お別れそして出あい(続き)

駅で毎朝、顔を会わす彼は 倉田さんと言う母の友達に連れられ 私をモデルとして絵を描きたいと交渉に来た人です。
美人は沢山他に居るのに 何で私なの?と言う私の問いに
絵だから 美人を描くと言う決まりは有りませんと言う 彼のおせいじの言えない無口さに惹かれて 日曜日なら良いと言う事で 倉田さん宅の洋間で 私のモデル業(但し無料)が始まりました。彼は
その年 武蔵野美術学校に入学し 始めての校内美術展に出す作品を 描かなければ成らなかったのです。 しかし簡単でしょと思って座って見たら じっと座って居ると言う事は これ以上苦しい事ないわぁというくらいの 我慢が必要でした

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?