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なぜ母と息子はバズったのに、私はバズれないのかータイトルから考察ー

母の事を書いたブログを書いたのはもう5年も前のことだ。
「ママ、EU大統領に会ってくるわ!」のブログがバズり、

ほぼ日に特集を組まれ、

文芸春秋からお声がかかり、本を出版した。

今でも、メディアの出演や講演などの案件はよく来る。

一方、息子のことを書いたフェイスブックの記事が去年バズり、多くの方が関心を持ってくれた結果。バズフィードで今年のトレンドランキング10位に入り、

Yahoo!ニューストップの記事になり

今でも取材のお話を定期的に頂く。

私のことをご存じの方はお分かりだろうが、本当に目立ちたいのは、バズりたいのは病的に目立ちたがり屋のこの私なのだ。
なのに、母と息子はバズらせても自分のことはバズらせられない。

なぜ私はバズれないのか。GWに母の企画する香川の手島のイベントに参加し、息子が海でシーグラスを拾っている間スマホの電波も圏外で、暇すぎたのでボーっと考えてみた。

バズるかどうかで重要なのは、まずクリックされるかどうかだから、タイトルがめちゃ大切。
ということでタイトルを軸に考えてみる。

▶「バリキャリのママ、EU大統領に会ってきた」「商業高校1年生、メルカリで海のゴミを売る」だったらどうだったか?

母と息子のストーリーにおいて【起】、つまり「専業主婦だった母」「小学1年生の息子」という始まりが何より重要だった。
※念のため。すごいお母さんの「すごい」は行動の結果としてついた言葉である。

普通のお母さんや普通の小学1年生が物語の主人公だからこそ、親近感を持つことができ、タイトルから多くの人が興味を持った。

【起】で主人公を高く(経験や知識が豊富である。特別である。)に設定すると、落としどころ【結】は低くするか軸をズラすしかなくなる。ギャップがあるからこそ、人はその過程を知りたくなるのだ。

仮にタイトル前半を変えてみる。
母の主人公設定を高くしてみる
「バリバリのワーキングマザーがEUの大統領に会いにいく」
ついでに息子も
「商業高校1年生、メルカリで海のゴミを売る」

どうだろうか。
「ま、そういうこともできるんじゃない?だって経験も知識もあるし」という気持ちになり、興味度合いは少し下がる気がする
入りが「普通」って言うのがすごく大切。

▶「すごいお母さん、ヨーロッパで四国をPR」「小学1年生、メルカリでおもちゃを売る」だったらどうか?

タイトル後半を変えてみる。途中をオチに持ってきてみる。【結】が上記のようなオチでは「努力は必要だろうけど、できなくもなさそうだ」という想定の範囲内で終わり、バズるまでの興味をひけない。

母はヨーロッパで四国をPRし、そこで四国に興味を持ったフランス人の俳人を四国に連れてきてお遍路ツアーを組み、俳句を書いてもらい、それを「あなたに渡したいからあってほしい」とEU大統領(当時の議長)にラブレターを送って、OKをもらい会ってきた、という本来のストーリーからは誰も読めなかった斜め上のオチがあった。

息子はおもちゃを当初は売っていたが、売るものがなくなり、悩んでいた時に偶然、島の漁師さんとおしゃべりしていたらシーグラスの存在を知り、炎天下の中ゴミ拾いがてらひたすら探し、メルカリで調べまくって、アクセサリーが高く売れることを知り、自分で作って売った、という一歩先のオチがあった。

斜め上のオチや一歩先のオチは計算ではつくれず、「偶然や閃き」による。
外に発信する前提ではなく、自分の目的に対して取る行動が「偶然や閃き」に出会わせる。

▶私がバズれない理由は「普通になれない」ことと「バズりたい」という強すぎる想い。

私はタイトル前半の【起】主人公設定で脱落する。普通である自分がコンプレックスで「いかに自分は普通じゃないか」を言いたい。知ってほしい。わかってほしい。「普通ですね」と言われることが私にとって何よりも恐怖で、そういわれないために変わった行動をとっている。
だから「普通のママ」と自分のことを書けない。
しょっぱなから無理。

さらにタイトル後半の【結】も無理。
バズりたいと思ってとった行動や記事では想定外のオチを作ることができない。作っても作為的な感じがして興味を引けない。
「女性経営者、サテライトオフィスを作る」
一ミリも面白くない。

邪念が邪魔すぎる。
が、私のエネルギー源は「目立ちたい」という邪念から生まれるからどうしようもない。
私は3歳から息を吸うように、無意識に自分の注目される立ち位置を探しているのだ。今更変われない。

ということで、私は自分をバズらすことはあきらめて、周囲と事業をバズらすことにする。

不思議と自分を真ん中に置かないと邪念が減り、染み付いた目立ちたがりの能力が上手く発揮され、関わるプロジェクトの約9割がメディアに取り上げてもらえる。

要は「自分の能力は他人のために使え。自分のために使うと錆びて、他人のために使うと輝く」っていうことだな。

暇つぶしには良い考察だった。
めっちゃ寒いから、早く宿に戻ろう。

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