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マイク・エラー_002

マイクとは、和解できませんでした。

久しぶりに弁論をやってきた(激遅)ので、その振り返りをば。

弁論の要約

話題が鉄道ということで、めんどくさい用語抜きの説明を頑張ることで一人でも多くの初見さんに「あ~確かにこれはまずいっすね」となってもらうことを重視して原稿書いてました。一方で「ある程度知ってる人からすれば物足りないくらいになるだろうな」という諦めもあったので、複雑。

現状
例のウィルス等により、ローカル線問題が表面化
→国も協議促進に動き出す

問題
地域の足という視点が軽視されている
→議論されるのは路線の存廃が大半

原因
協議を始めるのが遅すぎる
前向きな施策を打つには手遅れで、どうしても存廃の話になる
→その結果として、協議=存廃のイメージが先行

解決策
協議対象とする基準を拡大(輸送密度2000→4000)
→存廃前提ではない議論を早期から促す枠組みに変化させる

反省点

解決策の基準設定

審査でもそれ以外でも一番に言われたのが「新しい基準が何故に4000なのか」ということで、これは間違いなく最大の欠陥だった。

これを有耶無耶にするというのは、私がその気でなかったとしても傍から見れば「おぼろげながら浮かんできたんです」ムーブにほかならない。導入でどうでもいい話をするくらいなら、そこを削って新基準の妥当性を付しておくのが誠実な態度であったと猛省している。本当にもったいない。

後の祭りだが、一応こういう意図で設定していたという言い訳。

事業者視点に立つのは、事業者なくしては鉄道は存在しえないため。
そのため、事業者が納得する基準を模索するのを一番に設定する。
これまでのJR(国鉄)の輸送密度に対する態度を振り返ってみると、国鉄末期には一度バス転換の基準を輸送密度4000に置いていた時期があった。これは結局無理があるとして実行には移されなかったものの、鉄道事業者の本音として輸送密度4000が出てきたと解釈することができる。
もちろん、当時の債務状況を汲む必要はあるが、それでも人口減少/集中やモータリゼーションが進行した現代で再検討してみる価値はある。

苦しい言い訳

そうは言っても、これは事業者のブラックボックスはそのままに外部で考えた結論に過ぎないので、実際には「とりあえず4000くらいまでどうですか」から基準を模索するもんだと思っている。まあ、この点まで弁論で言及するするのは「流石に勘弁してくれ~」となる(土壇場でここまで出ない)。
さらに言えば、輸送密度だけで基準を設けるって話にも反論が来てたので、時間があればそこにも返したかった(今回はあくまで旅客利用の前提の話なので言及しなかったが、貨物輸送が旅客よりも大きな割合を占めている線区は旅客運賃の代わりに貨物調整金を稼いでいる等、まだなんとかなってる)。

変な声出すな

演技に努力値を振り過ぎました。
とある授業で動画作成をさせられた時には一人で五役くらい吹き込んだものだが、弁論ならせいぜい二人で十分ですね。当たり前過ぎる。

致命的というわけではないが、演技し過ぎて聞き取りづらくなったらまずいので要改善。

そろそろマイクと和解するべき

お恥ずかしい話で、私は大会後のレセプションで「ありがとうございました~」と頭を下げたら見事にマイクに激突しました

前はマイクの電源切ったまま弁論やってたので、進歩したと言えばそうかもしれない。ただ、ここまで来たらジンクスを感じてしまう、嫌すぎるけど。

その後の話

大会直後に国交省が新たに掲げた方針が、かな~り弁論のそれと近くて椅子から落ちた。これ出る前に弁論やっといて命拾いした。
ただ、別にこれが実現されたらローカル線問題解決というわけではないので、今後も情報収集は継続していきたい(ただ気になるだけです)。

正直、ここまで早く進むとは演台でも考えていなかった。
鉄道廃止バス転換がそう簡単ではないというのもそうだし、それ以上に今後は交通インフラに関心が向くようになって欲しい(詳しい人よりも詳しくない人にフォーカスした弁論にしたのも、同じ意図がある)。
公共交通の現代社会への貢献度はデカいのに、キラキラしてないが故に注目されづらいという構図。公共交通あまりにも辛すぎるので、バス運転手不足=東京でも影響のある話題から変わっていくと良いのだが、なんかこれ以上言うと啓蒙くさくなって気持ち悪くなるので終わります。

こうした報道の動きからしてみると、我ながら堅実な分析が出来ていたような気がする。それを解決策の解像度で台無しにしたのも同じ奴だが、過去出場した時には分析すら弱かったので、流石にちょっとは成長したはず。

ただ、成長したのならマイクと和解しているはずなんですよね。

おわり。

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