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血まみれになるくらいポップ【雑記】

 あんまりにnoteを更新していないので何かを書こうとは思うのだけれど、何を書いてもダメな気がして指が走らなかった。取り敢えず今書きたいな、と思ったことをここにまとめる。

斯くしてアタマ世に出にけり

 2019年5月18日。この日はアタマにとってその歴史を新たなものとする、記念すべき日となった。麻雀カッコイイシリーズで有名なkoedameさんがアタマのルール動画、そして対局動画をアップして戴いて再生回数は3万回over(6月11日現在時点)。実に有難いことだ。殊、「ざっくりとした印象を伝える」という目的において文字媒体は映像に絶対に適わない。動画掲載を経てから「アタマをやってみたい」という声もTwitter上でちらほらと耳にするようになった。

 こう言って貰えるのはありがたいことだが、正味のところは流行ってしまえばなんでもよいのである。そもそも麻雀のルールに誰のもの、なんて考え方はそぐわない。みんなで楽しめて、長く続いていけばそれに越したことはない。それもこれも、koedameさんが五肌も六肌も脱いでくれたお蔭だ。

 GWの出足に突然店に訪れた僕を、koedameさんは暖かく出迎えてくれた。フリー営業終了後からのほんの僅かな間だったのだけれど、それでもアタマの魅力を何とか伝えることができたようで嬉しかった。

 見ず知らずのデブ相手に、koedameさんはどこまでも協力的な姿勢を貫いてくれたものだった。6月9日のアタマイベントでは、僕からの「どうか、アタマの実戦動画を撮ってくれないか」という無茶振りに応えて機材を投入。

 どこまでも頭の下がる思いである。そしてしばらくして、アタマの対局動画は目出度く公開となった。これでまたアタマが広がりを見せるかと思えば期待で胸も膨らもうというものだ。

 何故こうもkoedameさんに対する賛辞を書き連ねたかと言えば、明け透けに「koedameさんに対して感謝しかない」という事実、僕自身の心持ちをしっかりと伝えておきたかったからだ。もしそうもしておかなければこれからの文章をどう誤解されても反論の余地もない。下世話なエクスキューズであるとされればそれまでだが、それでもはっきりと言っておきたい。ありがとうkoedameさん。心から感謝している。しかしだからこそ僕は不安だ。このままでアタマの将来は大丈夫なのだろうか、と。

何色のペニスが生えるのか

 ところで、みなさんは「ぬいぐるみペニスショック」をご存じだろうか。2017年にtwitterで流行した「性的なギャップによって生まれる受け手側の忌避感」を表現した言葉だ。どういった文脈で語られているのか、創語した方の意図はどうだったのか、については以下のまとめに詳しい。

 一読して戴ければお判りになる通り、どこまでいっても恋愛カテに属する話題に過ぎない。アタマのブログでとくに広げるような話ではないし、ここから友人であるフリンジパパのゲス不倫話にシフトしようなんて気もさらさらない。ただ、この「ぬいぐるみペニスショック」という語の反響についてのまとめを読んで僕は複雑な気持ちになった。

  この話に出てくるジェンダーがかった諸問題については僕のキャパシティを超えるので無視するものとする。僕が言いたいのはこの一点、「そもそも元から男にはペニス生えてるやん」ということだ。どれだけポップに、付き合いやすく、ライトにしたところで男は男であってぬいぐるみではない。男側からは当たり前の事であったとしても、受け手の印象としては「突然ペニスがニョキニョキ生えてきた」となる。このまとめは実に有用で、『ポップにまとめられている出来事の、そのポップではない部分が首をもたげると今まで好意的だった相手は急に忌避感を示す』というわかりやすい教訓を的確で露骨な比喩でまとめている。

 随分と回りくどい話の進め方をした。僕が一体何を心配しているかと言えばただ一点。「アタマのペニスは何色に見えるのだろうか」ということに尽きるのだ。

裏腹で恐ろしい

 令和に入って最初の1月、友人のフリンジパパは負けに負けた。

 昨年は離婚芸で世を騒がせた彼だが、今年は負け芸だ。

 「うっわー、結構いかれとんな」というのが素直な感想である。まあまあ凄い額ではあるけれど、月にこれくらい負ける人はそう珍しくもない。本人曰く「サラリーマンが負けていい金額じゃない」とのことだが、まあ負けても平気で生きているし、そんなもんなのだろう。風速も言わずと知れたピン東風の3-6。一座り一回りで4万程度のお気持ちは簡単に爆ぜるレート感だ。ただそんな負けを喰らっても当人は飄々としている。たいしたものだ。

 なんというか、ギャンブルの根底にあるものはある種の覚悟であると僕は思っている。真に必要とされるものは度胸でも無ければ金でもない。いや、勿論支払う金が無ければ話にもならないのだけれど、そこは本当に大事な事ではない。ボンヅラの悪い奴が不快な理由の、その根っ子のところにあるのは「覚悟の無さ」が露呈しているからである。人から奪おうという考えがあるならば、人から奪われることもまた肚に据えておかねばならない。これは言うまでもなく当たり前のことで、この当たり前のところの不覚悟さから湧き出す饐えた匂いがボンヅラの悪い奴から湧き立つのだ。

 今回のイベントで縁があって、koedameさんと度々「アタマの未来について」の話をする。彼の意見としては纏めるならばこうだ。「アタマは、お気持ちが切実に過ぎる。ポップでマイルドにならないと広まってはいかない」と。真っ当なバランス感覚に基づいた、至極もっともな意見だと思う。そりゃあそうだよなあ、とアタマではわかっている。わかっていて、僕の口の端からは「クソ喰らえ」と呟きが漏れる。だってそうだろう、僕が心の底で望んでいるのは「麻雀に宿っている、原始的で野蛮な熱を絶やさないこと」なんだから。

「みんなで楽しいアタマ体験♫」in豊橋

 遙か異郷の地豊橋では、 日本プロ麻雀連盟の、それも静岡支部の、もう一度言うと静岡支部のプロが和気藹々とアタマに興じているらしい。なんと素晴らしいユートピアなのだろう。

*お詫びと訂正

本文中で静岡支部とありますが、確認させていただいた所中部本部に所属されるプロの方でした。ここにお詫び申し上げます。

 なんなら、休日にはアタマのセットがゴリゴリ立つらしい。もはやこの世の出来事とは思えない。アタマの最先端がどうやら豊橋にあるらしい。なんと美しい光景なのだろうか。

 koedame老師曰く、「ハッケヨイさん、金山のアタマはあまりにもお気持ちが動きすぎる。今どきの学生はアツいのもイタいのも苦手なんです。もっとソフトに、ソフトにいかないと」。さすが、豊橋で大盛況のサンマ雀荘「ソフト麻雀Donkey's」の店長を務めるだけのことはある良識ある意見である。ちなみに、Donkey'sの詳しい情報は下の通りだ。

 しかし、僕は悔しい。なんとも悔しい。アタマは「熱と痛みを追求する純粋なサドマゾゲーム」なのだから。個人的な感覚でいくと、お気持ちの動きの5倍くらい熱くて痛い。20000お気持ちポイントを削られると、100000お気持ちポイントを抉り取られるぐらいの激痛が走る。そういう作りだ。それを学生に媚びて痛みを薄めるとは何事であろうか。アタマイカレヘッズのための至高の殺戮SM遊戯が、小児の裸の見せ合いっこに堕するとは如何なものか。はっきり言おう。羨ましくて悔しい

その船の行きつく先

 僕は全日本アタマ連盟という名前を使ってアタマの普及活動をしている。概して「何でそんなバカな事をしているの?」という質問を様々なニュアンスで人から尋ねられるのだけれど、まあそのざっくりとした目的は下のインタビュー記事に詳しい。

 これから先、麻雀から熱と痛みは喪われていく方向にあるのだろうな、と感じている。熱というのは、なんというか熱気というか熱意というかそういう前向きで所謂「競技的」なニュアンスではなくて、ただただ肌を、胸を、全身を焼き焦がすような、判りやすいアツさの事だ。

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