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写真との出会い〜今まで VOL.01

僕の写真との出会いは19歳の頃です。当時の僕は友達はほとんどいなく、毎日図書館で美術書や写真集を眺めていました。
何気なく手に取った50年分の日本の広告写真の年鑑を見て資生堂の広告がズラーっと目に飛び込んできて、頭から離れませんでした。
それらは日本の高度経済成長期と共に広告の一時代を築いていたのが、はっきりとわかるようでした。
中でも60年代から90年代までほとんど一貫して出てくる写真家の名前がありました。その人の名前は横須賀功光さん。僕はどうやったらこんな写真が撮れるんだろうと毎日考えていました。


「三宅一生『馬の手網』を着る小夜子」 撮影:横須賀功光 1975年
Shiseido Solid Perfume: Mai Shiseido advertisement poster 1978 Art director: Makoto Nakamura Photographer: Noriaki Yokosuka Model: Sayoko Yamaguchi



インターネットもなかったので、色んな雑誌や本で探しまくって、当時彼が東京のとある大学で先生をやっているのを見つけました。
そこで、すぐに東京に行ってその先生の授業を受けてみたいと思い、受験勉強が始まりました。親にかなりの我儘を聞いてもらい東京に進学させてもらうことになったのです。
先生は当時お身体を患って入退院を繰り返されてましたが、4年生のゼミでご一緒することができました。
ただ、何というか当時の僕は完全萎縮していたというか、彼をリスペクトしすぎてしまい、自分の心に正直な写真を彼にぶつけることができませんでした。そんな弱気な姿に呆れられたのか先生には卒業直前に厳しいお説教をもらいました。いい子ちゃんになろうというか、生き方や考えが浅すぎるってことなんだと。。それが写真にすら出てしまっててつまらないことも。

若いからこそ、無茶したり目の前の写真を撮ることに貪欲に向き合える気持ちができたんじゃないのかと、その時間をとても悔やんでいたのを思い出します。

今となってはこの頃の悔しさが根底にあるから、僕はまだ写真を続けているんだなあってつくづく思います。

そうなんです、多分もとはきっと根暗なんです。でも、後で素敵な話もたくさんあるので笑


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