見出し画像

猫と、尿意

こにちはぬん。ベビだす。
昨夜眠るためベッドに横になると、ぬん様(猫の琥珀)がそっと右手に寄り添いました。

左側は、いつもしぶきのポジション。
なのでぬんは、右側の頭の横・右側の手の横・右側の足の横など「右側」にいる事が多い。

肘に体のラインを添わせるようにくっつくぬん様に心の中で
(ぬんや……ぬんやああああ💕)
と感動しながら、ぬんの頭の下にそうっと掌を広げてみた。
こうするとぬんは、そのまま顎ごと掌に乗せ眠ってくれることが多い。
そう、ご褒美タイムを獲得しに行ったのです。

目論見通りぬんは広げた掌の上に自分の小さな足をちょんと乗せ、その上に顎を降ろして眠り始めました。
掌に伝わる、ぬんの頭の重さ。腕に伝わる、ぬんの温もり。
眠る前のひと時の至福を堪能しておりました。

が、ここで急な尿意が襲ってくるおベビ。

横になる前にトイレには行ったが、寝る前にほろ酔いを飲んでしまったのがいけなかったかあああ!!!

ぬん様の手触りを失いたくない……と思っていると、なんとハの字に広げた足の間に新たな刺客(←)が登場!!
この毛触りと位置は……しぶちゃんか!?
しぶきはよく横たわるわたしの左腕に納まりに来ますが、時にわたしの足をひじ掛け代わりに用い、足元で寛ぐこともあるのです。

くっ……、こっちの感触も失いたくない!!

腕にはぬんの温もり、足首にはしぶちゃん、という二段構えを前にしておベビは葛藤しました。

しかしハッキリしている事は、このままベッドの上で漏らすわけにはいかないということです。
それは選択肢に無い、本当に。



もしも成人用のオムツを着用の上で横になっていたとしたらアリかもしれないが、わたしは今そのようなものは着用していない。ていうか、家の中にそういうアイテムが無い。
今後同じような事態に遭遇したときのために成人用オムツを着用して眠った方が良いのかもと、迫りくる決断にトチ狂った事を考え始めながらも、尿意に耐えつつダブル猫の感触を楽しむという「プラスなのかマイナスなのかわからない行為」を続行しておりました。


しかし、やはり「このまま漏らす」という選択は最初からあり得ません。
そう、その時点でもう答えは決まっていたはずなのです。
仕方なくわたしは、惜しみながらも先ずは右手の掌をそうっと引っ込めました。
ぬんの頭はそのままそっとベッドの上に着陸し、ぬん様はスヤスヤと眠り続けています。
ああ、口惜しや。

そして同じく、そうっと足を引っ込めました。
さすがに足の動きは無視できなかったのか、足を引っ込めたことで足の上にいたしぶちゃんは上体を起こしました。
ああ、口惜しや。

ゴメンねしぶちゃん……と思って顔を上げて足元を見ると、

しぶちゃんではなくそれはぼったんこでした(爆)。
そうだ、コイツも「足元ネコ」だったのを忘れていた。
しかもしぶちゃんと非常に毛質が似ているため、暗闇の中で体の一部を触っただけでは判別つきにくいことを忘れていた。

手で触るより足で触る方が個体の判別が難しいため、ずっとしぶちゃんと思い込んでいました。ゴメンねぼったんこ。

こうしておベビは断腸の思いでダブル猫から離れ、トイレへと駆け込み尿意という呪縛から解放されました。
戻ってきて再び横になると、ぬん様が再び右手の掌に頭を降ろしてくれます。
ぼったんこは「お前には失望した」とでも言いたいのか、位置を変えています。
さっきまでずっと勘違いされていたしぶちゃんがやって来て、

「みゃうみゃう~」

と言いながら定位置の左腕に可愛いオケツを降ろしてくれます。


ああ、幸福はここにあり。
そう思いながら目を閉じるおベビ。

この時はまだ、すぐまた尿意が襲ってくることなど予期していないのでした……。




この記事が参加している募集

猫のいるしあわせ

いただいたサポートは執筆活動の大切な必要な費用として、大事に使わせていただきます。 書くことを続けられるよう、応援宜しくお願い致します。