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和(いずみ)さんの「橘いずみ」時代のセレクトライブに想いを馳せて。

自分が20代の時。男女の垣根を超えてどうしようもないくらい憧れていたアーティスト。それが「橘いずみ」(現・和[いずみ])さんだった。彼女の生み出した数多くの傑作の中でも、自分の心に斧を振り翳されたかのように突き刺さった2枚のアルバムがある。それが「十字架とコイン」そして「ごらん、あれがオリオン座だよ」。

それまでもヒット曲を連発して大ブレイクを果たしているにもかかわらず、この2枚のアルバムは「まだまだ足りない!もっと!もっと!」と、彼女が自分の才気を持て余し叫びもがいているように聴こえた。

きっとそれは間違いじゃないと思う。「女尾崎豊」とも呼ばれていた彼女。でも、当時もがきながらもずっと生き続けた彼女は、その時点で尾崎を超えていたと思う。もちろん男だろうが女だろうがそんなことはどうでもよく。

そんな中でも女性ならではの感性やイマジネーションに溢れた世界観は、自分の中に無いものとして、こぶしで殴られたかのように心を揺さぶられた。そして、嫉妬と憧れで感情を掻き乱された。

自分が、どれだけ彼女の才気に衝撃を受けたか。思いのままに書き殴ったここまでの文面だけでも伝わるかと思う。

そして、2024年。この2枚のアルバムのセレクトライブが開催された。

気づけば音楽ライターになっていた自分にとって、影響を受けたアーティストは数えきれないほどたくさんいる。大好きな曲や自分にとってかけがえのない音だって数えきれないほど、ある。

それでも、自分の人生と価値観に多大なる影響を与えてくれたのが、今こうして綴っている2枚のアルバムであることは間違いない。

昨日は眠れなかった。そして、当日泣き出さないように前日のうちに改めてこの2枚のアルバムをしっかり聴いておいた。そして今日。自分が覚悟していた以上に心は震え、自身の鼓動を感じながら会場に足を運んだ。あんなに熱量の高い2枚のアルバムのセレクトライブ。どんなことになるのだろうか。

和さんは、いつもと変わらない満面の笑みで軽々しくステージに登場した。そして、あの熱量の高いアルバムの楽曲たちを軽々と歌いこなしてくれた。

さんざん耳にして影響を受けた曲の数々が、目の前で繰り広げられる。知らず知らずのうちに歌詞を口ずさめるほど聴いてきたセットリスト。その1曲1曲を細かく語ることもできる。だけど、そんなことより今改めて、自身が感じた想いが間違いじゃなかったこと。そして、あの時の衝撃が今も変わらないことを改めて実感できた。

久しぶりに足を運んだ和(いずみ)さんのライブは、お風呂が沸いてる家に帰ってきたようにホッとする空間でした。ちょっとの間、離れてしまっていたけど、今日は「ただいま」と言って「おかえり」って言ってもらえました。ありがとう。

「いずみの世界 世界のいずみ」

これって、自分の感性の原点とも言える世界でもあるんだなって感じさせてもらいました。本編ラストの「エール」。そしてアンコールの「君へ」も現在進行形のいずみさんが感じられる素敵な曲でした。

これからも、おんなじ想いでおんなじ時を感じさせてもらいにいきますので、よろしくお願いします!

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