ると、やはり端っこに位置しているチームが多いです。
比率が大きいチームは下記の表のように、関東地方や近畿地方といった、中央部に位置するチームが多いです。

これらの理由としては、端に位置するチームはアウェー→アウェーによって移動距離が大幅に削減されるが、中央部のチームはそうでないケースが起こりうるからです。
イメージ図として下記を用意しました(手書きで汚くてすみません)。

左のXが端に位置しているチームで、右のXが中央に位置しているチームと考えましょう。
左上は毎節ホームに帰る場合で、左下はアウェー→アウェーのケースですが、この場合X-YとX-Zの移動がそれぞれ1回ずつ消えています。その分Y-Zの移動は増えてますが、端に位置するチームからすれば短いものになるでしょう。
それに対して、中央に位置するチームはアウェー→アウェーでもホームに帰るのと距離が変わらないケースが起こりえます。
こう考えると、端に位置するチームのほうがアウェー→アウェー時の移動距離削減の恩恵を受け、比率が小さくなるのも妥当と考えられます。

しかし、これはシーズンごとにブレている要因の説明にはなりません。
仮説としては試合の組み合わせや、コロナによる試合中止でブレが大きくなったなどが考えられますが、今回はそこまで深掘りはできなかったので、今後の課題として残しておきます。


チームの移動距離のシーズン推移

それでは最後に、チームごとの移動距離の推移を見てみましょう。
継続的に距離が増えている・減っている・上下動しているなどが見えるかもしれません。

ここからは移動距離の定義を毎節ホームに帰る場合の距離(A)に対して次の試合会場にそのまま赴く場合の距離(B)の平均と設定します。
(ある試合ではホームに帰り、別の試合ではそのまま次のアウェー会場直行するだろうと考え、上記の設定にしました)

それではグラフを見てみましょう。

。。。
チーム数の影響で線が多くなってしまい、少し見づらくなってしまっていますね。
ここから特徴などを読み解くのは難しいですが、一貫して増えたり減ったりというチームは見受けられず、上下動している様子が見えます。
そこで、前年と比べて移動距離が大きく変化したチームを抽出してみましょう。
ここでは移動距離の前年比が±20%の範囲を超えているチーム×シーズンを抽出し、その中で前年比が大きい順に並び替えてみましょう。
結果は下記の表になります。

縦長で見えづらいですが、いくつか気になったチームをピックアップしてみます。

まずは前年比が高いチーム(上部)から。

  • 2017と2020の川崎

    • 地区移動で中地区→東地区に移動していたので、おそらく北海道との対戦が増えたことが要因でしょう。

  • 2019の三遠と三河

    • いずれも中地区で、同地区のチームもほぼ変更なしでした。

    • コロナでシーズン中止になった年なので、移動距離の長い組み合わせが中断前に固まっていて、1試合あたりの移動距離が伸びた or そもそも組み合わせで遠方が多かったなどの可能性があり得ます

  • 2021の越谷

    • 調べてみましたが要因掴めずでした

続いて前年比が低いチーム(下部)を見てみようと思ったのですが、これらはいまいち要因掴めずでした。ぴえん。

最後に移動距離が長いチームの中で上記の表に入っているチームを見てみましょう。

  • 2017の北海道(真ん中あたり)

    • 前年との違いとして、同地区から秋田と仙台がいなくなっていたので、他チームの降格によって同地区対戦の移動距離が増えたことが要因と考えられます。

  • 2018の福岡(真ん中あたり)

    • 2017北海道と似てますが、B2時は九州・中国・四国地方のチームが同地区でしたが、B1では近畿地方のチームがメインになっていたので、自チームの昇格によって同地区対戦の移動距離が増えたことが要因と考えられます。

まとめ

特に事前の仮説などは設けず、移動距離のデータについて色々眺めるということをやってみましたが、これがなかなかどうして面白いですね。
普段見ないデータなのでいろいろな切り口が浮かんできて、とても楽しかったです。

こういった移動距離データに関してもっと妥当に見るなら、移動時間や移動手段も踏まえられると良いのですが、なかなか表立って公開されるデータではないので難しいですね。
また、今回のトピックからずれますが、移動の負荷と勝敗の関係性なんかも面白そうです。

ちなみに、あまり関係ないですが、B.LEAGUEの旅費規定の資料があったのでリンクを載せておきます。
https://www.bleague.jp/about/pdf/r-23.pdf


最後に、ここまでお読みいただきありがとうございました!
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