淫夢史資料類
1年前に書いたやつの更新みたいなもの。
2001年07月20日 『Babylon 34 真夏の夜の淫夢 ~the IMP~』発売
2002 - 2005年
2002年10月28日 『週刊現代』に多田野数人氏の記事が掲載される
この時期の扱いとしては、基本的に「スキャンダルを起こした有名人」という形にとどまる。
2ちゃんねるでは野球系の板や芸スポ速報+を主な舞台としてスレを伸ばしつつも、まだ比較的閉じた形のコミュニティであったと言えよう。
TDNという表記自体は2002年当時から存在しつつも、まだまだ流通量が少なく、ネットミームと言えるような十分な広がりを持たなかった。
2006 - 2009年
2005年04月30日 「TDNのガイドライン」スレ
2007年11月19日 多田野数人氏が日本球界に復帰
時期が食い違っている、と感じるかもしれないが、「TDNのガイドライン」スレも2005年内では2スレを消費するにとどまり、本格的な伸びを見せていくのは2006年に入ってからである。
この時期を通じて進行したのが、「ホモビデオの内容」そのものをネタとして消費する、という体制への移行であり、2006年に入り「TDN」というネタは急激に拡散されていくこととなる。
またこの時期は「真夏の夜の淫夢」というよりも、あくまで「TDN」ネタだった頃という点も付け咥えておきたい。
多田野氏が日本球界に復帰した2007年11月、それと同時に「淫夢」のGoogle検索量が急上昇(緑線)したように見えるのだが、これは同月に発売された「KANAGI ~淫夢学園~」の影響によるもの。
そうしたワードを除外していったものが黄線にあたるが、この「淫夢」の流通量が明確に優位となるのは、2011年に入ってからとなる。
ニコニコ動画での展開
ここまでは時系列的に書いてきたが、本稿はあくまで淫夢に関する資料のまとめであり、以下ではニコニコ動画における淫夢動画について、数量的にまとめた資料が並ぶのみである。
まずは前提となる「ニコニコ動画」そのものに関して。
2010年代前半期、スマートフォンの普及を通じたインターネット利用人口の急拡大と歩調を合わせる形で発展を続け、2015-2016年頃にピークを形成。
その後はなんか勢いよく転がり落ちているが、まぁ主題でも無いので割愛。
続いて本題の「淫夢」、まずは動画投稿の総数。
2007年時点ですでにMADが作られていたりもするが、2000年代の投稿本数は削除を考慮しても極めて僅少。
明確に増加を見せていくのは2010年であり、翌2011年には「レスリング」を上回り、「例のアレ」カテゴリ内における最大の集団へと変貌を遂げた。
2010年前半期を通じて順調に投稿本数を伸ばしていき、2016-2017年頃にピークを形成。
近年は若干その勢いを落とし、2019年以降停滞気味に推移する。(長期的に削除が進むものなので直近の数値が多少多いのも均されていく)
付け加えておくと、2019年06月にはカテゴリタグが撤廃され「例のアレ」という分類も無実化、以後は淫夢系のタグ単用が増加傾向にある。
とはいえ正直なところ、単純な投稿本数というのはあまり当てにならない数字でもある。
ネットミームとして成立するためには、どれほどの数が投稿されているかという以上に、何をおいても「十分な人口がそれに触れている」という点が肝要なことと思う。
そのため以下では「10,000再生」を下限とし、動画数がどのように推移してきたかを見ていきたい。
2000年代はまだ中心を2ちゃんねるに持ち、動画コンテンツとして十分な広がりを持ちえなかった段階。
2010年代前半期を通じて高度成長を実現し、2016-2017年頃に最盛期に達する。
しかし2018年から2020年にかけ、急にその存在感を急落させていく。
いわゆる「スマホ規制」の時代であり、運営による排除が最も効果的な形で進行したと言えようか。
だがその後2021年には、スマホアプリでも規制作品の視聴が可能となり一転攻勢。
ニコニコ動画全体が沈下していく中にあっては、比較的数字が取れるジャンルとして相対的に浮上中。
2023年に関してはあまりよいとは言い難い状況にあり、おそらくは転載動画群がその他ランキングの大部分を占拠していたことがその理由だろう。
重要な視聴導線の1つが潰れた形となっており、フォロワー基盤の弱い投稿者・新規参入者ほどその影響は大きいものと推測される。
続いては主要なジャンルに関してであり、長らく頭一つ抜けた存在であったのが「淫夢実況」である。
2015年から2021年までと長期間にわたり、5割前後を占めるなど突出していた。
ついでに載せている「biim兄貴」系動画群に関しては、淫夢系タグが入っていたりいなかったりなのだが、極めて大きな人気を形成し、淫夢語録を広く拡散した、という意味で外すことが出来ない存在と言えよう。
なんか知らんけど楽しげに言葉を交わす変なあんちゃん達、言わばゲートウェイ淫夢として、緩いからこそより広い人口基盤を提供した、そういう存在と捉えている。
ただ2022年からは減退が目立っており、総量的なもののみならず、淫夢系動画ジャンル内での割合に関しても短期間で下落傾向のようだ。
続いて淫夢実況以外の主要なタグ等について。
これら以外でも量が多いものはあるのだが、出来るだけ被りが生じにくいことを意図した。
たとえば「ホラー淫夢」「バトル淫夢」は多く「淫夢実況」「BB先輩劇場」に包含されるものとして、「ひとくち淫夢」なども再生時間の長短に関する区分として扱っていない。
最も先行した、初期に行くほどそれ自体の消費がメインコンテンツとも言えたのが「淫夢本編リンク」であり、2013年にピークを持つ。
続いて初期ほど大きな存在感を持つものとして、別に淫夢に限ったものでは無いが、ニコ動初期からの主要部門の一角とも言うべき「音MAD」である。
こちらは概ね2016年にピークを形成、多少の波はあるものの、大きく崩れることも無く緩やかに漸減といったところだろうか。
続いては「BB」であり、ジャンルを問わず淫夢動画制作における基盤となっている技術とも言えようか。
概ね2013年から2017年頃にかけてピークを形成、ただ扱うものの性質上スマホ規制が最も致命的に作用した分野でもある。
このタグに限っては「先輩」、野獣先輩の名称が使用されており、2010年代という時代を端的に物語っているように感じられる。
2021年に回復は見せつつも、元々特に動画制作コストが大きいものでもあり、今後もそうそう増加とはならないだろう。
続いては「本編改造淫夢」……なのだが、タグとして必ずしも用いられてこなかった、というのが正直なところであり、年ごとの差が大きい。
2023年に関しては「アナアサ」効果が大きかったこともあり、純粋に増加したと考えてよいのではないか。
最後に「AI淫夢」に関して、実際のところ「AI拓也」の方が使用規模が大きく、半ば独立した存在と感じられる。
近年において特に再生数を得ているジャンルである……、がまぁ時間的に浅いこともあり何か放言するのは避ける。
若干扱いに困るのが、某東方動画やそのMAD関係について。
半ば以上独立的な存在ではある一方で、純素人声優作品であっても「真夏の夜の淫夢」タグが付けられる、というのもよくあることだ。
概ね2014年から2018年頃にかけてピークを形成、直近だともうなんか限界っぽい感じが。
割合を見てなんとなくで語ると、
2010-2013年:ホモのおもちゃ
2014-2018年:十分な人口を確保し独自界隈色を強める
2021年以降:単独での維持が厳しい
積極的な淫ク☆化を推し進めることで視聴人口を調達
みたいな感じなんじゃない。(適当)
Youtubeでの展開……?
Google検索量の推移を見て困惑したのが、今年に入って「淫夢」検索量が何故か増加し続けているという点。
Googleトレンドで調べていく限り、何か「淫夢」を含んだ商品が出たとか、「淫夢」+「○○」のような検索が増えた、というわけではないようである。
淫夢Wikiを頼ると、
ということらしい。
Googleトレンドで「Youtube検索」の量に目を向けると、
概ね2月半ば頃からだろうか、「野獣先輩」検索量が持続的な増加に転じているようであった。
時期と使用語句に捩れがあり、原因をこれ単独に帰することは出来ないものの、何かしらYoutube発の野獣先輩ブームが生じ、それが「淫夢」検索量を大幅に押し上げつつある、といった流れだろうか?
正直2023年の状況を整理していた時点だと、淫夢の先行きは暗いものに見えていたのであるが、これもうわかんねえな。
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