闇営業問題と嘘のコスパ

芸人さんが闇営業で反社会的勢力の組織からお金をもらっていた問題が炎上していますが、この問題は他人事ではないと思ったので問題を整理しておきます。

そもそも今回の問題点は闇営業ではありません。闇営業というワードがキャッチーなのでどのメディアでも使われていますが、闇営業とは事務所を通さない直営業のことです。サラリーマンでいうと副業みたいなもんです。芸人として食べていけるのはごく一部なのでほとんどの芸人さんは本業以外の収入がないと生きていけません。

今回の問題は反社会的勢力から金銭をもらったことです。常識的に考えて一流芸能人が反社会的組織とわかって営業するなんてことはありえません。なので悪意があったとは世間の人も思わないはずです。だから正直にそれを伝えれば良かったのですが、金銭をもらっていないと嘘をついてしまいました。ここが今回の最も重大な問題ですね。

ミスを嘘で隠そうとしたわけです。

でも、これって他人事じゃないと思います。だって、みんなミスをしたら正直に伝えた方がいいことは知っているにもかかわらず、嘘をついてしまうからです。嘘は自分を守るための人間の本能なのですね。

仕事中にサボったことを報告しますか?
申請理由に嘘をついていませんか?
約束を忘れただけなのに別のいいわけをしていませんか?
寝坊を体調不良のせいにしていませんか?
交通ルールを正確に守っていますか?
人の悪口を言っていませんか?
浮気をしていませんか?

などなど、キリがありませんが、どんな人間にもミスはあるのです。だからミスをゼロにすることは不可能だと考えた方がいい。

嘘は人間の本能なので、自分でコントロールするのは難しいです。しかし、ミスの100%の証拠を提示された状態であれば、嘘をつくことはありません。その時は認めるしか選択肢がないのです。つまり、嘘をつくのはバレない可能性がある時なのですね。

心理学では損失回避の法則というものがあるのですが、人間は「得をする」よりも「損をしたくない」と考えてしまうのです。株で損失が出た場合、早い段階で損切りをすれば損失は少なくて済むのですが、心理的に損失を確定できないのです。それによって損失がさらに拡大してしまいます。

最初のミスで謝罪しておけば小さな損失で済んだのに、嘘をつくことでさらに損失を拡大してしまうのですね。

昔は嘘がバレにくかったので嘘をつく方がコスパが良かったのですが、今は全国民が証拠をキャッチできるようになりました。だから、バレる可能性の方が高いのです。

結論、今の時代において嘘のコスパは悪いので正直に生きよう。


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