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【岩沢幸矢さんのステージで「残り0.1年」の謎が解けた夜】

12/8(木)、江ノ島にあるライブハウス虎丸座で開催された岩沢幸矢さんのステージ「僕がブレバタになるまであと0.9年」にお伺いして来ました。

本公演は、ブレッド&バターの幸矢さんの自伝をベースにした曲と朗読で綴られる音楽劇。

ちなみに前回のタイトルは「僕がブレバタになるまであと1年」。今回削られた残りの0.1年とは果たして何なのか……。今回はその謎を解くためのステージでもありました。

朗読には坪井美香さん、音楽担当は里村Brosのパーカッションの他、キーボードにセンチメンタル・シティ・ロマンスの細井豊さん、ギターは徳武孝音さんとAisaさんのお2人を迎えてのステージでした。

そしてボーカルはもちろん主人公となる岩沢幸矢さん。ステージは2部構成になっていて、1部は生まれ育った茅ヶ崎の思い出。2部はアメリカへ渡米した1年間を綴ったストーリーとなっています。

今回の会場は幸矢さんのホームとなる江ノ島開催ということもあり、幸矢さんの同級生のみなさんや昔馴染みの方が100人近く大集結!

子ども時代のエピソードの中でも地元の名物男のくだりになると、会場からは共感の笑いやざわめきが起こり、地元ならではの熱量が感じられました。

また、ブレバタ作詞・作曲で人気の高い「ピンクシャドウ」では、同じ時代を駆け抜けたみなさんの思いが歓喜の手拍子となって響き渡り、会場中に多幸感が満ち溢れました。ここに足を運んだみなさんが、地元出身の幸矢さんと一緒に同じ瞬間を分かち合える喜びを感じているのがヒシヒシと伝わってきます。

\ これぞ地元ライブ! /

この空気を肌で味わえただけでも、来てよかったと感じることができました。

ステージ本編も前回同様、決してノスタルジックに偏ることなく、今の時代に考えさせられることも多く、世代を超えて胸を打つメッセージが散りばめられています。

幸矢さんのお父さんの口癖「好きなことをして生きるのが、人間の義務だ」という言葉。そして幸矢さんが渡米した1年間のエピソードの最後に出てくる「アメリカは自由の国ではなかった」という言葉。ボブ・ディランの「Like a Rolling Stone」の意味が180度変わった瞬間の話。二度目の鑑賞でも、やはりこれらがグッと心に突き刺さりました。

そして、何といっても今回が今までの公演と大きく違ったのは、ラストに登場したスペシャルゲストの林立夫さんと幸矢さんのトークショー。

幸矢さんが帰国早々にミュージシャンとして活動するきっかけとなった林立夫さんとの出会い。そして、数々のエピソードが目の前のステージで語られました。

中でも印象的だったのは「好きなことをしていると推してもらえる。でも、そこには責任もある」という言葉。この出会いを機にミュージシャンとして踏み出したというエピソードが0.1年にカウントされたことで、今回のタイトルが……

「僕がブレバタになるまであと0.9年」

となったわけです。

また、今回は幸矢さんのパートナーであり、この音楽劇の脚本を担当されたMANNAさんにもお話をうかがうことができました。

「去年から1ステップ登って、今年2回の公演では、作品としてのテーマを発信しようとみんなで話し合いました。テーマは『反戦』です。脚本をはじめ、細部のマイナーチェンジを重ねて今回の集大成に至りました。脚本を書きながら「60年前と世界の問題は変わっていない!」ということに衝撃を受けていたから。でも、声高に『反戦』を訴えたくはなかった。もし、伝わっていたら、嬉しい。共感してくださった方々には感謝です」

エンタメ性を損なうことなく、反戦への思いを込めたメッセージは、足を運んだみなさんに間違いなく伝わったと思います。ステージのラスト、幸矢さんとMANNAさんで歌った「特別な気持ちで(I Just Called Say I Love You)」もとても素敵でしたよ。

江ノ島まで足を運んで初めて解けた「残り0.1年」の謎。今後もシャープペンシルの芯のごとく、0.8、0.5と本公演を見るたびにプラスαが楽しめるステージとして、ブラッシュアップして続けてほしいと思います!

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