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いびつな多面体を現すまで、私のために書き続ける【私が書く理由】

文章を書くことは、たぶん子どもの頃から好きだった。

小学1年生の時に書いた作文「ひとりぼっちのどようび」が入賞したのは、生まれて初めての「賞をもらう」経験だったはず。

小学校高学年の頃には、こっそりお話を書いたりもしていたし、その流れで書き始めた詩のようなものは、かなり長い間続けていた。
誰かに見てもらうつもりのものでもなかったけれど、高校の時仲の良かった男の子になぜか褒めてもらえた。
当時普及しつつあったインターネットを駆使して、詩を投稿できるホームページに送ったりなんかしていたのは、たぶん、私とその男の子しか知らないことだったと思う。

現役で大学に合格できず、浪人しても前期試験で惜敗。
それまでゴリゴリ勉強してきた英語や数学や世界史や生物でなく、前期試験後にたった1ヶ月対策した小論文で、後期試験で大学に滑り込んだりもした。

大学に入った頃は、空前のmixiブーム。
周りのみんなもmixiで日記を書いていたし、私も例に漏れずそうだった。
それでは飽き足らず、個人でももっと趣味要素の強いブログを書いて投稿していた。
mixiはやがてFacebookにスライドし、以降、ネット上に何らかの文章を落とし続けてきている。

思い返すと、私はずっと何かしらを書いている。
定型的な何かを書くことも、自由なものを書くことも、好き嫌いや得意不得意の境目なく取り組み続けていたようだ。

たぶん、文章を書くことは、存在証明のようなものだった。
定型的でもそうでなくても、事実だろうとフィクションだろうと、文章は「私」が確かにそこにいることを確認する術だったのかもしれない。
誰かに読んでもらうかは二の次だったが、偶発的に読んだ誰かが何らかの「評価」をしてくれることは、その存在にもう少しくっきりとした輪郭を与えてくれている感じがして、もちろん嫌いではなかった。

昨年度末、公務員を退職してからは、職業人としての立場を意識した文章を書く機会が増えてきた。
自分のサービスを誰かに届けれなければと意識するせいか、それまで(うまいかはともかく)自在に書けていた文章が、なんだか思うように書けなくなった。
(ちなみに、公務員としての文書を作成するのも嫌いではなかった)

一方で、個人と職業人を行き来しながら気ままに続けているTwitterでは、ほぼ毎日何かしらを呟き続けていた。
有益っぽいことを書こうとしたり、自分のだらしない一面をさらしたり、子どもがかわいすぎて親バカしたりしている、一貫性のない、ブランディングもくそもない、フォロワーの増えない典型的なアカウントなのだが、自分自身、これは嫌いではないのだ。

今年に入って、私は毎日noteを書いている。
「目的はいろいろある」などともったいぶってその全てを公開していないのは、職業人としてのちょっといやらしい(?)面もあるからなのだが…
実際のところの主目的は、「点と点をつなぐ作業をする」ことだったりする。

ここで言う「点」って、Twitterの140文字。
それらをつないで「線」を引くと、noteの一記事になる。
そうして無数にひかれた「線」から「面」ができ、やがていびつな多面体になる。
この多面体が、きっと個人でも職業人でもある、自分自身になるのだという気がしている。

今私は、文章を書くことで、自分自身でもわかっていない自分の像を結ぼうとしている。
まだまだ、やっぱり、誰かのためにとかいう気持ちは二の次なのだ。
ガッカリされるだろうか。

そうは言っても、書き続けることで、思いがけず様々な方にnoteのことをおほめ頂く機会が出てくる。
声をかけていただくポイントは、継続していることに関してだったり、取り上げたトピックに関してだったり、文章の雰囲気に関してだったり、考察の部分に関してだったりとこれまた様々だ。

誰かに届けようと気負わずとも、誰かに届くこともある。
そうして届いた誰かとなら、気負わない優しい関係が築けるみたいだ。

決して私の駄文(敢えてこう言う)で、誰かを動かそうなんておこがましいことは考えていない。
物書きとしては甘い考えかもしれない。
けれど、とらえどころのない私の像を結ぶために書くプロセスが、たまたま誰かのきっかけになるのなら、この上ないことだ。

今のところは、これでいいのかなと思っている。

私は、私を証明し、説明するために、書き続けている。
やがて姿を現すであろういびつな多面体の、どこかしらを愛してくれる人を、きっと私も愛するのだと思う。

その時私は初めて、誰かのために文章を書けるようになると思っている。



以前から関心のあった「書くンジャーズ」

「日本人よ、これが『書く』だ。」と言わんばかりに「書くメシ」の精鋭メンバーたちが運営するnoteマガジンです。史上最強は映画『アベンジャーズ』かもですが、史上最書は『書くンジャーズ』。メンバーの経験値や人生観で今日もまた「書く」を研鑽✊
(史上最書マガジン【書くンジャーズ】ページより)

仲良くしてくださる方がいらっしゃったり、どんどんメンバーに知り合いも増えていったりして、ますますその存在が近くなってきていた今日この頃。

ノリと勢いで「手を挙げたら入れますか?」とリーダーにお訊ねし、昨日からメンバーに入れていただくこととなった。

みねは火曜日担当として、来週からテーマに即した記事を投稿していくことになるので、どうぞお楽しみに。

▼個性豊かなメンバーの記事も、併せてチェックいただきますよう!






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