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Backcastingってなんだ?どう使うのだ?何がいいのだ?

どうも。Backcasting LABの編集長 尾崎えり子です。
Backcastingというワード、私は知りませんでした。

ただ、「知らない」ことと「使っていない」ことは別です。

たぶん、無意識で皆さんも使っています。

Backcastingとは未来(ありたい姿)から考える、というものです。

思考法の1つですが、Backcastingというワードを知った今、自分の仕事を振り返ると新規事業の成功において、この考え方重要だったと思います。

**学童事業立ち上げの際に保護者と語った「理想の学童のあるべき姿」**

ある教育関連会社が新規事業として学童を始めることになりました。
私は立ち上げからアドバイザーとして関わらせてもらっており、計画段階で当事者たちを巻き込むことを提案しました。

企業側が「どんな学童を作りたいか」と保護者側が「どんな学童に入りたいか」を合わせるための場を設けて、ワークショップを行いました。

少しズレると「課題」ばかりが出てくる分野ですが、「理想」を語ることでより自由に発想をしてもらい、意見を積極的に出してもらうことができました。

もちろん、実際に事業として「できること」「できないこと」はありますが、これからの学童のあるべき姿を利用者を含めで語ることで大きな方向性はズレることなく進めていくことができました。

軸をブラさず展開したことで、今や千葉に4教室に拡大し、人気の学童に成長しています。事業としても黒字化し、子会社として独立をするに至っています。

2023年になくすためにオープンさせたシェアサテライトオフィスTrist

こちらは自社の新規事業として手掛けたものです。

代表として2023年からメッセージを伝えました。

社会課題解決のために立ち上げた事業です。社会の歪みが原因で成り立っているものなので、この事業が残り続けるということは、その課題が解決していないということになります。
つまり、永遠に通わなければならない整体のようなものです。元の骨の形に戻り正しい姿勢で生活すれば、もう通わなくてもよくなるはずです。

「働き方改革」「女性活躍」「地方創生」のこれだけ波が来ている事業だから、という今を前提に考えるのではなく、未来になくなる事業にするためには、から発想すると戦略は大きく変わります。

その発想が独自のコンセプト、戦略を生み出し、競合との差別化となります。

Tristは小さいながらも事業として黒字化できていますし、唯一無二の成功したビジネスモデルとして視察やメディアから声がかかります。

失敗したプロジェクトの多くは課題から発想したものだった。

当然、起業してすべての事業がうまくいったわけではありません。
むしろ、失敗をした経験の方が多いです。

その場合の多くは、例えば「新規店舗の集客に困っている」という課題がベースでした。

「未来、どうなっていたいのか?」が抜けている状態からスタートし、「尾崎さん、3か月後までに集客を倍にできますか?」というオーダーがきます。

私も必死で目先の目標を達成しようと施策を打つのだが、どこに向かっているのかわからないからその場しのぎにしかならず、結果を出すのに苦労するし、出しても評価されなかったりしました。

課題からスタートし、すでに決まっているミッションを渡され、現場の方とよくわからない状態で動き始めます。

もちろん自分の実力のなさが全てなのですが、このようなプロジェクトで疲弊したので、私は上記のような仕事を受けないことにしました。

社長と現場の方と一緒にビジョンを描き、全員が納得し、合意した状態で動けるプロジェクトが一番効率的で結果が出る。決して、楽ではないけど気持ちよく働ける。
そんなことを失敗から学びました。

未来から考えるとスピードが飛躍的に上がる。

Backcastingは「みんなと新しいものをつくる」のに非常に活用できます。

会社が大きくなればなるほど、上が決めたミッションを担当することになる。「うちの働き方を解決してほしい」か「新しい事業を成功させてほしい」というざっくりしたミッションを引き受け、自分で会社の戦略と照らし合わせ、どの方向で進むべきか忖度し、社内提案を繰り返します。

新しい施策やビジネスを始めるのにスピードが何よりも重要なのに、この時間はもったいなさすぎます。

Backcastingという未来から考える思考法は「誰もわからない未来」を語るので、ロジックを問われることも、制限をかけられることもないため、自由に考えることができます。また課題のすり合わせが必要ないので、様々なタイミングで多様なメンバーを巻き込んですすめられるなど、新規事業開発においてメリットはたくさんありますが、一番は「スピード」ではないでしょうか。

初めに少しだけ時間をかけて、関係者全員がBackcastingの考え方「未来のあるべき姿」をすり合わせたら、そのあとのスピードが飛躍的に上がります。課題は後から後からどんどん出てきて、積みあがっていくので、それについて話し合っていたら前に進めません。あるべき姿は変わらないので、一度すり合わせておけば概ねズレることはありません。

来年の話をすると鬼が笑う、と言いますが、未来の話をすると後で笑えます。

<12月1日オープン!Backcasting Labのサイトはこちらをクリック>









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