うんこを食べた話
死ぬ前にうんこを食べたくなって、
うんこ食べました。
ですが、「うんこの味を知るとうんこボケで一切笑えなくなる」という、とんでもない後遺症が残ってしまいました。
知ってしまうと、もう後には戻れません。
今まで大好きだったうんこネタで
もう笑うことができないなんて人生終わりです。
死んだようなもんです。
皆さんには、私のように後悔してほしくないのでうんこを食べた話をシェアします。
私はまた、もう一度、笑いたい。
(私は誰もいない国の姫。ここは歴史ある劇場。
センターステージで、自動操作のスポットライトを浴びながら、誰もいない国の民に向かってモノローグを語り出す私。)
(舞台上、上手奥にでっかい妖精。照明バトンを吊り革のように両手で持ちながら、高めのスツールに腰掛けて、いつものように静かに私の話を聞いている)
私:「うんこを食べずにして死ねない!」そう思った私は、5~6本あるうんこのうち、始まりでもなく終わりでもない、一番真ん中に出たであろう1本、最も味の中心であろう1本、ステーキでいうところのセンターピースに狙いを定めると、親指と人差し指でそっと便器の水の中から掬い上げた。
妖精:うぅーー
私:すると、見た目から魚肉ソーセージほどの硬さはあると思ったのだが、つまむとすぐに指の中でとろけた。まるで、天気がいい日の車内で溶けた、具少なめのクランチチョコだ。
妖精:おお!分かりやすい!
私:匂いはしない。食生活がいいからか?それとも芳香剤入りのお花のスタンプのおかげか?
妖精:えっ?洗剤スープうんこ?!
私:この程よい肉感といい、柔らかさといい、無臭具合といい、とても美味しそうだ。
妖精:絶対そんな事ない!
私:「うんこを食べて人生経験値を上げたい!」「うんこの味を知らずにして死ねない!」「これで死ねるなら、うんこを食べるくらい簡単だ!」「うんこを食べたい!」「うんこを食べて私は死にたい!」そうして私は、口の中にうんこの先端を入れた。溶けかけのアイスクリームのように柔らかいうんこは歯で噛み切る必要もなく、舌先と唇で切り落とせた。
妖精:おえーーーー!!
私:ふわりと口の中に広がるうんこ。
妖精:おえーーーー!!
私:ほのかに広がる甘い香り。
妖精:えっ?!
私:「おい、嘘だろ?甘いのか?!」
私はゆっくりと舌先でうんこを転がしうんこが溶けて無くなるまで丁寧に味わった。
妖精:えーーーーーーー!!
私:1口目の口の中のうんこを食べきった。後味はどうだ?苦いのか?臭いのか?、、、どうだ?!必死に探る、来い!後味来いっ!臭み来い!どうだ!!!!
妖精:どうだっ?!!
私:あれ?臭くない。苦くない。ちっとも不味くない!!なんなら甘い。控えめに甘くて、なんなら全然悪くない!!
妖精:マジ?!
私:そんなはずはない!うんこが美味しいわけがない!!じゃなきゃ「うんこ味のカレーVSカレー味のうんこ」の究極の二択問題が成立しない!!あんなのただの甘党か辛党かのアンケートになっちまう!!
妖精:そうだそうだ!
私:私は掴んだままだった本日のうんこの一番美味しいところと再び口に運び、今度は大きめに口の中に入るように唇でちぎった。
妖精:二口目いったー!!
私:ほのかに広がる甘い香り。
妖精:デジャブ!
私:二口目のうんこも、溶けかけのアイスクリームのように、口の中いっぱいにほのかな甘さが広げながらまもなく溶けて消えそうだった。本に苦くないのか?不味くないのか?このままでは二口目も溶けて無くなってしまう!無駄になってしまう!そう思った私は思いきって、両方の奥歯で残りのうんこをジャリっと噛んだ。
妖精:すげえ
私:そういえば「『奥歯にうんこついてまう』とかいつ使うねんそのツッコミ!」というツッコミを2015年M-1のスーパーマラドーナが言ってたなぁ、と思い出しながら、奥歯にうんこが残らないように恐る恐るすりつぶす。
妖精:今まさに使いどころ!!
私:ようやくここで苦味がきた。そう言えば昔、夏休みの宿題の味覚実験セットに描かれたドラえもんが、「甘さは舌先、苦味は舌奥で感じるんだよ」って言ってたなぁと思い出した。
妖精:へぇー
私:三口目のうんこは最初から奥歯でしっかりと味わった。もはや小さめに口に含んだ普通の食事だ。
妖精:引くわ
私:ほのかに広がる甘い香り。
妖精:デジャブ!
私:甘さ4割、無味無臭2割、焦げたゴーヤのようなうんこそのものの苦味1割、洗剤の苦味1割。ちなみにこの洗剤の苦味というのは昔ハミガキ粉と間違えて洗顔を口に含んだ時に覚えた。、、、あとの1割は、、、なんだこれは??独特だなぁ、これがうんこのそのものの味なのか?だとしたら悪くない。煎餅のようなあられのような、妙に親しみやすい塩味の旨みだ。ちょうど汗をかいた腕を舐めたような、鼻くそを食べた時のような、どこかで味わったことのある懐かしい味だ。えーっとどこだろう??この味、食品で絶対食べたことある味だ!なんだ?刺身?醤油?煮物?昭和の平屋の風景が浮かぶ、、確か、、、うーんと、、、えーっとお、、、うーん、、、。
妖精:頼む!思い出してくれ!!!
私:三口目が無くなった。四口目をいってもよかった。でも味は分かったのでやめた。これは食事ではない、味見だ。「味を知る」という目的は果たせた。別にこれでお腹を満たすことが目的ではない。
妖精:当たり前だ!うんこは出すもんだ!
私:ケツ論!!
妖精:ドドン!
私:うんこは食える。全然食える。なんならそこら辺の変な料理よりクセがないので全然イケる。ちっとも不味くない。
ただ味気なくはある。これで腹を満たしたいかと言われたらそうでもない。お腹いっぱい食べたいと思うほど、うんこは美味くはないからだ。よって「カレー味のうんこVSうんこ味のカレー」という究極の二択問題は、注釈に「ご飯なしで1食分の腹を満たすこととする」という条件をつけなければ、さほど究極感が出ない質問であるということがわかった。
また、今回のテイスティングには、便器中の洗剤スープに浸ったうんこを使用した。よって、出したてフレッシュうんこは緊急時に立派な食糧になることが私の中で証明されたが、これが果たして、出して時間が経ったものや、乾燥うんこにまで適応されるかどうかは再度検証が必要である。
妖精:(笑)
私:そして後遺症が二点!
妖精:えっ?!!
私:まず一点目は、「指についたうんこの臭いはその日どれだけ石鹸で洗っても永遠に取れないので、絶対に素手でいかないこと!」食すなら使い捨ての道具を使え!
妖精:ドドン!(笑)
私:そして二点目!「うんこが美味しいことを知ってしまったら、もう二度とうんこボケで笑えなくなるから覚悟しろ!!」
妖精:マジっすか?!
私:うんこは臭いがすごいだけで、味は全然食べられる食糧であると知ってしまうと、大喜利や漫才のボケに使われたうんこたちを食べられるものとして見ちゃうから、今までケラケラ笑ってたはずのうんこ系のボケが全部普通に見えちゃうの!マジ致命的!やる前に知りたかった、、、
妖精:それ、小さい頃にとっかの芸人さんのエビソードトークで聞いたことある気がします、、うわ一思い出せない、、、
私:とにかく「うんこが臭いのは、食べないようにするため(なぜなら食えるから)」っていうのがこれで立証されたね。腐ると臭くなるのと同じ原理だ。
妖精:ですね。(笑)
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