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淫夢史資料類 - タグ検索量

 工作の存在、広告による再生数増の存在。
 web小説に軸足を置いていた身からすると、活動している人間の規模、飛び交う金の額など、まるで比較にならない。
 だからこそ、そうした影響を排除した、人気の指標となる物差しが欲しい。


1.ASCII - ニコ動人気タグトレンド

 僅か3ヶ月ではあるが、検索規模の大きかったタグを把握可能。

 タグ「真夏の夜の淫夢」はいずれも月間平均5位。


2.ニコニコ解析 - 2015年度~

 2023年04月24日にサービス終了。
 こちらは日間値であるので、ブレが大きいだろう点に注意。

2015年07月09日 16:00 ~ 2015年07月10日 16:00
広告pt 3.6%

2015年10月08日 11:00 ~ 2015年10月09日 11:00
広告pt 6.6%

 このあたりから「biim兄貴リスペクト」の検索量が急激に増加を見せていく。
 それ以前も「ゆっくり実況プレイ」として検索されていたのだろうが、独立したタグとしての利用が活発化し、機能するようになったのだろう。

2016年01月14日 08:00 ~ 2016年01月15日 08:00
広告pt 6.1%

2016年04月15日 01:00 ~ 2016年04月16日 01:00
広告pt 5.4%

2016年07月14日 05:00 ~ 2016年07月15日 05:00
広告pt 14%


2016年10月24日 14:00 ~ 2016年10月25日 14:00
広告pt 16.1%

3.ニコニコ解析 - 2017年度~

 ニコニコ動画のプレミアム会員数は2016年にピークを迎え、2017年に入って以降右肩下がりで推移。

2017年04月06日 09:00 ~ 2017年04月07日 09:00
広告pt 8.6%

2017年07月20日 21:00 ~ 2017年07月21日 21:00
広告pt 18%

 ここでタグ検索の利用規模が唐突に跳ね上がっている。
 ユーザー行動の変化と言うよりかは、仕様面で何かあったのだろう。

2017年10月13日 04:00 ~ 2017年10月14日 04:00
広告pt 18%

2018年01月14日 07:00 ~ 2018年01月15日 07:00
広告pt 20.5%

 この時期起きた大きな変化が、ランキングに占める広告ptの割合が極端に跳ね上がったという点。

01月15日 ← → 04月27日

 KADOKAWAの2018年03月期通期決算では、「プレミアム会員数に依存しない収益要素を強化」として「都度課金他」を大幅に押し上げ、前年度比+51%の増収予想としていた。
 結果に関しては触れない。

2018年04月26日 16:00 ~ 2018年04月27日 16:00
広告pt 70.5%

2018年07月20日 01:00 ~ 2018年07月21日 01:00
広告pt 60%

2018年10月29日 09:00 ~ 2018年10月30日 09:00
広告pt 72.2%

 ニコニコ解析はこの頃ほぼ機能停止状態。

2019年04月22日 06:00 ~ 2019年04月23日 06:00
広告pt 58.8%

2019年10月29日 04:00 ~ 2019年10月30日 04:00

 ポイント計算が変更され、広告が直接ランキングに影響することは無くなった。
 カテゴリタグ廃止に伴って「例のアレ」が一応出てはきたものの、「真夏の夜の淫夢」「biim兄貴リスペクト」「淫夢実況シリーズ」といった、かつて有力だったタグも10位圏外へ。
 淫夢はスマホ規制によって数字が取れないジャンルとなった、というのも強く作用したのだろう。
 しばらくは「バーチャルYouTuber」が最も人を集めるジャンルに。


4.ニコニコ解析 - 2020年度~

 運営を再開。


2020年08月03日 09:00 ~ 2020年08月04日 09:00

2021年01月16日 09:00 ~ 2021年01月17日 09:00

 2021年初頭にはついに「例のアレ」が、タグ検索上位陣から姿を消した。

2021年04月12日 03:00 ~ 2021年04月13日 03:00

2021年07月06日 17:00 ~ 2021年07月07日 17:00

 徐々にバーチャルYouTuberの後退が目立つようになり、ゲーム実況への回帰が進む。
 2021年04月13日にはアプリでスマホ規制を回避できるようになったためか、この頃から急速に「例のアレ」「真夏の夜の淫夢」が復権していく。

2021年10月21日 10:00 ~ 2021年10月22日 10:00

2022年01月20日 20:00 ~ 2022年01月21日 20:00

2022年03月31日 10:00 ~ 2022年04月01日 10:00

2022年07月05日 19:00 ~ 2022年07月06日 19:00

2022年10月06日 11:00 ~ 2022年10月07日 11:00

2023年01月26日 17:00 ~ 2023年01月27日 17:00

 2023年初頭にはいよいよバーチャルYouTuber関連タグが10位圏内から消失。

2023年04月06日 19:00 ~ 2023年04月07日 19:00


まとめ

 ニコニコ動画内での「淫夢」の地位の変遷として、納得のいくものが得られた。

① 2015~2017年度頃
 ニコニコ動画内で最も検索需要の大きいジャンルの一角
② 2018~2020年度頃
 スマホ規制によって検索結果からコンテンツの大半が消滅
 この致命的なエラーの中で大きく後退
③ 2021年度~
 スマホ規制を回避する手段の登場で再展開が進む

 前話で見たものと大きく変わらないが、異なるアプローチからの補強にはなっただろう。
 長期にわたって確たる検索需要が存在していたのが見て取れ、工作で得た偽りの数字、という傾向は薄いものと認識している。
 ただ重ねて言う形になるが、淫夢系の再浮上に関してはニコニコ動画そのものが急速に落ち込む中で、相対的に上がってきたという面が大きい。

 動画投稿規模こそ2019年度を底として若干の回復基調を見せつつも、視聴人口的にはいいとこ横ばいと見られる。


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