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Keep in Mind: Remastered【一人の夫として】

システムとしてはカジュアルなアドベンチャー物なのですが、内容は深く現代人の業を扱った問題作と言えます。以下は私なりの物語意訳となります。

私たち人間は各々異なった性格個性を持っています。一人として同様は存在しないはずです。では、そのような千差万別は何処から生じたものなのでしょうか。

貧乏の劣等から卑屈を受けて根暗になる? 金持ちだから余裕があり明快を入手した?

だとしたら貧しいけれど明朗な人は存在しない事になります。陰鬱な資産家はフィクションからしか生まれ出ない事になってしまいます。

上の一例は因果による結果のひとつではあるかも知れません。しかし絶対的な法則とは認められないでしょう。

貧しいから悪、裕福だから善、醜いから悪、美しいから善、これらは他人が決めたルールであり多くの賛同に踏み固められたまやかしの轍に過ぎません。

他人が何と言おうが何を言われようが私個人の善悪は私の中からしか導き出せない答えであるべきなのです。

道徳の靴を履き違えた私は賛同の轍に蹉跌して唾を吐くでしょう。見誤ったコンパスは迷界を螺旋させる事に他意を覚えません。何もかもが悪意に充ちて接近して来ます。

しかし初手で靴を履き違えたのは私であり、コンパスを見誤ったのもまた私であった事に気付くべきでした。忍び寄る悪意は私の影であったのです。離れられないのも道理でした。

運良く手に入れた鏡に私は何者であるか問うてみる事にしました。私が為すべき事はなんなのか問うてみました。

答えはとうの昔に入手していたものなのに何故忘れてしまっていたのでしょうか。

「私は夫であり、妻を愛している」涙とともに出て来た言葉はただこれだけでした。

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2019.09.03

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