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【雑記】DH否定派の方が肩身が狭い思いをしている【野球】

先日、日本プロ野球12球団の監督による 監督会議 が行われました。ベンチへのタブレット端末の使用許可や交流戦の春秋開幕など、様々な意見が各監督から飛び出しました。その中の一つに、岡田監督がセ・リーグのDH制導入大反対という話がありました。

この話題が上がるたびに、セ・リーグへのDH導入の是非がSNS上で議論されています。私はカープファンで、今見ている野球が好きなのでどちらかというと岡田監督と同じ意見ですが、SNS上ではどちらかというとDH導入派が多いです。

どちらかというとDH反対派は感情論で語っていて、DH導入派は理論的な理由で語っているみたいな風潮があります。↓のツイートのように、メリットと趣で語っている印象ももたれているみたいです。

そんなこと言われると、DH反対派の方は肩身が狭く感じますよね。私も感じます。なのでこのnoteでは、私がDHを反対する理由について書き残したいと思います。


1. プロ野球は興行スポーツなので、見る面白さは大事

いきなり趣ですいません。
でも、岡田監督がDHを反対する理由として采配の奥深さを語っているように、プロ野球の戦略性としては9番に投手がいることが面白さを増している気がするんですよね。プロ野球を見る時に脳内で采配している人にとっては、明らかにDHなしの方が面白いと思います。

例えば、6回表 2アウト ランナー3塁のピンチで相手チームが8番の野手に打順が回ってきたとき、どんなことを考えますか?

パ・リーグの場合は、8番打者と9番打者によっぽどの力の差がなければそのまま打たせると思います。

セ・リーグの場合、もちろん敬遠するか否かを考えるんですが、その過程で色々なことを考えます。
例えば相手チームの先発投手の調子を考えます。それまでの球数、失点数、イニングが増すにつれて失投が増えていないか、つまり投手を代えるタイミングか否かを考慮します。
先発投手がまだまだ投げれそうだった場合、それでも敬遠するか否かは迷います。9番投手で終わることによりチャンスからは逃れるかもしれませんが、次の回は1番打者から始まります。1アウトの状態で先頭打者を迎えるのとそうじゃないのとでは、失点確率は変わります。
先発投手を代えるタイミングだとしても、相手チームの控えがこのタイミングで代打の切り札をきってくるか、その上でその代打も敬遠するか・・・
など、色々なことを考えます。

高校野球でもDHはないですが、高校球児は投手でもそこそこ打つ選手はいます。プロ野球の投手の打率はほとんど1割台で、この駆け引きを楽しめるのもプロ野球ならではだと思います。

バッティングのいい投手の打席を楽しめる、というのもよく言われてますよね。

違法アップロードなので引用しませんが、パ・リーグの投手のバッティング動画は100万回再生を超えているものも多いです。DH導入の議論になったとき、これを見ているファンはどこに消えるのでしょうか…というくらい導入派の声が大きいですが。

DHありの野球にもDHありなりの采配の面白さもあるかもしれませんが、例えば1番から9番まで強打者が並ぶオールスターの試合は、私はそこまで面白く感じません。WBCもDH制ですが、日本代表だから盛り上がりますけど試合自体は淡々と進んで気がついたら終わっている気がします。

見る面白さに関しては完全に感情論ですので、次からはDHを導入するメリットの反論について語っていきます。


2. 野手の出場機会について

セ・リーグへのDH導入の議論が大きくされるようになったのは、原 元監督の提言からだと思います。

この提言は巨人がソフトバンクに日本シリーズで4連敗したときに出たもので、パ・リーグとの戦力差をなくすための提案でした。

DH制のメリットとして、戦力増強ないし育成の部分がよくあげられます。上の記事に書かれている文を引用すると、

DH制のメリットは多い。野手の出場機会増加による打者育成、ベテランの活用と世代交代の円滑化、外国人選手起用の選択肢拡大。原監督が「投手は投手で専念できる」と分析したように、野手9人と対戦することでレベルアップにつながる。NPBでも過去に話し合われた議題だ。

などのメリットがあります。ここに書かれている、野手の出場機会増加による打者育成 ですが、本当にDH導入によって野手の出場機会は増えますでしょうか?

プロ野球では、レギュラークラスの選手がいればある程度打順とスタメンが固定されていきます。DHがあれば、DHに入る選手も同じ選手になっていくでしょう。そうなったとき、スタメンではない選手が打席に立てるのはいつでしょうか? レギュラーの選手が不調なときか、守備固めで出場して打席がまわってくるか、レギュラー選手と対戦投手の相性が悪いとか・・・

極端な例ですが、昨年の日本シリーズ最終戦はDHありで、スタメン以外で試合に出場した野手は糸原選手1人です。

https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2021014380/stats  より

一方、甲子園で行われた日本シリーズ第5戦、DHなしの試合の出場成績がこちらです。

https://baseball.yahoo.co.jp/npb/game/2021014377/stats  より

投手を除いて数えると、オリックスは控えが3人、阪神は控えが4人出場しています。投手の打席があるだけで、その代打として野手の出場機会は増えます。投手交代のタイミングで守備交代や代走出場の連鎖が発生することもあるので、代打以外の出場機会も増えています。ここで紹介しているのは一例ですが、日本シリーズの他の試合でもDHなしの試合の方が出場できる野手は多いです。

そして、この出場機会の差によって野手が育つかどうかですが、これは対戦投手が違うので同じモノサシでは測れません。ですが近年のパ・リーグの方が打底に感じますし、昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップのスタメンはセ・リーグが多めでした。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202311180001810.html  より

野手の育成に関しては、DH導入による効果は本当にあるのでしょうか?レギュラーの成績が落ちるか怪我しないとアピールすらできないように感じます。

ちなみにDH導入による投手の負担減少に関しては、こちらは正直効果があると思います。それでパ・リーグが打底になっているのでしょうし。あとは球場の差もありますけどね。

でも、DH導入派の人達には、反対派が決して感情論でDH導入を反対しているわけではなく、野手の出場機会も考えた上だとわかってほしいです。


3. MLBが導入してるからなんやねん

ここからは口悪くなります。
DH導入の議論になると、覚えたての言葉みたいに
メジャーリーグも両リーグDHになったから!DHやってないのセ・リーグだけだから!」と連呼する人がいますが、メジャーリーグがやってるからなんやねん。なんでMLBがやってること全部マネせなあかんねん。

もちろん、リクエスト制度コリジョンルールなど、MLBから導入してよかったルールはありますが、何から何までMLBのルールを導入しなくてもいいじゃないですか。国内では人気が低迷しているので、試合時間削減のためにピッチクロックやワンポイント禁止などのルールもできました。そんなルール、国内スポーツで一番人気を維持しているNPBにも投入されてほしいですか?(30秒ルールは徹底されますが・・・)

そもそもこの意見を言う人達は、もともとMLBの試合を楽しんで見ているかが気になります。もちろん日本国内にも本当にMLBファンの方もいますが、MLBファンならわざわざセ・リーグのDHなしに苦言を呈さないと思います。NPBファンが韓国や台湾のプロリーグに苦言を呈さないのと同じで。

なので自分が見ていないMLBをわざわざ引き合いに出してセ・リーグに対しDH導入の意見を言っている気がします。そっちの方が感情論じゃないですか?



以上、DH導入に反対する理由、というよりは現状維持を推す理由です。
おそらくSNS上では、DH導入を反対すると老害みたいな扱いされて肩身が狭い人達も多いと思うので、このnoteを読んで心を安らかにしていただけると幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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