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【番外編】「知の大冒険」京都文化博物館

桜の季節を迎え、京都は観光客があふれています。海外からの方も増え、数年ぶりの「観光シーズン」到来です。

桜を観に行く人たちをかき分け、三条通りにある京都文化博物館に行ってきました。
現在、「知の大冒険ー東洋文庫 名品の煌めきー」という特別展が開催されています。

開催の趣旨は、上のリンクにありますが、以下の通りです。

東洋文庫(東京都文京区)は、1924年に三菱の第三代社長・岩崎久彌によって設立された、東洋学分野でのアジア最大級の研究図書館であり、世界五大東洋学研究図書館の一つです。本展では、東洋文庫が有する約100万冊の蔵書の中から、国宝、重要文化財をはじめとする貴重な所蔵品約120件を展示します。教科書で見たことがある有名な書物や地図、絵画のほか、あまり知られていない文字や言語、服装、動植物など、まだ見ぬ新たな「知」との出会いが待つ東洋世界への冒険をぜひご堪能ください。

京都文化博物館HPより

この特別展の特徴は、みんなが実にじっくり、ゆっくり資料を見ているところにありました。見ているというより味わっている感じです。お邪魔をしてもいけないので、先に別の資料を見てから、前の資料に戻ることもしばしばでした。
簡単にいくつかの資料について、感想を記しておきます。

個人的に世界の文字に興味があるので、入ってすぐのプロローグで紹介されていたさまざまな文字に心を掴まれました。なかでも、トンパ文字は何度見てもかわいい。みなさんは、生きた象形文字と言われるトンパ文字はご存じでしょうか。
チベットの大蔵経も間近で見ると重みがありました。

大槻玄沢の「重訂解体新書」、シーボルトの「日本植物誌」「日本動物誌」、ホークスの「ペリー提督日本遠征記」の挿絵など、かつて教科書で見たことがある資料にも出会うことができました。
シーボルト動物誌の海老の繊細な描写には圧倒されました。

エピローグでは、東洋文庫の資料を台風や戦争から守ってきた人々の苦労を知り、こうして貴重な資料を見ることができる幸せを噛みしめました。

なお、東洋文庫では、資料のデジタルアーカイブ化が進んでいるようです。貴重な資料を次の世代へとつなぎ、広く利用できるように活動が続いています。

京都文化博物館は、三条通りにあります。かつて、三条通りは、京都随一の繁華街でした。梶井が檸檬を置いた丸善も、その当時は三条通りにありました。今も、古い概観を遺す建物が複数あり、文化博物館も歴史的建造物です(ヘッダの写真がそれです)。
ゆっくり散策するにはよいところです。京都にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。