タピオカは出ません!?「タピオカLT」を開催しました!
2019年8月5日、弁護士ドットコムの会場提供で「タピオカLT(初LT歓迎)」というイベントを開催しました。
タピオカLTとは?
なんとなく、Webをテーマに、ゆるっとふわっとした楽しいLT(Lightning Talk)をする、という趣旨のイベントです。「タピオカLT」という名前ですが、物議を醸したのは、connpassの募集ページにある以下のような注意書き。
※タピオカは出ません。欲しい方はお持ち込みください。
「なんでやねん!」というツッコミの大合唱が聞こえて来そうですね。ちょっと発案者に聞いてみたところ、以下のような証言が得られました。
ゆるっと、ふわっとした楽しい雰囲気といったら、タピオカかなーって思って。 だって流行ってるし。 思ったんですよ、そのときは。 全員一致で「タピオカだ!」って……。
なお、同種の発想は他にもあったようで、他社では「タピオカセキュリティ」というイベントも開催されており、見事に名前がかぶってしまっていました。
ともあれ、ゆるいLT会だととらえていただければ、だいたいあっています。
社内有志による準備
このイベント、実は弁護士ドットコムの主催というわけではありません。弁護士ドットコムは会場を提供し、そのかわりにスポンサー枠でLTをするという関わりです。懇親会の食事もスポンサードしていません (皆様からいただいた参加費が食事に当てられています。ちなみに、スタッフも参加費を払って参加しています)。
イベントの企画と運営は、社内有志の個人によって行われています。また、connpassに使われているイベントのロゴも、社内の有志のデザイナーがデザインしたものです。
こんな感じのゆるいイベントなのですが、なぜか募集開始してまもなくLT枠が埋まってしまう事態になりました。よくわからない、ゆるいLTというコンセプトは、意外とニーズがあったのかもしれません。
当日のツイートまとめ
さて、当日の様子ですが、TwitterのツイートをTogetterにまとめました。こちらでおおまかな雰囲気はつかめると思います。
以下、LTそれぞれについて簡単に私の感想などを。
スポンサートーク (川合さん)
冒頭に、弁護士ドットコムの川合さんからスポンサートークがありました。エンジニアの男女比率が10:0という話をされており、会場が大変ざわついておりました。
(なお、これはあくまでエンジニアに限った比率であり、他の職種では女性もいます。)
弁護士ドットコムはエンジニアを募集しているそうです!
LTその1:「タピオカに学ぶdisplay: none;」(kawahara さん)
資料: タピオカに学ぶdisplay: none; (出落ち感満載)/ display none with tapioca
冒頭からいきなり特定サービスの具体名が出てきてしまいました。7pay の話……と思わせつつ、華麗にスルーして、今話題のリクナビの話に。リクナビが就活生の内定辞退率を予測して企業に販売していた、という話です。
「擁護する人もいるようだが、エンジニアとしてはとても擁護できない」として、さまざまな問題点についてまとめていただきました。最後は、「エンジニアも法律を学ぶ必要がある」という結論に。弁護士ドットコムを意識して法律の話でまとめていただいたようです。
LTその2:「stylelint-a11yについて調べてわかったこと」(yamanoku さん)
資料: stylelint-a11yについて調べてわかったこと
うってかわってアクセシビリティの話。stylelintのアドオンにstylelint-a11yというものがあり、アクセシビリティの観点で好ましくないスタイルを検出できるというご紹介です。
さまざまなルールのご紹介がありましたが、特に会場が沸いたのは“no-display-none”というルールの紹介。安易な display: none; を抑制しようというものですが、偶然にも前のネタと被っていたため笑いを誘っていました。
他、“no-text-align-justify”の紹介では、テキスト中に「白い川」が見えて読めなくなることがあるという話に対して「へぇぇ」という声が上がっていました。
LTその3:「Vue.jsとNuxt.jsの学び方」 (53able さん)
技術について学ぶ際には、公式ドキュメントを読むことが重要です。しかし、単に公式ドキュメントを読む社内勉強会を開催しようとしても受け入れてもらえない。
そんな悩みを解決すべく編み出したのが、公式ドキュメントからコードの部分だけを抽出し、そこだけ読むという荒業! やはりプログラマーはコードを読んでナンボ、コードで語らせるのが手っ取り早いという発想です。
Vue.jsの公式ドキュメントはなんとjQueryが使われているようで、jQueryのセレクタを使って簡単に抽出できたとのこと。会場が笑いの渦に包まれます。
Nuxt.jsのほうは残念ながら (?) jQueryではなくNuxt.jsで書かれていたようで、標準DOMで頑張ってコードを抜き出す処理を書いたとのことでした。
LTその4:「これがホントのtapiocaセキュリティ」という話をしようとした顛末記 (ほそのひでともさん)
(資料非公開?)
このイベントは「タピオカLT」ですが、某弊社で「タピオカセキュリティ」というイベントを開催し、見事に名前がかぶった……というご紹介。なんと、「タピオカセキュリティ」の主催であるEGセキュアソリューションズからの刺客でいらっしゃいました。
Tapiocaって名前は色々なところで使われているよね、という話から、Tapiocaいう名のソフトウェアがたくさんあるという話に。なんと、CERT/CCもCERT Tapiocaというセキュリティツールを提供しているのでした。
CERT TapiocaはMITM (Man in The Middle, 中間者攻撃) を再現するセキュリティツールで、主に証明書の検証不備という脆弱性を発見するためのツールです。他にも、中間者としてHTTPリクエストの内容を確認するなど、さまざまな機能があるようです。
タピオカとセキュリティには意外な繋がりがある、というお話でした。
LTその5:「タピオカに学ぶ二段階認証」(ariaki さん)
資料: タピオカに学ぶ二段階認証 / tapioca-mfa
世間では「二段階認証」という言葉がよく使われますが、同一の種類の認証が二段階になっていても意味がない、多要素認証であることに意味があるのだ、というお話。
話の内容を一言でまとめると短いのですが、スライドのあちこちにタピオカドリンクが隠されているなど、聴く人を楽しませる工夫が満載でした。会場からも幾度となく笑いが巻き起こり、みなさん楽しんで聞いていたようです。
LTその6:「Ma_gician (世界中のフロントエンダーの残業時間を減らす、新しい JavaScript フロントエンドフレームワーク)」 (StewEucen さん)
資料: Ma_gician (世界中のフロントエンダーの残業時間を減らす、新しい JavaScript フロントエンドフレームワーク)
最後は、開発中の新しいJavaScriptフレームワークのご紹介。AngularJS, Vue.js, jQuery などの既存のフレームワークやライブラリと互換性があり、それらで書かれたテンプレートやコードもそのまま動作させることができるとのこと。
また、このフレームワーク自体は、フレームワークをロードする記述の他にはほとんどJavaScriptを記述せずに動作させることが可能、とのことでした。
デモでは実際にコードを編集して、このフレームワークのJSだけで既存のテンプレートが動く様子を見せていただきました。
現在は鋭意開発中であり、いまのところはコードも非公開、正式名称も非公開とのことでした。今年度中のオープンソース化を目指しているとのことで、今後が期待されるところです。
おわりに
タイトルに「(初LT歓迎)」と書いていたのですが、LTはどれも非常にクオリティが高く、みなさん非常に話し慣れているように見受けられました。
意外と、普段よく話している人のほうが、テーマを問わないゆるいLTをしたいと思われているのかもしれません。
正式なアンケートをとったわけではありませんが、懇親会等で話を聞いた限りでは、みなさん楽しんでいただけて好評だったようです。
そして「2杯目」へ!
そして、なんと! ご好評につき、「タピオカLT 2杯目」が開催される運びとなりました。
次回もまた、エキサイティングな四方山話が繰り広げられるのでしょうか。面白そうだ、と思われた方は是非ご参加ください。お待ちしております!!