ジル・ドゥルーズ (シリーズ現代思想ガイドブック)
『現代思想ガイドブック ジル・ドゥルーズ』を読み終わった。ボードリヤールが切れ味の鋭いナイフだとすれば、ドゥルーズはハンマー的な鈍器というか、のこぎり的な摩擦作用の大きいアイテムであったように思う。個々の論説の印象はそれほど鋭くないが幹に響いてくるような、気がつけば切り倒されてしまいそうな感覚だ。
総合としてはそんな刺激を感じながら読んだ。しかし、文学評論の下りはやや茫洋として読んだ。訳者あとがきに「ドゥルーズの文学批評的な評価はまだ十分に反映されていない」と記されてい