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【TLT債券投資】為替損益分岐点について

2024年株価展望 米国の金融政策の見通し
米国連邦準備理事会(FRB)が2023年12月に2024年から2026年にかけての見通しを発表しました。この見通しは、金融政策の今後の動向と市場を形作る重要な指標となります。この予測によると、インフレ率は徐々に落ち着きを見せ、経済成長率も減速すると見られています。具体的には、2023年のGDP成長率が2.6%から2026年には1.9%へと縮小し、インフレ率は同期間に3.2%から2.0%へと低下する見込みです。
経済成長の減速とともに、高い金利を維持することは景気をさらに抑制し、後退を加速させるリスクがあります。このため、FRBは金利を下げることにより、経済成長を刺激し、不況を避ける方策をとる見通しです。金利の引き下げによる債券価格の上昇が期待でき、TLTが人気となっています。

ただ、日米金利差縮小による円高リスクを考慮する必要があります。

そこで今回は為替損益分岐点についてTLTを例に解説していきます。

為替損益分岐点とは?
投資の初期時点と将来の時点での為替レートの差により、投資が利益または損失に転じるポイントです
円高がどこまで進んだら損になるのかの分岐点となる2024年~2034年で計算してみます

初期投資の円換算額

  • 初期投資額: 7000ドル

  • 初期為替レート: 1ドル = 140円

  • 初期投資の円換算額 = 7000ドル × 140円/ドル = 980,000円


年間利子収入の計算

  • 年間利子(分配金)率: 2.37% 10年平均

  • 年間利子収入(ドル)= 7000ドル × 2.37% = 165.9ドル(毎年)

  • 10年間の累積利子収入のドル換算額

  • 累積利子収入(10年間)= 165.9ドル/年 × 10年 = 1659ドル

  • 最終投資額(ドル)

  • 最終投資額(ドル)= 初期投資額 + 累積利子収入 = 7000ドル + 1659ドル = 8659ドル

為替損益分岐点の計算

2034年の為替損益分岐点を計算するためには、2034年の為替レートがどの程度であれば、最終投資額(8659ドル)が初期の円換算額(980,000円)と等しくなるかを計算します。

  • 為替損益分岐点(1ドル=X円)= 初期の円換算額 ÷ 最終投資額(ドル)

  • X = 980,000円 ÷ 8659ドル

2034年の為替損益分岐点は、約1ドル=113.18円です。

TLT投資が初期の円換算額(980,000円)と等しい価値になる為替レート

10年後 金利2.5%でシミュレーション

債券価格の上昇を考慮に入れて、最終投資額が8840ドルになると仮定した場合、2034年の為替損益分岐点は約1ドル=110.86円です。

私は過度な円高にはなり辛いとは考えていますが、誰にも10年後の為替を予測はできません。様々なリスクを考慮し投資する必要があります


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