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タンザニア、ムワンザの手押しポンプを訪ねて②

二泊三日でムワンザの手押しポンプを見て回っています。
その①に続いて、見たポンプの様子や感じたことを書いていこうと思います。

ちなみにその①はこちらです。

フェリーに乗りNyakahako村へ

ランドクルーザーごとフェリーに乗りこみ、Nyakahako村へ向かいます。本日も片道2時間くらいかけて行きます。朝7時出発で、結構大変でした。
フェリーはいつ乗っても楽しいですね。風も気持ちよくて、つい船外に出てしまいます。

Nyakahako村へ

サファリよりひどい道をランクルで走ること2時間、目的の村に到着しました。

小さな子も必死に水汲みします

この地域の手押しポンプは6個設置していますが、壊れている状態なのは一つだけだそうです。
このポンプは動く状態に維持されておりました。
乾季のシーズンは、このポンプはとても人気らしく、100人以上の人が人が水を汲みに来るそうです。

ひどい時では20Lの黄色いボトル(jerry canと言います)を一つ組むのに朝8時から午後1時まで待つこともあるそうで、一列になり、円状に囲んでひたすら待つそうです。

子供が生まれたばかりの家庭だったり、みんなに尊敬されている人は列を抜かして優先的に水を汲ませてもらえることもあるそうです。

アフリカでは、畑仕事や畜産などの外の仕事は男性の仕事で、料理や洗濯などの内の仕事は女性の仕事だそうです。そのため、料理や洗濯に使う水も自動的に女性の責任になります。

中には手伝う男性もいるそうですが、ごく稀で、構成される行列もほぼ100%が女性だそうです。
どこのポンプのサイトでも同じ質問をしましたが、みんな同じ回答をします。「水汲みは女性の責任だ」と。

子供も例外なく水汲みをしていて、女性の場合、学校の前後に水汲みをするので、必然的に学習時間も少なくなります。水、教育がいかに大切かを実際に生活している人たちを見て改めて実感しました。

Buswel村の過酷な状況

2022年の一月から故障中
お金を集めてスペアパーツを買い、修理します

この地域は、ポンプを敷設する際もかなり苦労した地域だそうです。周りを見渡すと、昨日大雨が降っていたはずなのに、畑は乾燥していて、水がなさそうな印象を受けます。ボーリング調査した時も、なかなか水脈を探すのが大変だったという話も聞きました。

Buswel村の住人の洗濯の様子

近くのポンプが壊れているので、水があるところで洗濯や飲み水を確保するしかありません。
この家庭は、水の流れているこの場所を見つけ、洗濯をしていました。

明らかに泥水から水をすくって運んでいましたが、これを飲み水や料理、洗濯に使います。他に水がないので、これを使うしかありません。煮沸などはしていないので、汚染(虫、ウイルスなど含む)されていたらかなり危険です。

大きな穴を掘っておいて、そこに流れでた水を汲むのが基本的なスタイルです。日によって滲み出る場所が違うそうです。

中には塀を作っている箇所もありました
牛の侵入を防いで衛生を保つ効果もあるそうです

場所によってはこのような塀を、自分たちで作っている箇所もありました。靴を脱いで入ること、遊ばないこと、中で洗濯をしないことなどのルールが記載されていました。(払ってはないですが、私たちは靴を脱いでなかったので、早速罰金案件でした笑)

水汲みをして販売している人たち

3つで1000Tsh(タンザニアシリング)=50円ほどで運んでいました。この日は休日だったので、普段の仕事とは別に頼まれてやっているとのことでした。

一列に並ぶ様子、学校の近くの手押しポンプにて

学校の近くの手押しポンプでは、このような風景を見ることができました。バケツを一列に並べて、順番を待っていました。男性は別の仕事をしているそうです。こういった決めつけは学校の時から始まっているようです。

管理の杜撰なCommittee members

なんでこんなことになってんの…という現場にも巡り会えました。

状況を聞き出している様子

ポンプの場所を案内してくれた住民によると、このポンプは昨年の12月に故障したとのことでした。Committee memberの青色の服を着た女性は昨年の11月に壊れたと言いました。
(ポンプを敷設したときに5人のCommittee memberを決め、5人でポンプを管理するような仕組みにしています。)
District technicianの秘書である方もいらっしゃり、その方に状況を聞くと今年の2月に壊れたということで、確定しました。

最初壊れた時は、内部のロッドという部品が断裂し、District Technicianに相談すると、自分たちで解決できそうなら解決してみてくれと言われ、ロッドを溶接したそうです。ご存知の方も多いかもですが、溶接すると、溶接部分が最弱部になります。なので数ヶ月後にまた断裂、また溶接というのを繰り返してきたそうです。それで今は故障したままの状態で放置しているそうです。

また、秘書がMwanza市内のスペアパーツの店に行ったが、120,000Tshと高額で買える見込みがないんだと言い始めました。Jacobさん曰く、1/3の値段で買えるからそれはおかしいとのことで、番号を渡すから、値段を知るときはまた連絡をくれということで落ち着きました。

お金を集金済みかと思いきや、これから集めると言っていたので、個人的な予想ですが、スペアパーツの値段も実際には見に行っておらず、適当に値段を言ったのではと感じました。リーダーが動かないと全て止まってしまう例を見て、いかにリーダーが重要かを思い知りました。

そもそも、予備部品は2つずつ提供していて、Committee member達に供与し管理するように言ってあります。彼らに聞くと、どこに行ったかわからないの一点張りでした。おそらく売ったのでしょう。

ちょっとした金のためだけに、スペアパーツを売却し、壊れても放置。その傍ら、村の住人は泥水を利用したり、水に苦労した生活を送っている。このもどかしさ、呆れは本当に笑ってしまうほどでした。善意でやってきた人たちの行為を踏みにじる行為だと思います。

とはいえ、10年近く近く経っていることではありますし、そもそもポンプを自分たちで作ったわけでもないので、大切に扱わなくなる気持ちもわかります。私が感じた呆れは、一方的な感情にすぎないとも思うので、しっかりと現地住民に寄り添った、いい仕組みを考えねばならないなとも思いました。

優秀なCommittee members

かなりいい状態で保管されていました

一方、いい状態で管理されているポンプももちろんありました。先程の杜撰なところから1km程度のところにあるポンプでしたが、ここではしっかりとメンテナンスし、管理体制も万全でした。

車で私たちが近づくと、2,3分で一番右のおじさんがやってきて、何かあったか?と近づいてきました。彼はCommittee memberの一人で、五人でしっかりと管理当番を回しているそうです。スペアパーツはメンバーの一人の家にしっかりと管理されていて、故障の時にもスペアパーツを使用し、まだ豊富にパーツは残っているそうです。

10年経っているにもかかわらず、アポなしで伺ってもすぐにメンバーが来る。いかに大切にされているかを垣間見た瞬間でした。

ポンプの管理をすることでお金をもらえることはないので、本当に大変だと思いますが、よく管理してくれているなと思いました。

現地を見て思ったこと

ケニアのマリンディのMbogolo村近くでホームステイした経験があったので、土壁の家であったり、田舎の村の住民の生活スタイルにあまり驚きはしませんでしたが、大きな違いは安全な水を政府が用意しているかしていないかの違いです。

ケニアでは黒い大きいタンクを設置して、水源からポンプでそこまで送っていましたが、ここタンザニアではそういった設備は稀でした。一箇所だけ、ソーラー化&電動ポンプ化されている箇所があったり、電線が通り始めたりと、少しずつ状況は好転しているのは事実です。

蛇口をひねるだけで飲み水が出ることが当たり前の日本人からしたら、想像を絶する光景の連続で、ずっと驚いてばかりでした。

政府開発援助はもちろん必要なことではありますが、いかにその状態を継続していくかももちろん大切な観点です。
ポンプは壊れますし、井戸の状況も変わります。

塩っけが出てきて、住民から不人気になってしまい、雑に扱われ、完全に壊れるまで修理されないケースもあれば、住民から愛され、しっかりメンテナンスされる場所もある。

彼らも私たちと同じく感情を持ち、彼らも一生懸命生きている。援助している側が押し付けることのないよう、どうやったら継続するかの視点を持った上で援助をしていかなければと感じることのできた3日間でした。

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