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ニンジャ・フィッシング・ア・ニンジャ(ニンジャソン夏)

ニンジャ・フィッシング・ア・ニンジャ

いつもなら眩しく輝く太陽が反射し海面が白く光を放つ。
カモメが旋回しゲーゲーと鳴く,,,だが今日は生憎の大雨、大きな雨粒が海面を穿ち暴風吹き荒れるここオキナワ海には現在夏のトルネードが接近していた。

それでも尚青く澄んだ海中にはケミカル色の強い色とりどりの美しい魚がトルネードなどないかのように穏やかに泳いでいた。
死滅した珊瑚それに張り付くバイオイソギンチャクの群れの中をとても大きな影が泳ぎ横切った。

海面から背ビレをだし泳ぐ姿はまさにサメである、しかしこのサメの大きな口にはメンポがつけられているではないか!

サメ、、彼の名はシャークネード大きさ25フィートの巨体、大きく発達した特徴的な胸ビレ、口と一体化したメンポ。

シャークネードはヨロシサンによって作られた。対水中用バイオニンジャであり、この近辺の船やリゾート客を襲い戦闘データを集めつつ、自分の虐殺欲を満たしていた。

いつもならばこの時間はこの場所に高波を求め
サーファーが現れる時間であるが、普段の高波に加えこの天候により生み出される波は殺人級、誰も寄り付かないはずであった。

しかしシャークネードのニンジャ視力はとらえていた。その殺人級高波に挑み沖に向かってくるサーファーが一人いることに。

(ほほぅ、この天候の中サーフィンをする非ニンジャの馬鹿がいるとは、、、死にたがりめ)

シャークネードは大きな口でニヤリと笑うと高速で泳ぎサーファーへ接近を始める!メンポが開きそこから恐ろしく鋭い牙がギラリと光った。

(光栄に思え。死にたいなら私が直々に殺してやろう!イヤーッ!)

まるで魚雷めいて突き進む大きな魚影!シャークネードのヤスリめいた鮫肌に触れたケミカル魚が体を削りとられる!

シャークネードはその命知らずなサーファーを視認した。雨に濡れた赤黒いニンジャ装束、暴風になびくマフラー、そしてメンポには威圧的な忍殺の文字

死神はシャークネードと殺意がぶつかった瞬間サーフボードの上で荒波をのりこなしながら両手を合わせた。

「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」

「!?ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。シャークネードです、なぜ貴様がここに!!」

飛沫を上げて巨大な影が海面から飛びだし空中で異常発達した胸ビレを合わせながらシャークネードはアイサツをした。

「イヤーッ!」

ニンジャスレイヤーは質問のお返しと言わんばかりにスリケンを三枚投てき!
雨粒を切り裂きながらシャークネードへ接近!

「イヤーッ!」

シャークネードは胸ビレで三枚のスリケンを弾く!splash!
大きな飛沫を上げ海中へと戻るシャークネード!

(なぜネオサイタマの死神がここに?!,,,だがここは海、フーリンカザンは私に味方している、このまま奴を殺してグワーッ!?)

シャークネードは突然痛み襲われた。
背ビレにはフックが刺さり引っ掛かっているではないか!着水の瞬間ニンジャスレイヤーはフックロープを投てき、シャークネードをとらえていたのだ!タツジン!

「逃がさぬぞ」

「ええい!小癪な!」

ニンジャスレイヤーは殺意のこもった目を向けながらロープをしっかりと握り、ジュー・ジュツを構える。
シャークネードは右へ左へ暴れながら泳ぐ!ニンジャスレイヤーはまるでウォータースキーめいてバランスをとりながら水面を滑る。殺人級の荒波と豪雨、暴風を受けながらも振り落とされる気配はなし。タツジン!なんたるニンジャ平衡感覚か!

(振り落とされぬか!ならば。イヤーッ!)

シャークネードは90度転回するとsplash!海面からニンジャスレイヤーめがけて飛びかかる!

「イヤーッ!」

ニンジャスレイヤーはサーフボードの上でバランスを崩さぬようにブレーサーをあて受け流す!

「ヌゥ!」しかし、巨体から生み出されるパワーとシャークネードの荒々しい鮫肌により右手のブレーサーが火花を上げて吹き飛ぶ!

splash!雨粒が穿つ何倍も大きな飛沫を上げて
シャークネードは海中へ!サーフボードが激しく揺れる!

「イヤーッ!」シャークネードが再び海面から飛びだしニンジャスレイヤーを喰らいにかかる。
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは撃墜用スリケンを回転投てき!

「イヤーッ!」シャークネードは空中で回転。硬い鮫肌によってスリケンは弾かれる。

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは回転を止めずサーフボードの真ん中で迫るシャークネードに対して回し蹴りを放つ。

「イヤーッ!」シャークネードの胸ビレチョップとニンジャスレイヤーの回し蹴りがかち合う。「ヌゥ!」かち合った足がシャークネードの鮫肌に削られ血が滲む、シャークネードは後ろに少し吹き飛びながらまた海中へ!

「イヤーッ!」

splash!ナムサン!すぐシャークネードがニンジャスレイヤーに飛びかかる!シャークネードはニンジャスレイヤーがサーフボードの上でバランスを崩しかけた事を見逃しはしなかったのだ!

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはまたしてもブレーサーで巨体を受け流す。左手のブレーサーが火花を散らし吹き飛ぶ!

「イヤーッ!」シャークネードは海中に戻った瞬間即座にニンジャスレイヤーに飛びかかる!
「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはまたしても受け流す。しかしシャークネードの鮫肌により強く接触した場所の装束と皮膚が削りとられる。
体制を整えさせぬつもりである!

(このまま連続で攻撃を繰り返し、ニンジャスレイヤーを海に落とす。耐えるなら削りきってくれるわ!)

「イヤーッ!」「イヤーッ!」splash!「イヤーッ!」「イヤーッ!」splash!「イヤーッ!」「イヤーッ!」splash!「イヤーッ!」「イヤーッ!」splash!「イヤーッ!」「イヤーッ!」splash!

ナムサン!フーリンカザンを生かした連続攻撃でニンジャスレイヤーのニンジャ装束と肉体が少しずつ削られ血滲む。

(((グググ……ブザマなりフジキドよ……お主のその幼稚なカラテではこのサンシタニンジャを殺す事すら叶わぬ)))

ニンジャスレイヤーの中で邪悪な声がこだまする。

(((あやつについておるのはサメニンジャ・クランのニンジャ。自らあやつのフーリンカザンに飛び込みその幼稚なカラテ……誠にブザマなり。)))

(黙れ、ナラク)

(((儂に身体をあずけよ。さすれば此奴ごとき、シャチ・ニンジャの時のように退治してくれようぞ)))

(ナラク!オヌシに身体は渡さぬ!黙っていろ!)

(((グググ,,,,ならば精々足掻くがいい、、、グググ,,,,)))

ナラクは不吉に笑いながらニューロンに沈んでいく。
splash!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはまたシャークネードの攻撃をいなす!しかしニンジャスレイヤーの腕からは煙が上がり、少なくない量の血が出ていた。

(奴はサーフボードの上のみ、対して俺は海ならば何処からでも攻撃可能。勝てる勝てるぞ!,,,,この勝負もらった!)

シャークネードは一瞬勢いをつけてから再びニンジャスレイヤーに襲いかかる。
ナムサン!このままニンジャスレイヤーはサメ映画の餌役めいて残酷な死を迎えてしまうのか!

ニンジャスレイヤーが後ろに倒れる限界か?
いやちがう。これは!

「イヤーッ!」

「グワーッ!?」

ブリッジ回避!ニンジャスレイヤーは迫るシャークネードに対しブリッジ回避!その後流れるようにメイアルーアジコンパッソを放ったのだ!ゴウランガ!

シャークネードはくの字になり吹き飛び、水中へ戻される!ニンジャスレイヤーはサーフボードの上で再びバランスを立て直しジュー・ジュツを構えフックロープをしっかりと握りなおす。

(なんという奴だ,,,,この天候の中サーフボードの上であのワザマエ!,,,,ならばサーフボードを奪ってしまえば良いこと!イヤーッ!)

シャークネードが潜りニンジャスレイヤーに接触!真下からメンポ一体型の口を開けながら襲いかかる!

「イヤーッ!」

「グワーッ!」

しかし、シャークネードが喰らったのはサーフボードのみ!
ニンジャスレイヤーはサーフボードが砕かれる瞬間小さく跳躍、そしてシャークネードの鼻頭を強く蹴り更に跳躍していた!

ニンジャスレイヤーはそのまま近くにあった防波堤の先に華麗に着地する。そうニンジャスレイヤーは攻撃を耐えながら少しずつ少しずつこの防波堤へとシャークネードを誘導していたのだ。ゴウランガ!

「グワーッ!?グワーッ!?」

シャークネードは鼻頭の衝撃により方向感覚がめちゃくちゃになり暴れている。死滅した珊瑚が無惨に破壊される!

「イヤーッ!」

ニンジャスレイヤーは雨で滑る足にロープをつかむ指に力を入れる、上半身に縄のような筋肉が盛り上がり、シャークネードが徐々にニンジャスレイヤーの方へ引き寄せられていく。

(グワーッ!?何が!何が起こっている!グワーッ!?)

「ヌゥゥゥゥ!,,,,」

ニンジャスレイヤーは右へ左へ暴れるロープを巧みに動かしながらシャークネードを引き寄せて行く。

「イヤーッ!!!!」

「グワーッ!」

splash!防波堤に豪雨と荒波がぶつかり水飛沫が高く上がったと同時に25フィートの巨体も海中から引っ張りだされ空中に飛びだした!

「ニンジャ殺すべし!イイイヤアアーッ!」

ゴウランガ!ニンジャスレイヤーは更に釣り上げたシャークネードをそのまま防波堤の地面に!
まるでバイオカツオの一本釣りめいて頭から叩きつけた!

「グワーッ!サヨナラ!」

シャークネードの頭が粉砕、爆発四散!大量の血が辺り一面を染めた!

ニンジャスレイヤーはフックロープを回収するとザンシンしながら歩き始める、暴風、豪雨と荒波の飛沫が受けた傷に染みるのを感じながら。

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「ドーモ、ハガ=サン。早いですね何してるんですか?」

「あ、ミヤシロ=サン、ドーモ。」

UNIXコンピュータの前に座っていたハガが回転椅子を回しミヤシロの方を向く。

「昨日のトルネードの影響で防波堤の監視カメラがダメになってないか、確認してました。」

「アー、、、なるほど今日は晴れてますからね」

外は昨日のトルネードが嘘のようにギラギラと太陽が輝き、穏やかな波と共に潮風がふき、カモメがゲーゲーと鳴きながら旋回している。
しかし水面に浮かぶ
「ここで泳ぐと非常にアブナイ」とかかれ無惨に折れた看板や浮いているゴミの数々が昨日の名残を見せていた。

「所で監視カメラ大丈夫だったんですか?」

「いや、やっぱりダメみたいですねぇ、、、」

ハガはカメラの映像を回しているがずっとノイズが走っているだけである。
「まぁ、昨日のトルネードなら何も映ってないと思い,,,,アイエ!?」

「アイエ!?どうしたんですかハガ=サン?」
ハガが突然椅子から転げ落ちる、ミヤシロがハガに駆け寄る。その時ミヤシロは監視カメラに映り一時停止された画面を見た。

少しのノイズと共にそこには荒波にさらされながら巨大な魚影を吊り上げる人影が映っていた。

ニンジャ・フィッシング・ア・ニンジャ終わり

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