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【医院長ブログ】小児の頭蓋変形に関係した複数科の専門医によるチーム医療

 0歳からの頭のかたちクリニックには乳児頭蓋変形を扱う、形成外科、小児脳神経外科、小児科、 小児外科の複数の診療科の専門医資格を持つ医師が勤務し、各診療科の特色を生かした統合的なチーム治療を行なっています。ブログでは各診療科の先生方の立場から記事を書いていただいておりますが、今回はチーム治療ついて少し詳しくお話したいと思います。

診察風景

 形成外科医は私を含めて4名が勤務しております。形成外科は頭蓋顎顔面領域を主要な診療分野としており、病的な頭蓋変形である頭蓋縫合早期癒合症の手術では脳神経外科と共同で、頭蓋形成のみならず眼窩を含めた上顔面骨の形成手術も行う場合があり、さらには成長と共に咬合に関与する上顎骨や下顎骨の中・下顔面骨の手術を行う場合があります。頭蓋顎顔面領域では頭蓋骨や顔面骨だけでなく眼瞼、耳介、外鼻、口唇や顔面表情筋の軟部組織の手術的な治療も行っており、単に頭蓋だけでなく頭蓋顔面領域のトータルな診療をしております。また、機能と形状の改善を治療対象としているため、頭蓋顎顔面の機能や形状の診断や評価法も形成外科の重要なテーマです。形成外科医としては、これらの観点から頭蓋変形の矯正治療に関わっています。

 脳神経外科では、脳神経外科医の中でも数少ない小児を専門とする小児脳神経外科医が2名勤務しております。頭蓋変形の原因として頻度は低いですが、見逃してはならない病的な頭蓋変形である頭蓋縫合早期癒合症や、大頭症の一つの原因である水頭症などの治療の専門家です。また頭蓋内容である脳自体の専門家でもあり、これらの観点から治療に関わっていただいております。

 小児科医は、小児でも特に新生児治療を専門とする経験豊富な2名の小児科医が勤務しております。小児健診にも長く携わっており、今までに乳児の頭蓋形状も多く診て来られています。頭蓋変形にも関与する乳児の発達や筋緊張低下の問題や、ヘルメット治療にともなう育児の諸問題に対処していただいております。

 小児外科医は2名が勤務しております。小児外科は胸腹部領域を主体としてその他領域に関しても、小児の形態異常や後天性疾患、外傷などの外科的な病気の診療を行っています。通常は小児の種々の外科的治療を行っている観点から、診療に関わっていただいております。

診察風景

 当院では、必要に応じて同一日、あるいは担当科医師の診察日に、複数科の医師が診察を行っております。複数科の医師間では適時、検討が必要な患者さんの症例検討を皆で行っており、また全員が参加してのミーテイングでは診療に関わる種々の問題点の検討や、診断・治療に関する勉強会や学術的な検討などを行っております。

 乳児頭蓋変形の診断・治療には多角的な視点による診療が求められますが、当院ではそれに応えるべく、専門医資格を持つ複数科の医師により各診療科の特色を生かした、統合的なチーム治療を行なっており、今後もより良い医療の提供を目指していきたいと思っております。

 今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

東京クリニック 院長 田中一郎


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