見出し画像

お笑い芸人の働き方改革ーエンターテイメント業界のキャリアパスを増やす~

私は去年1年間太田プロダクションのお笑い養成所に通った。
そこで放送作家コースを受講し、テレビの企画を作ったり、脚本を書いたり、キャッチコピーを書いたりしながら、芸人コースも参加し、同期や先生たちの前でフリップ芸を披露したりした。

企画力やプレゼン力を磨きたくて通い始めたのだが、いつしか「芸人さんたちの働き方」に興味が移っていった。

「バイトが忙しくて、ネタができませんでした」と言ってネタ見せをできず、先生に残念がられる受講生達を度々見かけた。
「テレビに出るために」が基本の指導路線だった。
ライブを行う場所が雑居ビルの地下だったりした。

時代も環境も変わっているのに、芸人さんたちの周囲はあまり変わっていないように感じた。

テレビの黄金期からの転換。芸人にも多様なキャリアパスを。

一昔前なら、「貧乏時代からのヒーローストーリー」を語ることが多くの人に夢を与えたし、自分事として語れる人が一定数いたから、「夢」に実現可能性があった。

しかし、そもそもテレビ離れが加速し、広告収入も減少傾向。さらにお笑いの番組が減り、大御所たちの高年齢化でなかなか席が空かない。30歳からチャンスをつかみ、芸を磨けていたテレビゴールデン時代は終わり、このヒーローストーリーを語れる人が非常に少なくなった。

参考:経済産業省は2019年9月9日、「特定サービス産業動態統計調査」の2019年7月分における速報データ。2019年7月の日本全体の広告業全体における売上高は前年同月比でマイナス4.7%となり、減少傾向にあることが分かった。今件記事シリーズで精査対象の広告種類5部門(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・インターネット広告)では雑誌・テレビ・ラジオはマイナス、新聞・インターネット広告はプラスを示した。下げた部門では雑誌が一番下げ幅は大きく、マイナス5.7%を示している

それでも当然、実力のある若手はテレビに出る機会がある。
しかし、ほんの一握りだ。
M-1でトップを取り、テレビに出ることを目指すことを目指すのは自由だ。
しかし、「それしか成功の道がない」「それ以外は本末転倒だ」と言い切ることは危ない。

ビジネスでは、大手に入り、出世争いで社長になることだけが会社員男性の目標であった時代は過ぎ、フリーランスや兼業、起業、セカンドキャリアなど個人の目指すべき「てっぺん」は多様化し始めている。

芸人を目指す人を増やすためにも、今芸人を頑張っている人がよりスキルアップして稼げるようになるために、芸人にも多様なキャリアパスを用意する必要がある。

芸人になりたいわけでもないのに養成所に受け入れてくれたプロダクションや芸人さんたちに自分のビジネスを通して恩返しをしたいと思った。

郊外型シェアオフィスで働きながら芸を磨く「笑(ショウ)オフィス」事業を実験的に開始。

画像1

私が運営している地域密着郊外型シェアオフィスTristで芸人の新しいキャリアパスのための試みを始めた。

平日はシェアオフィスの簡単な管理をしながら、その場所でネタを練習したり、休日にライブをしたり、地域住民を巻き込む企画を実行してもらう。

イメージとしては住みます芸人の「拠点と仕事」がある状態という感じだろうか。

各ステイクホルダーのメリットは簡単に書くと
①芸能プロダクション
新たな市場の開拓。テレビキャスティング以外の収入確保。若手の実践の場を提供。自社のライブ会場を持たず、きれいなオフィスが活用できる。コアなお笑いファン以外の一般的なファンの獲得。入居企業や地域のイベントに対する営業機会の増加。

②芸人
安定した収入。人前で芸を磨く機会。アルバイトをしながら、ファンを増やすことができる。過酷な夜の労働ではないので、ネタ作りを邪魔しない。常勤ではない柔軟な勤務条件。

③オフィス入居企業
芸人の企画に参加する地域の人たちにヒアリングしたり、アンケート取ったり、テストマーケティングができる。普段はなかなか出会わないエンターテイメントと仕事を結びつけることで新しいシナジーが産まれる。

④オフィス運営会社
オフィスの差別化を図る。企業や人を呼ぶコンテンツになる。地域を巻き込む企画ができる。

⑤自治体
地域の方々が集まり、つながることでセーフティネットになる。
地域の問題をエンターテイメント要素で解決できる。

4組の芸人が50人の市民の前でオーディションを開催!

私の養成所同期でこの3月に卒業したばかりの4組が新しい試みにチャレンジをしてくれた。
ネタを見せ、地域を盛り上げる企画を提案。

画像2

圧倒的な票数を取ったのは、流山を回り、企画にきちんと地域情報を入れてきたコンビだった。

画像3

選ばれた2組と10月と11月で様々な企画を実施していく。

その中で、リスクをつぶして、各々のステイクホルダーが想定したメリットを取りに行くことができたら、全国にこの事業を展開する予定だ。

出番をたくさん作れる地域で子ども達にものすごく人気のある芸人としてキャリアを積むのもいいし、入居企業に気に入ってもらって、企業イベントに強いキャリアを積むのもいい。

私がお笑いを学んでいて感じた違和感は「テレビなので広く多くの方に受けることが大切」ということだった。インターネット広告がこれほど飛躍している現代においては、ニッチターゲットで得意分野を持ってもいても仕事が来る時代だ。

特定地域や特定業界で大人気になって、テレビに呼ばれるというキャリアだって今後は十分ありうる。

でも、まず何よりも若手芸人さんに重要なのは「人に見てもらえる場に何度立てるか」失敗してもいいから、その機会をたくさん作りたい。

笑いは人を元気にする。
それは時代が変わっても環境が変わっても絶対変わらないところ。
だから、日本の多くの場所に当たり前のように笑いに触れられる機会を作りたいし、眉間にしわを寄せて考え込んでしまう社会課題こそ、笑いで解決して行きたい!

企画のお知らせ-----------------------------------------

<SNS企画>流山の面白い写真を芸人さんたちに送るとSNSで流山の面白い写真に芸人さんたちが突っ込んでくれるインスタグラム。登録お願いします!

流山の面白い写真を撮ったら、こちらにアップしてください!

芸人さんが選んで突っ込んでくれます!

<イベント企画>

画像4

参加してみたい方はこちらから!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?